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才教ダイアリー

分岐点

投稿日:2020.02.07


カツ カツ カツ…。


昼休み、教室内に響き渡るペンの音。


静寂の空間で、唯一聞こえてくる音。


リズミカルにも聞こえるその音は、彼らの思いや気持ちを代弁しているような気がする。


私は、この音が好きだ。緊迫感の中にも厳粛さを肌で感じられる一方で、明るい未来が待ち受けているような気がしてならない。


 


長野県県立高校後期選抜まで、あと32日。


彼らは、必死で問題を解き、懸命に問題と向き合っている。


そんなとき、様々な感情が交錯するものだ。


苦しさ、辛さ、嫌気、逃避等のマイナス的な感情を抱くときがあれば、一方で、楽しさ、喜び、嬉しさ、達成感等のプラス的な感情を抱くときもある。


それらが入り交じった感情を抱きながら、彼らは今日も問題と向き合っている。


 


「敵は相手ではなく、己自身だ。」


あるプロスポーツ選手が言っていた言葉だ。


「こんな程度でいいか」「これでいいや」などと手を抜くという行為は、弱い人間のすることである。


現状維持で満足している限り、成長することはない。


自身の甘えを排除し、そして己に厳しく、ときにはストイックにならなければいけないのである。


 


彼らの夢…。


「医師」「弁護士」「プログラマー」「科学捜査官」「臨床心理士」「舞台女優」等々、より具体的な職業を挙げている人。


まだ具体的な職業ではないが、国際舞台で活躍したい等、思いは様々である。


しかし、彼らの共通の思いは「世のため人のために尽くす人」になることだ。


 


今、彼らは人生の岐路に立っている。


第一志望校合格が決してゴールではない。


辛く、苦しい受験勉強も、夢の実現のための通過点に過ぎない。


受験勉強は、夢を実現するための力を蓄えるためのものである。


ここで力を養い、蓄えておかなければ、夢を実現させることは難しい。


今、この時、この瞬間が勝負なのだ。


 


先行きの見えない状況下で、迷いや不安、焦りはあるが、彼らはそれらを打ち消すかのように自らの甘さを律し、奮い立たせ、そして追い込み、日々勉学に励んでいる。


その頑張りで、一人ひとりが描いた夢へ一歩ずつ近づいていく。


 


9年2組担任