1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2014年度
  4. 少しずつ

才教ダイアリー

少しずつ

投稿日:2015.01.27

 2年4組では、来た人から順番で一列に並ぶ時に、同時に来ることがある。その時はいつも「私(僕)が先だったよ。」と言い争ってしまう。それについて毎回クラスで話し合ったり、私が注意したりした。
 
 話し合いでは「順番はそんなに変わらないよ。」「譲ってあげればいいんだよ。」という意見がたくさん出る。
 
 しかし、頭では分かっているがその場になると行動できない。そんな日々が続き、3学期を迎えた。そこで、子ども達に相手のことを考えてほしいと願い、2年4組の3学期の目標を「自分に厳しく、友達にやさしく」とした。さらに、毎日、帰りの会で自分の3学期の目標とクラス全体の目標を振り返るようにカードに記入をさせている。この振り返りカードを最初は「面倒だ。」「てきとうに書こう。」などと言っていたが、今では「あ~、もう少しできればよかったなあ。」「明日はこれをがんばろう。」と言って、反省を次に生かそうとする姿がある。
 
 そんな中、新学期になったのでクラスの係を新しくした。学期ごとの係決めはとても大変。それは、自分がなりたかった係になれずに泣いてしまう子がいるからだ。ここも譲り合って欲しいところだ。そんな願いを込めて「譲り合って係が決まると、3年生らしいね。」と子どもに伝えた。
 
 「それでは、顔を伏せて、希望する係のところで手を上げましょう。」と係決めを始めたところ、
 「先生~。3学期、○○くんは体育係に決まっていますよ。」とある男の子が言い出した。周りを見ると、他の子もうなずいていた。
 
 「なんで決まっているの?」と私が聞くと、
 「2学期の係決めの時に○○くんは体育係に手を挙げていたけれど、人数が多くて、話し合いで決めようとしたんです。でも、みんなやりたいからなかなか譲りませんでした。その中で○○くんは譲ってくれました。だから、3学期は○○くんが体育係です。」と言ってきた。
 
 クラス全員が納得しているのか確認のために、
 「他に体育係になりたい人はいないの?」と私が尋ねると
 「なりたいけど・・・。○○くんがこの前譲ったのなら、今回は僕たちが譲る番です。」と口々に言いだした。
 
 「では、体育係は○○くんにお願いします。」
 他の係も決め始めると、「僕が譲るよ。」「先生。他の係に行きます。」と言い出し、すぐにクラスの係が決まってしまった。
 
 2年4組全員が初めて譲り合うことができた出来事だった。
 
 社会に出ると電車・バスの座席、エレベーターなどあらゆるところで、譲り合う気持ちが大切になってくる。頭でわかっていても、声をかけられずに終わってしまうことがあると思う。クラスの係決めにとどまらず、どんなところでも相手の気持ちに寄り添って、譲り合う気持ちを大切にしてもらいたい。さらに、それを「行動できる」ところまでしたい。
 
 あと2か月で3年生。「行動で示せる3年生」を2年4組全体で目指していきたい。
 
小学2年4組 園原那由他