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才教ダイアリー

楽器を奏でるということ

投稿日:2020.11.13


先日行われたさいきょう祭では、音楽、劇、ダンスと様々なステージがありました。生徒たちの演目を通して、表現の奥深さを知るとともに、生徒たちの秘めたる力を改めて感じることができました。今回は、私が指導し、合奏を披露した5年生と9年生との時間を振り返ってみたいと思います。


 


生徒たちに合奏を指導する上で私が心掛けたこと、言い換えれば、生徒に意識してほしいことが2つありました。


まず、「楽器を使った表現を理解する」ということ。楽器には私たちの声と異なる独特の音色があり、人間では出せないくらい高い音、低い音、大きい音などを表現することができます。楽器を使うことで、出せる音の可能性がぐんと大きくなるのです。


2つ目は「楽器を大切に扱う」ことです。様々な種類がある楽器は、準備、後片付け、修理、手入れなど演奏以外のところで大変な手間がかかります。しかも、そうした手間の割にステージで音を出すのが一瞬だけ…なんていうことも。また、個人で持ち運べる楽器ばかりではなく、みんなで協力しなければ運ぶことすらままならない大型楽器もあります。さらに付け加えれば、楽器は大切な道具であり、誰かが思いを込めて作った「作品」ともいえるのです。


最初の頃は、準備後片付けに予想以上の時間を費やしたり、ハラハラするような扱い方をしたりすることがありました。それを私が注意する回数が多かったという、やや恥ずかしい事実がありますが、次第に生徒たちは楽器を丁寧に扱うようになり、特有の音色を工夫して出すようになり、練習を重ねるほどに演奏が上達していきました。


 


そんな生徒たちの本番の演奏には、これまでの思いが色濃く出ていたと思います。


5年生が演奏した「運命」と、9年生が演奏した「Let it be」。どちらとも大変有名ですが、使用する楽器の種類や実際に出す音色によって、それぞれの楽曲にふさわしい雰囲気で奏でることができました。


様々な演奏会が制限されている今、久々にホールに響き渡る音を聴いたとき、音楽の持つ力強さが蘇ったように感じました。さいきょう祭で扱った楽器は、全体で見ればほんの一部ですが、生徒にはこれからも世界中の楽器に触れて、様々な表現を理解し、音楽的な視野も広げてほしいと願っています。


 



音楽科担当


 

5年生「運命」

9年生「Let it be」