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才教ダイアリー

ツタンカーメンの仮面にも使われていた「ハンダづけ」に挑戦

投稿日:2017.02.07

 3学期、技術科では、中学2年生がパソコンの計測・プログラム作成単元の準備段階として、災害時に活用できるFMラジオの製作を行っています。この単元の主な実習のひとつがハンダ付けです。ハンダづけの起源は古く、紀元前3000年ころにはこの技術が使われていたとも言われています。


 


電気の回路は、「基板」とよばれる板にさまざまな電子部品を取り付けることによって作られます。この電子部品はただ接着するのではなく、電気が流れるように接着する必要があります。1ヶ所でも接着していないところがあると、電流は流れません。


ここに、この単元の醍醐味と厳しさがあります。グループで実習すると操作する人が限られるため、今回は一人ひとりが基板を使って実習に取り組みました。


 


授業を進めていて、私自身も驚きましたが、面白そうという意識から入れるため、生徒のだれもが興味をもって取り組んでいます。


「こて」の先に全神経を集中させて銅製の基板にハンダを流し込むのですが、その「こて」はとても高温になります。油断はできません。最初は慎重すぎてハンダが多くつきすぎる、いわゆる「イモハンダ」をたくさんの生徒がつくりました。でも、そのうちにきれいな山型をしたハンダ接合ができるようになりました。


回路計を使って電気が流れるかを検査し、成功すると思わず「ヤッター!」 


技術室にこの叫び声がたくさん聞こえてくる頃、作品の完成です。


失敗をしながらも、何回も修正して基板と電子部品を接着しようとする生徒。早く実習が終了した生徒が、隣の生徒の基板を支えながら実習を進める姿。ハンダ実習中の技術室は、静寂そのものです。


授業後、「となりの基板にハンダが流れないように気持ちを集中させた。」「ラジオから音が出たときは嬉しかった。」「スイッチを入れるときに、とてもドキドキした。」という声から、実体験を優先する技術科ならではの学びを実感しました。


この実感を子どもたちとしっかり育みながら、これからの授業をさらにダイナミックなものにしていきたいと考えています。


 


中学校技術科担当