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才教ダイアリー

速読の授業でのひとコマ

投稿日:2017.02.24

 ある日、速読の授業準備をしようとパソコン室に行くと、キーボード、マウスが乱雑に置かれていました。自分の後に機器を使う人たちがいることを全く考えていないのか…と、残念に思いました。


 モニター、キーボードなどの位置を一台ずつ整え、あえてゴミは拾わず、担当する授業の開始を待ちました。


 児童が揃い、いつもはすぐ電源を入れるのですが、この日は…


「まず、お話があります。パソコンのようすを見て、どう思いますか?」と問いかけました。


すると、何人かが「キーボードやマウスがきれいに並んでいます。」と答えました。


「では、なぜこんなに整頓されているのでしょう?」


「前のクラスの人がきれいにしていったからだと思います。」


「そうだったらいいなぁと私も思いますが、残念ながらそうではありません。ではなぜ?」


「始まる前に、先生がきれいに整頓してくれたからだと思います。」


「その通りです。なぜ先生がそうしなければならなかったのかはわかりますね。前に使った人たちが、次に使う人のことを考えず帰ってしまったからです。」


3年2組の子どもたちは、毎回授業が終わると指示に従ってきちんと整頓してくれているのですが、あえて聞いてみました。


「使った後は、どうすればいいのでしょうか。」


「元通りにする。」と返答がありました。


「そう、それが大切。でも、もう一歩踏み込んで、使う前より使った後の方がきれいになるともっといいですね。小さなゴミも落ちていますが、きれいにして教室を出ましょう。」


私は、そう一言云いおいて授業に入りました。


 


そして、終了の時間。パソコンの電源を落とすと、みんながキーボードやマウスを整頓し始め、あちこちで率先して机の下にもぐってゴミを拾い始めました。


私が最初に言ったことを覚えていて、指示をしないうちに、自分たちの意思で動き始めた子どもたちは、


「こんなにたくさんありました。」


「先生こんなごみもあった!」


と、笑顔で整理整頓に取り組んでいました。


このクラスでは、速読用のファイルも、自分たちで配り、回収します。点数の高かった子に大きな拍手もおくります。お互いが気遣い、励まし合うことが日常的にできている素晴らしいクラスだと、改めて感動を覚えた日でした。


 


速読担当