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才教ダイアリー

心満たした生徒の優しさ

投稿日:2019.02.15


 ある日の給食はみんな大好きハヤシライス。食べ盛りでお腹を空かせた生徒達。


少しでも早く食べさせてあげようと担任自ら配膳の準備をしているときに、事件は起きました。


 


あろうことか配膳用の長机が跳ね上がり、ハヤシライスのルーが入った食缶が宙を舞ってしまったのです。教室はあたり一面ハヤシライス。一瞬頭が真っ白になりました。意気消沈しながら片付けを始めると、クラスの生徒達がさっと動きだし、雑巾を持ってきてくれたり、バケツを用意してくれたり、他のクラスに回ってハヤシライスを分けてもらったりとクラス全員が手助けをしてくれました。それどころか、食べ物を無駄にしてしまった罪悪感と、お腹を空かせた生徒達への申し訳なさで落ち込んでいる私に対し、「自分たちの準備が遅くて先生にやらせてしまったことも原因だよ。」とか「これはこれでいい思い出になったね。」など、なんとも優しい言葉で励ましてくれました。いつもより30分以上遅くなりましたが、全校からの善意でかき集めたハヤシライスを食べることができました。


 


今回失敗した私が言うべきことではありませんが、人は誰でも失敗をします。失敗をしたくてする人はいません。それに、失敗をすれば誰でも悲しい気持ちになります。失敗をされた側は困ったり嫌な思いをしますので、失敗した人を責めたり怒ってしまうことも仕方ないかもしれません。


しかし、そんなときこそ失敗した人を手助け、励ましてあげられる人間こそが、真のエリートであると痛感します。


優しい生徒達に恵まれ、私は心もお腹も満たされました。


そして、しばらく私のあだ名はハヤシ先生になりそうです。


  


81組担任