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才教ダイアリー

「チームとしての成長」

投稿日:2016.10.11

 2年生は体育の授業でサッカーに取り組みました。


始めの数時間でパスやシュート、ドリブルをしっかり練習した後、クラスの14人を半分にした7人対7人のフットサル形式で実戦を行う計画でした。


 3組は特に運動の好きな子どもが多く、更に『勝つこと』に強いこだわりを持っています。試合をする旨が伝えられると、その日を今か今かと心待ちにしていました。


 


 その初戦を終え、教室に戻ってきた子どもたちは、泣いていたり、顔を真っ赤にして怒っていたり、ツンと黙ったままだったり...。一体、何があったのでしょうか。


A君がファウルみたいなプレーばっかりでずるい!』『Bさんが全然動いてくれないせいで負けた!』『C君は自分ばっかりで攻めて、パスしてくれない!』『ハンドじゃないのに、ハンドだって言われて...(泣)』


どうも、気持ちの良い試合は出来なかったようです。


 


翌日から、運動の得意な男の子達を中心に、朝の時間と昼休みを使って特訓が始まりました。しかし状況は変わらず、体育が終わると喧嘩腰で教室へ戻る日々。「もう試合なんてしたくない...。」そんな言葉まで出てきてしまいました。


 


ところが、少しずつ雰囲気が変わってきました。


休み時間には、男の子だけでなく、女の子も特訓をする姿が見られるようになりました。


雨の日は教室内で会議を開き、フィールドを模した図を使って、作戦やポジションを話し合います。「いつも楽しくやる」「くじけそうになってもやる気を出す」といった心構えまで、作戦メモとして残していました。


サッカーが上手な子は、苦手な子に稽古をつけたり、ボールを受けた位置によって何をすべきかを教えてあげたりしています。苦手な子も、頑張って練習に参加し、試合中は体を張ってボールに食らいつきます。


どうすればチームとしてまとまって勝利を目指すことができるか、お互いが納得して気持ち良い試合ができるか、一人ひとりが気付き始めたのです。


 


徐々に、『今日は楽しかった、いい勝負だった!』という振り返りが増えてきます。何より、『○○君があの時こうして、でも○○さんがボールを止めて...』と、クラスメイトの活躍を語るようになってきました。


 


10月4日の最終戦。結果は1-1の引き分けでしたが、両チームとも、サイドからのクロスボール、ディフェンスの間を縫うパス、キーパーのファインセーブ、コーナーキックやスローインの際のポストプレーなど、小2とは思えない連携プレーが何度も飛び出した接戦でした。


「勝ちたかった~!」そう言いながらも、子どもたちは本当に清々しい顔をしていました。観戦していた私にも、まるでJリーグの好カードを見た後のような高揚感が残る、白熱の一戦でした。


 


 


『才教の心得』に、「理想を求め、何事にも全力で果敢に挑戦せよ。ここに感動の源あり」とあるように、たとえ最初は上手くいかずとも、「みんなでこうなりたい」という理想に向かい、全力で考えて行動し、結果として感動を味わっている子どもたち。そんな姿は、見る者にも感動を与えます。


さいきょう祭では、自分たちと担任だけでなく、より多くの観客に感動を与えられるステージを作り上げなくてはなりませんが、「この子たちならきっと凄いパフォーマンスができる。」そう確信させてもらえた、体育での一コマでした。


 


 


小学校2年3組担任