投稿日:2018.10.19
10月に入り、校舎のあちこちでさいきょう祭の練習の歌声が響いています。本番を月末に控え、どの学年も練習に熱が入ってきましたが、5年生の算数の授業も負けないくらい毎回熱気に溢れています。
先日の授業参観では、規則性を見つけて問題を解いていく授業を行いました。一言で「規則性」といっても、目のつけ所によってさまざまな考え方があります。答えは決まっているのに、そこにたどり着くまでの過程がいくつも存在する… 算数のおもしろい所です。教科書や問題集の解説にあるような方法で解くことができるのはもちろんですが、私が用意したいくつかの解法にもあてはまらない、予想外の解法が生徒から出たときには、驚きと喜びが入り混じった感動を味わうことができます。生徒たちの柔軟な発想力を目の当たりにできることは、算数・数学の教師の特権です。
分数のたし算とひき算の単元を学習しているときのことです。一通り問題演習も終わり、そろそろ単元テストを行おうかと考えていると、生徒から「問題を作りたいです!」という提案がありました。よい提案だったので、即採用しました。問題作成のために次のようなルールを決め、早速とりかかります。
ルール
1.1人1問、とっておきの分数の問題を作成する。
2.必ず解ける問題にし、解説も作成する。
3.既習範囲の内容にする。
提出された問題には、それぞれの生徒が自分で考え工夫し、試行錯誤した努力が詰め込まれていました。いくつか紹介します。
さあ、皆さん、解けますか?
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〔Aくんの問題〕
ジュースが1と3/5Lあります。Aさんは2/3L、Bさんは1/2L飲みました。残りは何Lですか。
シンプルですが、学習したことを使って皆がきちんと解けるような良問です。
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〔Bさんの問題〕(9/630+9/450+9/90+9/270+9/720+9/810+9/180+9/360+9/540)ー
(7/560+7/280+7/420+7/630+7/70+7/210+7/140+7/350+7/490)
これはなかなか、スカッとする計算問題です。
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〔Cさんの問題〕
ある町には7kmの中にバス停A~Jまで10個のバス停があります。バス停A~C、F~H、H~Iの長さは等しいです。バス停A~Bの長さは0.8km、E~Hは1と9/10km、E~Fは6/10km、C~Eは1.8kmです。
(1)バス停B~Hの長さを求めなさい。
(2)バス停I~Jの長さを求めなさい。
場面の設定に努力の結果がにじみ出ています。きちんと情報整理ができるか試される問題です。
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〔Dくんの問題〕
秒針しかない時計があります。この時計は、ふつうの時計のように「12」の文字から時計回りに回転します。ふつうなら1秒に1/60回転するはずなのですが、この時計、不良品で、1秒につき1/300回転おくれます。この時計が「12」の文字をさしたと同時に、せいかくなストップウォッチをスタートさせます。今から1/5回転分前に、この時計は27.2/60回転していました。さて、ストップウォッチでは今何秒が経過しているでしょう。
柔軟な発想力に驚かされた問題です。場面の設定もていねいにされています。難問ですよ!
5年算数担当