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才教ダイアリー

「涙して、汗して、懸命に学ぶ姿」

投稿日:2014.12.22

 1年生の国語では、2学期の最後に、「ずうっと、ずっと、大すきだよ」という物語を学習します。小さい頃から大切に飼ってきた、犬のエルフが、年老いて亡くなってしまうというお話です。主人公の悲しみが、子どもたちの心にストレートに伝わってくる、そんな作品です。学習が始まってすぐに、Aさんのお母さんから、こんなお話を聞くことができました。Aさんは、文章を読み取ることが苦手だと、度々お母さんから相談を受けていた子です。初めてこの物語をお母さんの前で音読した時、Aさんは、エルフが死んでしまった場面からぽろぽろと涙をこぼし、声を詰まらせしゃくりあげるようにして、最後までを読み切ったのだというのです。私は、泣きながらも必死に読み続けるAさんの姿を想像し、とても愛おしく感じました。それからの学習では、授業のたびにワークシートにぎっしりと考えを記入し、みんなの前で意欲的に発言して、この物語を一生懸命学んでいました。



 Aさんは、苦手だと思うことにも精一杯取り組める子です。授業で分からないことがあったり、問題を解くのが遅くなってしまったりした時には、家に帰って悔しさを露わにするそうです。入学当初、算数の学習で戸惑っていたこともありましたが、今では計算が見違えるほど速く正確になりました。テキストを開くと、覚えづらい漢字や英単語には印がつけてあり、自作の学習カードをめくる姿を目にすることもしばしばです。



 一人一人、勉強には得手不得手があるかもしれませんが、真面目に取り組むこと、精一杯学ぶことが大切なのだと、Aさんの姿から改めて感じることができるのです。





 もう一人B君の話をします。みんな体育の授業が大好きで、寒いこの時期も、元気いっぱい外へ飛び出していきます。鉄棒の逆上がりや渡り棒への挑戦を終え、今は縄跳びのいろいろな技に取り組んでいます。課題が達成できると、ささやかですが、担任からメダルを授与しています。B君は、鉄棒、渡り棒では、なかなか課題をクリアできず、縄跳びの前回し跳び百回にも、しばらく苦戦していました。ある日、体育の授業を終えたみんなが、教室に満面の笑みで戻ってきました。我先にと、B君のことを私に報告してくれます。とうとう、前回し跳び百回を成功させたのです。戻ってきたB君の顔は紅潮して、しかも、額からは汗まで流れ落ちてきます。必死の挑戦だったことが、その様子から伝わってきました。「やったね。おめでとう。」の声に、少しはにかんだ何とも言えない笑顔を返してくれました。決して得意ではなかった縄跳び、だけど、B君は精一杯取り組んだのです。喜びも人一倍だったことでしょう。帰りのバスを降り、「メダル!メダル!」と言いながら、迎えにきたお母さんに駆け寄ったそうです。





 こんな1年生の姿を、心から誇りに思います。

 そして、日々のみんなとの学習が、本当に楽しいと感じます。





「勉強はやらされるものではなく、自ら進んでするもの。真面目に努力を続ければ、必ず大きな成果を生み出せるのだということ。」

 子どもたちから教えられているようです。





 残りの3学期を、また、みんなで楽しく学習しましょう。





小学1年2組 南 静江