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才教ダイアリー

無償の愛を学ぶ。そこから...

投稿日:2020.03.12

 以前、道徳の授業で『ブラッドレーの請求書』という話を扱いました。


 


〈あらすじ〉 日曜日の朝、朝食のテーブルに着いたブラッドレーは、お母さんの皿の横にお手伝いの代金4ドルを求める請求書を置きました。お母さんは、その紙を黙ってポケットに入れました。昼食のとき、彼の席には、彼が請求した4ドルと1枚の紙。それはお母さんからの請求書で、病気になったブラッドレーの看病や食事などにかかった代金がすべて0ドル、とありました。ブラッドレーは涙ながらにお母さんに駆け寄って謝り、受け取ったばかりのお金を返したのでした。


 


はじめは、ブラッドレーに共感して喜んでいた生徒たち。しかし、お母さんからの請求書の場面から雰囲気が変わり、次のような意見が出てきました。


「頑張っているのは自分だけじゃなかった。ぼくのためにこんなにたくさんの事をしてくれていることに“ありがとう”を伝えたい。」


「いつもお母さんがしていたことは人のためだったから、恩返しをしたい。」


 


授業の最後に書いた家族への手紙には、どれも感謝の思いが溢れていました。


 


『お母さんへ。いつも、ご飯や制服の用意をしてくれてありがとう。今日の授業で、これは当たり前の事じゃなくて、お母さんの愛情だということがわかりました。今まで、ありがとうって言わなくて、ごめんなさい。』


『お父さんへ。帰りが遅いお父さんに、「えー、遅いよ。早く帰ってきてよー。」と言ってしまいました。お父さんが仕事をがんばっているのは、私たちのためなのに、わがままを言ってごめんね。』


 


この年頃の子どもたちは、言われたことを素直に行動に移さなかったり、自分の事を優先して家族内での役割を後回しにしたりしがちです。1組の生徒も例外ではなく、多かれ少なかれ見返りを求めてしまうことがあっただろうと思います。しかし、この授業を通して、家族やそのほか大勢の人たちが、自分を支え、愛情を注いでくれていることを意識するようになりました。


 


 


2月28日、臨時休校前最後の登校日。


帰りの会で、「ブラッドレーの請求書の話を覚えていますか。」と尋ねると、生徒たちは笑顔で頷きました。


「急に状況が変わっても、きちんとご飯を用意して、学校に通わせてくれる。そんな家族に、みなさんはどうしたいですか。」と聞くと、


「いつもありがとうって伝えたいです。」


「一年間、支えてくれてありがとうございましたって言います。」


と次々に答えが返ってきて、温かい気持ちをみんなで共有することができました。


 


どんなときも一番近くで自分たちを支え、応援してくれる家族に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられるみなさんは、とても立派です。担任として誇らしく、本当に嬉しく思います。今後も持ち前の明るさを発揮して成長し続けるみなさんを、私もずっと応援しています!


 


 4年1組担任