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才教ダイアリー

緊張に包まれた裁判傍聴 これもひとつの「現実」

投稿日:2018.06.29


 毎年6月、9年生は公民の学習の一環として、長野地方裁判所松本支部で裁判の傍聴をさせていただいています。


事前に申し込み、指定された日時に裁判所へ行くのですが、どのような裁判かは当然知らされることはなく、当日、現地に着くまで何も分かりません。


 ただ、裁判の当事者にとってはこの日が人生のターニングポイントになります。それをわかっている生徒たちの表情には、普段とは違った緊張がありました。


 


会議室でパンフレットを渡された後、開廷前の法廷に入り、裁判の種類や仕組み、裁判の流れ、そして、これから行われる裁判について説明を受けました。ニュースやドラマで耳にする用語も丁寧に解説していただいたことで、傍聴に対しての心構えができました。


 


今回傍聴したのは刑事裁判でした。開廷時間が迫ると、家族の方や関係者の方が傍聴席に着き、続いて裁判官、事務官、検察官、弁護人、被告の方も入廷してきました。


事前の説明どおり裁判は滞りなく進み、1時間ほどで執行猶予付きの判決が下され、結審しました。


 


・やり取りは意外と早口。専門用語の連続で、ついていくのがやっとだった。


・表情を変えず淡々と裁いていく裁判官は、どんな気持ちだろう?


・検察官が、急に大きな声で被告人に語った(諭した)ときには驚いた。


・家族の方が証言台に立ったのを見ていて、切なくなった。


・罪を犯したのは一人だけど、多くの人(特に家族)に迷惑をかけることになるんだ。


・いろいろな経緯があるのかもしれないが、事を起こす前にやめられなかったのか。


・被告人は反省している様子だから、刑が軽くならないだろうか。


・授業での傍観のはずが、手にしていたパンフレットを握り締めてしまっていた。


・とにかく(雰囲気が)重かった。


 


裁判を見た生徒たちの感想を読むと、授業で訪れた傍観者ではあるものの、法廷内の空気にすっかり飲まれてしまったようです。


 


この後、法廷内の椅子に座らせていただいたのですが、傍聴直後だったせいか、神妙な面持ちの生徒たち。教科書やテレビなどで見るのではない、「現実」を体験する機会をくださった裁判所の方々に感謝いたします。


9年1組担任