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才教ダイアリー

協同・協働で深まる考え

投稿日:2021.10.08

 4年生の理科に「とじこめた空気と水」という単元があります。このほど、空気や水の性質を学ぼうと、筒状の容器(ピストン)に空気や水を閉じ込めて押すという実験を行いました。


 空気で満たされたピストンは押し込むことができましたが、筒が水で満たされている場合はピストンを押し込んでも少しも体積が変化しません。


「閉じ込めた空気と水を押すと、それぞれどうなるか。また、それはなぜだろう?」


 このように質問を投げかけると、生徒たちはしばらく考え込んでいました。


 実験と同じようなことは、どこかでやってみたことはあるのでしょうが、質問の答えになるように説明する言葉がうまく見つからないようです。



 当たり前のように身近に起きることについて「根拠を持って説明を」と言われたら、それに応えることは中々難しいこともありますね。でも、この説明する力、というのはとても重要なスキルです。


 生徒たちは、日常の中でなにか空気の詰まったものが変形するという現象を、生徒たちは何度となく経験しているはずです。確かに、柔らかいゴムボールなどは手で握るとその通りに変形し、中の空気まで押しつぶされていると認識できますし、ボール内の空気が自分の手を押し戻してくるような手応えを感じることもできます。



 さて、生徒たちは、空気と水、両者の性質に気づけたでしょうか。


 私が小さなヒントを出してみると、生徒たちから次のような発言が出てきました。


―空気も水も形がない


―空気は目に見えないけれど、水は目に見える


―空気は気体で、水は液体


 難しい言葉ではなくても、今までの経験や理科の知識をうまくつなげて表現(説明)でき、空気と水の共通点・相違点を探し出せました。


 たくさんの発言を手掛かりに、意見は次第にまとまっていき、しかも、「ボールの中は大体空気が入っているけど、水を入れたことはないなぁ」とか、「使う入れ物が同じだと比べられるね」など、条件を統一して比較しようというところまで意見が熟してきました。


「ペットボトルで比べられるんじゃない?」


「ペットボトルの中身が全部空気だとベコベコへこむけど、水でいっぱいにしたら全然へこまなかったときがあったよ。」


「じゃあ今度実際にやってみようよ。」



 私は、生徒の経験や知識から意見がまとまり、これからにつながるような考えまで飛び出したことに嬉しくなりました。


 自分一人では解くことが難しい問題でも、仲間との学習や意見の積み重ねから、科学的なものの見方や実験の方法にまで考えを深めることができた4年生。これからもともに根気強く考え、学んでいきましょう。



4学年理科担当

まずは空を閉じ込めたピストンを押し込んでみました

気づいたことを書き込みます

透明で見づらいですが、こちらは水入りのピストン