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才教ダイアリー

オズが願い事を叶えてくれる

投稿日:2015.11.27

10月31日土曜日に、才教学園小・中学校の三大行事のひとつ、「さいきょう祭」が行われました。毎年、小学6年生は、この行事で「ミュージカル」を発表します。今年度の6年生も、そんな伝統を受け継ぎ、ミュージカル「オズの魔法使い」に挑戦しました。


 本格的な練習が始まった8月。みんながやる気に満ち溢れ、自分に任せられた役を熱心に練習していました。「これなら、きっと素晴らしいミュージカルになる!」「早くみんなに見せたい!」そんな声が子どもたちの中からも聞こえ、とてもよいスタートでした。


 


しかし、そんな状態は長くは続きませんでした。ある程度通せるようになり、「磨き」の段階に入った9月下旬には、練習中にも関わらず、勝手に遊んだり、喋ったりする子が目立ち始め、思うように練習が進まなくなってしまったのです。各クラスのミュージカルリーダーが中心となって練習を呼びかけますが、せっかく始めた昼休みの自主練習も全員揃わないことが増え、日に日に学年の雰囲気は悪くなっていきました。


 


 


 日記より・・・今日も、音楽の時間にミュージカルを練習しました。今日も全然うまくいきませんでした。6年生全員でまとまらなければいけないのに、今日の練習は、みんながきれいな色で絵を描いているところに、何人かの人に黒いインクをポタッとやられてしまった感じでした。せっかく創ったものを、また作り直す感じです。


 


 


 状況はなかなか改善されないまま、ついに本番1週間前になってしまいました。ほとんどの子は、これ以上できないくらい、一生懸命練習に取り組んでいます。しかし、この期に及んでも真剣さに欠ける言動が見られ、相変わらず全体の雰囲気は良くない状態でした。


 


そこで、さいきょう祭にかける願いや思いも含め、自分たちのミュージカルを完成させるために、何をしなければいけないかを学年全員で話し合うことになりました。すると、普段、あまり練習に意欲的でない子も、自分が思っていることを話し始め、そこから「6年生として、絶対にさいきょう祭を成功させなければならない。」「小学校生活最後のさいきょう祭にふさわしい発表をしたい。」という願いは学年全員に共通したものであったことが分かってきました。それが分かると、友達との関わり方も変わってきます。ようやく学年が一つになれた瞬間でした。


 


 


日記より・・・今日は、練習ではなくて、話し合いをしました。正直、あんなに意見が出てびっくりしました。みんなが、あんなにいろいろと思っていたなんて、驚きでした。いつも真剣になれない人たちも、ちゃんとミュージカルのことを考えていて、成功させたい思いは一緒だったんだなと思いました。いつもふざけているから、今まではきちんと話を聞いていなかったけれど、もっとその人たちの意見に耳を傾けていればよかったと思いました。残り少ない練習だけど、ゴールは同じと分かったので、お互いの気持ちを大切にしながら、みんなで協力して、絶対にミュージカルを成功させたいです。


 


 


話し合い後の子どもたちの成長は目覚ましいものでした。自分たちで意見を出しあい、どんどんミュージカルを自分たちのものにしていく姿は、本当に素晴らしかったです。


 


そうして迎えた本番は、大成功。カーテンコールでは、会場中から大きな拍手をもらい、今までに見たことがないくらい嬉しそうな顔をする子ども達を見ることができました。願いが叶ったのです。感動して涙を流した経験は、子どもたちにとって、かけがえのない思い出となったことでしょう。


 


 6年生としての生活はあと4か月。大きな山をみんなで乗り越え、より一層成長した子どもたちが、残りの学校生活でどう活躍していくのか、本当に楽しみです。今回味わった感動を忘れず、さらに絆を深めていってほしいと思います。


 


6年1組 担任