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才教ダイアリー

渾身の1問

投稿日:2019.10.04


 水曜日の放課後になると、数才クラスには算数・数学が大好きな生徒が集まってきます。1学期は、算数オリンピックの問題を解く活動を中心に行ってきました。頭を捻っても捻っても太刀打ちできない難問もありますが、数才クラスの生徒たちは目を輝かせて挑戦します。ただ解くだけでなく、時には解き方を皆の前で発表したりします。解くだけでも大変なのですが、それをわかりやすく論理的に説明することは至難の業。説明する側も、される側も真剣そのものです。こうしていつも、数才クラスはやる気に満ち溢れています。


 問題を解くのが大好きな生徒たちですが、同じくらい好きなのは「問題作成」です。そこで、夏休みに「1人1問、問題を作成してくる。」という宿題を出しました。ただし、次のような条件付きです。


1.必ず解ける問題であること。


2.解説も作成すること。


3.皆が「解きたい!」と思うような魅力的な問題にすること。


 


 2学期が始まり、作成した問題のお披露目会を行いました。数才クラスの時間を数回使って、全員がそれぞれ自分以外の生徒が作成した問題を解くわけです。個性豊かな問題の数々に、生徒たちは大興奮でした。等積変形を利用する図形の問題、複雑な条件がずら~っと並んだ問題、部分分数分解を利用する方程式の問題、公式の意味を問う問題、スターウォーズ愛に満ち溢れた問題、答えが1つに決まらない問題、為替レートに関する問題、遊園地で本当にありそうな問題、和を工夫して求める問題、高校入試にそのまま出題できそうな問題、バーコードを極めた問題などなど。数才クラスの生徒たちが、考えに考え抜いた渾身の問題をすべて紹介したいところですが、紙面の関係上できないのが残念です。


 


〔数列に関する問題〕


□に入る数を求めなさい。


(1) 112358,□,213455,…


(2) 23618108,□,209952,…


(3) 1235442,□,223,…


 


(1)は数才クラスの誰もが大好き「フ○○○○○数列」です。


(2)のヒントは「かけ算」です。


(3)はわかりそうでわからない… 解説を見て「あ~!そうか!」と叫びたくなる問題です。


 


〔カギを解く問題〕


X銀行に、ヨウタ、ジュン、タロウの銀行強盗常習犯3人組が銀行強盗に入った。金庫には5桁のカギがかかっていた。3人はその5桁を下のように予想した。


  ヨウタ  78157


  ジュン  41839


  タロウ  69830


3人が捕まった後、次のことが分かった。


泥棒側については、1人がそれぞれ2つの桁の数字を当てたこと。隣り合った数字を当てなかったこと。全ての桁で1人以上正解者がいること。


銀行側については、同じ数は隣り合わないが、同じ数がない場合もあるということ。


さて、5桁の数字は何だったのだろうか?


 


絶妙な条件設定で、論理的にきちんと解ける問題です。


 


xの値を求める問題〕


正の数x0<x)に対して、xの整数部分を[x]xの小数部分を<x>で表す。


例えば、[3.14]=3<8/3>=2/3<2>=0である。


このとき、[4x-5/3]=<3x+1>+2を満たすxの値を求めなさい。


 


 数学的にとても深みのある問題です。


 


 生徒が全員分の問題を解き終わったところで、それぞれの問題に対して感想を書きました。そこには、素晴らしいという称賛の声もあれば、もっとこうした方がいいという建設的な意見もあり、算数・数学の問題作成を通して、お互いを認め合い、高め合う姿を見ることができました。


 


 数才クラス担当



 

生徒が作成した問題