投稿日:2018.03.13
先日、1年生の行事があり、その中で心がほっこりするちょっとしたエピソードがありました。 信州大学繊維学部の「ハナサカ軍手ィプロジェクト」の学生の皆さんが訪問してくださり、1年生のみんなに素敵なちび軍手ィをプレゼントしてくれました。その贈呈式での出来事です。赤や黄色、ピンクなど鮮やかな色と柄の手袋に、みんな目を輝かせています。どれもとても魅力的で、「どれがいいかな~?」と思案している様子のみんな。 いよいよ自分が欲しい軍手ィのところに順番に並んで、一人ずついただくというとき。6種類あるうちの一番人気は黄緑色。長い列になってしまいました。担任達は、ちょっと不安になりました。「数が足りなくならないかな?」 案の定、学生のお兄さんから、「ごめんね。2人分足りないのですが・・・」と。 ところが、その言葉を聞いた瞬間に、「ぼく、こっちでいいよ!」と、男の子2人が隣の青色の列に移っていったのです。 男の子たちのおかげで、みんなにこやかに、お気に入りの軍手ィを手にすることができました。 校長先生がそっと2人に近づいて、笑顔で温かく頭を撫でてくださいました。 一年が終わろうとしているこの時期に、こんなちょっとしたエピソードでも、担任として、とても嬉しく感じました。本人たちにとっては、とても大きな成長の一端です。 4月からこれまでを振り返れば、1年生の成長は、どの子も本当に素晴らしいもの。体育祭やさいきょう祭、授業や掃除・休み時間の様子、様々な場面でのみんなの言動や顔を思い浮かべながら、「本当に頑張ったね。」と心から声をかけてあげたいです。 さて、CMにもなった素敵な言葉を一片紹介します。 「心」は誰にも見えない。けれど「心遣い」は見える。 詩人 宮澤 章二 『行為の意味』より この言葉は、東日本大震災が起こった時、衝撃的な報道の合間にCMとして流れました。悲しみや苦しみに耐え、避難所ですべてを譲り合うようにしながら過ごす被災者の姿と相まって、多くの人の胸に滲みた詩なのです。 11日で、東日本大震災から7年が経ちました。7年経っても被害に遭われた方の苦悩は続いているだろうし、遠く離れた私たちでさえ、あの未曾有の災害を忘れることはできません。教室で、このことについて話しました。家が津波で流され、寒い体育館で何日も寝泊りをした人たちが大勢いたこと。生活に必要なものが足りなくなり、朝食に食パン1枚を分け合って食べる日もあったこと…。 小さな子どもたち、物に苦労したことがない子どもたちに、どれだけ伝わるかな、そう思いながらみんなの表情を伺いつつ話をしました。 勉強も大事、だけど何よりも、あたたかい心、やさしい気持ちで人に接することが大切です。 もうすぐ2年生。心も頭も体もバランスよく、またぐんぐんと成長していってくださいね。これからも、応援しています。 1学年主任 2組担任
「思い」は誰にも見えない。けれど「思いやり」は見える。
あたたかい心も、やさしい思いも、行いによってはじめて見える。