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才教ダイアリー

第11回さいきょう祭~Next Legend~

投稿日:2015.11.07


今年の中1は昨年の中1に引き続いて組み体操に挑戦しました。最近世間では組み体操の事故が話題となっていますが、組み体操には大きな教育的価値があります。組み体操は集団の演技です。一人でもミスをすれば全体のミスになります。ピラミッドなどの複数で行う技は、土台の人が一人でも手を抜けば崩れてしまいます。組み体操は一人一人に自分の役割に責任をもつことが求められるのです。また、他人に体を預ける、支えてもらうということは相手への信頼がなくしては成り立ちません。例えば倒立。壁ではできるのに、相手の補助ではできない生徒がたくさんいました。倒立をするにはしっかりと足を蹴り上げなければなりませんが、相手がとってくれるかが不安だと蹴り上げが弱くなってしまうからです。しかし、積み重ねる練習の中で、補助をする人が一生懸命に足を取り、うまく手で取れなければ腕で抱きかかえてでも支える、そんな積み重ねの結果、段々と信頼感と共に成功率が上がり、本番では全員が一発で成功することができました。


 前日のリハーサルでの話です。ある生徒が高熱を出してしまい、とてもリハーサルに出られる状況ではありませんでした。リハーサルは出ずに早退するように伝えると、彼は「嫌です。大事なリハーサルですし、僕がいないと技が完成しないので、出させて下さい!」と、高熱の体をふらふらさせながら言いました。さすがに出すわけにはいかず、明日の本番に備えて今日は休むべきだと何度も説得すると、「明日は絶対に来ますから。」と言って帰りました。帰宅後も高熱でうなされ、悔しくて涙が出たそうです。しかし、やれることを全てやり、気合いと根性で熱を下げ、当日は無事出演することができました。リハーサルが出来なかった分の不安はありましたが、今まで培ってきた仲間との信頼とチームワークで次々に技も決まり、大きな拍手と共に組み体操「Next Legend」が幕を閉じました。


 さいきょう祭という大きなハードル。決して簡単に格好よく跳べるようなものではない高い高いハードルをよじ登った子どもたちの顔つきは、それまでとは大きく違って見えます。演技が終わって子どもたちが舞台袖に戻ってきます。安堵、歓喜、自信に満ちた笑顔や泣き顔は、世界のどんな芸術にも勝る芸術です。客席からはみられないこの芸術を鑑賞できるのは教師という仕事の特権ですね。


 


1年A組 担任