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才教ダイアリー

U君のノート

投稿日:2014.11.21

 今年のさいきょう祭が幕を閉じ、ひと月が経ちました。
才教学園ではイベントを振り返り、作文として残していますが、多くの生徒が成長を感じさせる記述をしています。その中に、ひときわ目を引く記述がありました。表題のU君のものです。


 


 中2のミュージカルは、6月に本格的に始動しました。配役はオーディションで決定する以上、当然のように当落があります。U君は希望する役に落選してしまいました。


 


 以下、U君の作文からの引用
「僕は、当初"スカー"がやりたかった。(オーディションは)見事に落ちたわけであるが、最初はそれに納得できずにいた。しかし、それはただのワガママであると気付いたので、くだらない気持ちをもつのはやめようと思った。そして、落ちた自分だからこそ出来る何かをしようと考えたのだが、それを見つけられずにいた。それが原因で、ミュージカルをやることに対して、全くやる気が湧かなかった。しかし、ある日答えを見つけた。それは、意見を出しまくることだ。僕は、表舞台には出ないが、裏から意見を出すことによって、今の舞台を(良く)変えることに、やりがいや面白味を感じた。その日から、僕はノートに意見や案を書いて定期的に演出係に提出した。ボツを覚悟の上で出しまくった。いま読むと「何で、こんな意見を書いたんだ?」というようなものも多かったが、実際に採用されたものもあった。もしかしたら、自分で自分の楽しいことを見つける喜びを感じたのは、このときが初めてかもしれない。僕がミュージカルの練習を通して収穫したものの中で、一番大きいのはこれなのではないかと思っている。これからも、自分の楽しみを見つけるため、いろいろなことにチャレンジしていくつもりである。」


 


 U君のように、光の当たらない部分での活躍は、ほかにも多く、各所で頑張るそのひとつひとつの結集が本番の舞台を成功へとつなげ、そして、生徒たちそれぞれの成長につながっていました。


 


 「舞台を観ていただく以上、感動していただこう。」
この言葉を胸に生徒各々が模索し、感じた責任。見つけた役割。味わった感動。それらを種に、今後、才教学園のリーダーとして活躍する中で、生徒たちが更なる成長をすることを願っています。


中学2年B組 担任

U君のノート

リハーサルで代役するU君(右)