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才教ダイアリー

近道はない

投稿日:2015.09.26

速読は4月末からスタートして、5カ月ほどが過ぎました。


 


速読はどの学年でも、楽しみな授業のようです。
担当の教師が何も言わなくても、授業の始まる前に、全員がそろい、ファイルやパソコンの準備が整います。



中学3年生がトレーニングに取り組んだ時のことです。
このたしざん(25+25)は、左右のドッツの数をきちんと数えるとともに、正確に記憶していないとたし算できないという、少しやっかいなものです。
多くの中3生が「難しい~。」「右がいくつか忘れてしまった!」と手を焼く中、Aくんは順調に得点を上げていました。


 


「おっ、すごいね~。ダントツの高得点だね!」思わず声をかけました。
ところが、「でも・・・・」とAくんは浮かない表情です。


 


訳を聞いてみると、Aくんは、自分の問題の解き方を教えてくれました。


「右と左それぞれの一番下の段のドッツだけを足し合わせます。その足し合わせた答えが一桁目にあるものを五択の中から選びます。
このやり方だと、右左それぞれのドッツの数を全部数える手間を省くことができ、たしざんも一桁のたし算で済むので、より高得点が狙えます。」


 


Aくんは、より速く答えを選ぶ工夫をしたものの、結果として本来計算しなくてはならない手間を省いたことが、不本意だったそうです。


 


「よしっ!原点に返って頑張ってみようか。」と呼びかけた時はもう、真剣な表情でトレーニングを始めていました。
ややこしいとわかっていても、近道をせず頑張ろうという潔さを感じました。


 


向上心を持ち、ひたむきに歩みを進める大切さを再確認した出来事でした。


 


速読 担当

たしざん(25+25)

速読授業の様子