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才教ダイアリー

数学って面白い!

投稿日:2018.02.16


 3学期に入り、9年生の受験シーズン到来です。授業も受験対策が中心となってきました。ピリッとした空気の中、全神経を集中させて問題を解く姿が見られます。授業も残り1か月ほどですが、ここまでを振り返ってみると、ワクワクの連続でした。


 


ある日の授業のことです。


 「相似」の学習が一通り終わったので、高校数学の内容でもある「チェバの定理・メネラウスの定理」を扱いました。これらは、公立高校入試はもちろん、模試などでも目にする機会がないため、実践として使うことがなかなか難しいのが現状です。定理の概要を説明し、証明し、例題を解き終わり、授業も終盤に差し掛かったところでMくんが発した一言。


「メネラウスの定理って、重心の証明に使えませんか?」


前日の授業で、三角形の重心は中線を2:1に分けることを学習し、その時はごく普通に相似を使って証明したところでした。他の生徒たちも興味津々で、


「よし、やってみよう!」


ということに。全員の視線が黒板に集中します。三角形、中線、重心をかいたところで、何人かの生徒から、


「あ~、見えてきた! メネラウスの定理、使えるかも!」


という声が。さらに線分の比を定理にあてはめていくと… 見事に2:1という比が出てきたのです。その瞬間、教室中から


「おお~!すごい!」


という歓声があがりました。


 


 


別の日の授業では、こんなこともありました。


 


昨年、「三角形と四角形」の単元の後に「図形と関数」を扱ったときのことです。三角形の面積比を求める問題で解き方を説明したものの、使う知識はまだ習っていない「相似」の内容でした。


当時、「この解き方でよいという理由が、来年になったらはっきりとわかるから、楽しみにしておいてね。」と、授業をしめくくっていたのですが、そのことを覚えていたNくんが、


「去年やった面積比の問題、今学習している相似を使うと説明できるんですよね!」


とうれしそう。


「よくぞ覚えていてくれた!」


私は感動を胸に、昨年できなかった説明を存分にさせてもらい、生徒たちも熱心に聞いてくれました。


 


 


数学は、ただ問題を解いて答えが出ればいい、というものでは決してありません。どうしてそうなるのかを筋道を立てて考えること、他の見方はないのかと多方面から考えることも大切です。他の人の考え方に触れることで自分の視野を広げたり、ちょっとしたことに疑問を持って追究していくような体験をしたりして、数学の面白さや奥深さを感じていくのだと思います。


問題に取り組む真剣な顔、わからない問題を理解した時の満足気な顔、あっと驚くような解法を見つけた時のうれしそうな顔、その一つ一つが私の心に刻まれています。残り1か月。できるだけたくさん、数学の面白さや奥深さを伝えます。9年生の皆さんが、これから先もずっと、数学を楽しんでくれることを願いながら。


 


9年数学担当