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才教ダイアリー

5年1組の場所をみんなできれいに

投稿日:2014.10.17

 5年1組が担当する掃除場所のひとつに、4階の廊下があります。具体的には、3教室分の廊下とその奥のスペースで、毎日5人の子が、掃除をしています。5人はとても真面目で、掃除にも一生懸命取り組んでいました。
 
 ところが先日、子どもたちが登校してくる前に4階を通りかかったある先生から「廊下が汚れているなぁ。」というお言葉をいただいてしまいました。見てみると、確かに、廊下に置かれた黒板消しクリーナーの下にチョークの粉がたくさん落ちています。でも、そこは昨日の掃除の時に、きれいに水ぶきをした場所。子どもたちも、「そこはしっかりやっているよ!」と自信あり気に答えます。

 では、どうして、こんなに汚れてしまうのでしょうか。

 調べてみると、子どもたちが掃除をした後で、各教室の黒板掃除の人たちがクリーナーを使うため、掃除の後にまた汚れてしまっていることが分かりました。さて、これが問題です。黒板掃除の人たちは、掃除の仕上げとしてクリーナーを使いに来るため、クリーナーの周りが汚れるのは掃除時間の終了間際です。その頃、廊下掃除の5人は、ゴミを集めて捨てたり、汚れた雑巾を洗ったりと、こちらも掃除を終える準備をしています。もし、黒板掃除の人たちがクリーナーを使い終わるのを待って床を拭いていたら、確実に掃除終了時刻が過ぎてしまいます。この状況に、「どうしようか?」と問いかけると、掃除リーダーが「みんなが使い終わったら、最後に拭けばいいんじゃない?」と答えました。「でも、遅くなっちゃうよ?」と返すと、「遅くなるけど、そうしないと、廊下は綺麗にならないでしょ。黒板掃除の人たちが仕上げにクリーナーを使えなくなったら、今度は黒板が綺麗にならないから、私たちがちょっと遅くなるくらいならいいよ。」と、何かを決意したように堂々と答えてくれました。こういうことをさらっと言ってしまうのだから、本当に、すばらしいですね。

 5人の少し長めの掃除が始まりました。はじめは「少し遅くなるだけ」と思っていたのですが、それは甘かったようで、帰りの支度の時間になってもまだ終わりませんでした。この状況では、さすがに5人ではやりきれません。でも、このタイミングでやらなければ、また汚い廊下になってしまいます。困った5人は、どんなに遅くなっても、しっかり掃除をするしかありませんでした。

 そこで手を貸したのが、他の掃除場所の友達です。なかなか戻ってこない友達を心配して、せっかく洗った手で雑巾を持ち、「何か手伝うことはある?」と声をかけに行く子が、一人、また一人と増えていきました。「5人は頑張っているんだから。」「せっかくきれいにしようとしているんだから、それを諦めちゃだめでしょ!」という声が、次々に聞こえてきました。そんな状況が何日か続いて、今では、「自分の掃除が終わったら、終わってない掃除場所を手伝う」がクラスの習慣のようになってきました。

 自分の都合よりも人のことを考えて行動する子どもたち。自分に出来ることを見つけて、積極的に動ける子どもたち。こういうことを当たり前にできる子が、将来、人の役に立てる立派な人になっていくのだと思います。これからも、周りの人を大切にする気持ちを持ち続け、誰かの為に一生懸命になれるみんなでいてほしいと願っています。


小学5年1組 廣瀬 友美