1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2015年度
  4. チャレンジ精神

才教ダイアリー

チャレンジ精神

投稿日:2015.08.27

 才教学園の志教育には「勇気(チャレンジ精神)」というキーワードがあります。これは志を育てる土壌の一つです。何事もやってみなければその面白さや奥深さを知ることができませんし、自らの成長もありません。まずは挑戦し、やってみるという行動の積み重ねが自分の「才」の発見に結びつき、やがて志を育てます。何事も受け身で、自ら挑戦しない者に志は育たないのです。


もちろん失敗すれば恥をかくかも知れません。しかし、子どもたちによく話すのは、今この一時に恥をかくことと、チャレンジから逃げ続けた結果、志も持てず、何の力もない大人になって恥ずかしい人生を送るのとどっちがいいか、ということです。


そんなチャレンジ精神を養う教育の一貫として、私の授業では毎時間ミニ授業という活動を行っています。その日授業で学習した内容を、他の生徒の前で一分程度授業をするという活動です。人前でしゃべるのは我々大人でも緊張します。私も教育実習で生まれて初めて授業をしたときには緊張で頭が真っ白になったことをよく覚えています。


「では、ミニ授業、してみたい人?」と聴くと、チャレンジ精神旺盛な生徒達が一斉に手を挙げ、まるで教師のように板書を使ったり、クイズ形式だったり、工夫を凝らした素晴らしいミニ授業がなされます。しかし、中にはやらなきゃ、と思っていてもなかなか手を挙げられない生徒もいます。今年から入学したある女生徒は、毎回やらなきゃ、と思いながらもなかなか手を挙げることができず、その度に悔しい思いをしたそうです。チャレンジとは一言で言っても、そのハードルの高さは人によって違います。人前でしゃべるということにほとんど緊張しない人もいれば、緊張で頭が真っ白になってしまう人もいます。そんな中、彼女は人前でしゃべることが得意ではありませんでした。彼女にとってミニ授業を行うということは、人前でしゃべることが得意な人よりも何倍も高いハードルを越えてのチャレンジになります。そんな彼女が1学期の終わり、公開授業でたくさんの人が見ている中で、さらに高くなったハードルをよじ登り、手を挙げました。立派なミニ授業でした。今までに指名されて行ったことはありましたが、自ら手を挙げて、挑戦できたのは初めての事でした。何事も、初めてやるということはハードルが高いものです。しかし、最初の一回、何とかしてよじ登るとそのハードルは急に低くなります。そうやって自分が楽に跳べるハードルを増やしていくことが、勉強であり成長です。授業後に「すばらしいチャレンジだったね!」と彼女に伝えると「緊張したけど、楽しかったです!」と、まぶしい笑顔で応えてくれました。


中学校1年A組 担任