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才教ダイアリー

みんなで成長するということ

投稿日:2016.02.24

2は生活科の授業で、けん玉の練習をしています。3年生になるまでに、2年生全員で、5級(ろうそく、止め剣、飛行機ができる)に合格しようと、目標を立てて頑張っています。


 


 お昼休みや授業の間の休み時間には、少しでも時間を見つけて練習する姿が見られます。技はたくさんありますが、けん玉検定の技が上手な子を見つけると、「『○○専門家』に聞いてみよう!」とお願いに行きます。また他の子がある技が上手になると「~さんは『○○専門家』だね!」とほめます。声をかけられた子は照れながらも、とてもうれしそうな表情でコツを教えてあげます。


 


 2月に入りけん玉検定の目標の5級全員合格が近づいてきました。一回一回の検定にも熱が入るある日の出来事でした。


 


 ちょっと恥ずかしがりの女子のBさんが5級の検定に挑戦にきました。私に検定表を差し出して、緊張した表情で「お願いします。」とあいさつ。私も「お願いします。」とあいさつをして、検定を始めようとしました。するとBさんの検定に気づいた男の子2人が、Bさんの前に駆け寄ってきました。


 


 邪魔にならない距離ですがBさんの目の前の床に座りこみ大声で応援を始めたのです。私は、Bさんが緊張し固くなってしまわないかと少し心配になりましたが、「Bさんの大応援団だね!」と一言、すぐ検定を始めました。やはりBさんは「ちょっと近いな、緊張するな~。」とつぶやいています。でも、意外に順調に検定は進んでいきました。私も少しほっとしかけたところで10回中1回飛行機という技ができれば5級合格という場面。ところが5回失敗が続いてしまったのです。Bさんの表情がみるみる固くなり、「だめかもしれない」。あきらめの言葉が出ました。でも男の子たちは「大丈夫、できるできる!!」と大声で励まし続けました。


 


実はBさんはもっと簡単な級の時に緊張のあまり、もうだめだとあきらめて検定に落ちてしまったことがあったのです。しかし今日のBさんは、11回かみしめるように落ち着いた様子で検定を続けます。とうとう9回目も失敗してしまいましたが、祈るような表情で10回目。


 


 なんと外しそうになりながらもBさんは飛行機の技を成功することができたのです!男の子は「やったー!!」と大声を上げBさんに駆け寄ります。Bさんは男の子たちにホッとした表情で応えていました。「5級合格おめでとう、Bさん!」私の呼びかけにBさんは胸のあたりを何度も押さえ「先生なんかこの辺がうれしい」とにこやかな表情を見せてくれました。


 


 友達の応援を受け、検定に合格したことも大きな成長でしたが、何よりうれしかったのは友達の応援を緊張ではなく、力に変えることができたBさんの心の成長でした。一人でひたむきに頑張ることも素晴らしいけれど、友達がいるからこそ自分の殻を破り成長することもできる。ささやかでも、大切な一歩だと感じた出来事でした。


 


小学2年 生活科担当