1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2014年度
  4. さあ、考えてみよう!

才教ダイアリー

さあ、考えてみよう!

投稿日:2014.12.12

 今、4年生の社会科の授業では、日本各地の気候や特色について学習しています。12月のある週、4年1組では、この日から「雨の少ない地域の特色」という単元が始まりました。雨の少ない地域として学習するのは、香川県。長野育ちの子どもたちにはあまり身近とはいえない県です。「香川県に行ったことがある人?」と聞いたところ、手を挙げたのは、クラスでたった一人だけでした。今までは長野県や山梨県など、自分たちの暮らす県や隣の県を学習していただけに、いつも活発な子どもたちも、驚いたり不安そうにしていたいり、ぽかんとした顔をしていたり...さまざまな反応を見せていました。

 それでも香川県は昔"讃岐国"と呼ばれていた話になると、みんな口ぐちに「うどんだ!」「だから讃岐うどんっていうんだ!」と嬉しそうに反応していました。四国という遠い所でも、身近なものを見つけたことで、親しみを感じることができたようです。

 ところで、香川県は長野県と同様、年間の降水量が少ない県ですが、香川県と長野県は、場所も気温も全く異なります。また、香川県は毎年水不足になりがちだとも言われています。そこで、なぜ香川県は降水量が少ないのか、なぜ水不足になりやすいのか、みんなで考えることになりました。

 先ほども言った通り、香川県に住んだことがなければ、行ったこともない子ども達ですが、地図帳や自分が描いた四国の地形を見て、一人ひとりが一生懸命考え、ノートに書いていました。なかなか書けず、悩む姿も見られましたが、その悩み方にびっくり。

 「長野県と同じで標高が高いのかなあ...。」
 「香川は盆地じゃなくて平野なのに、なんで雨が降るんだろう...。」

 以前学習した県と、似たような所はないか探っているのでした。その内、香川を覆う山地や山脈を見て、「あ、これのせいかも。」とひらめき、嬉しそうにノートにまとめる姿が印象的でした。水不足の理由については、「香川には川がないから。」と書く子どもが何人かいました。試しに「何でそう思ったの?」と聞いてみると、「だって吉野川は徳島県を流れていて、香川県には流れてないじゃないですか」と地図を指しながら答えたり、「降水量が少ないけど、長野県には信濃川があります。」と、長野県を学習した際に扱った内容を引き合い出したりするなど、様々な答えが返ってきました。誰もが思いつきで書いたのではなく、きちんと調べ、自分なりの根拠を持って考えていて、とても立派でした。


 これからも授業だけにとどまらず、あらゆる場面において、今まで学んできたことを活用し、必要なことは調べ、想像力をふくらませて物事を考えられる皆さんになってもらいたいと思います。

跡部 志帆