投稿日:2021.12.03
11月24日から12月10日まで、学校は「読書週間」。
この期間は、蔵書の3冊貸し出しやブックカバーのプレゼントを行っています。
「読書週間だから、本は3冊借りられますよ。」
私がそう伝えると、本が大好きな子どもたちは、
「やったーーー!!!」
教室いっぱいに喜びの声が響きました。
ブックカバーは、校内コンクールで募集したイラストの中から最優秀賞に選ばれた作品を元に作られ、図書室を訪れた子にプレゼントされています。
私が担任をしているクラスでも、多くの子が素敵な絵を描き、応募していました。
あるとき、誰よりも時間をかけて借りる本を選んでいた子がいました。
悩んだ挙句、3冊全てが大きなイラストの入った文字の少ない絵本。
実はその子には、小さな弟とこの夏に生まれたばかりの妹がいます。
きっと、下の子たちに読ませてあげるために借りていくのだろうと、微笑ましく感じました。
私はふと、1学期の授業で、子どもたちにお気に入りの本を紹介してもらったときのことを思い出しました。
図書室で人一倍悩んでいたその子が紹介したのは、やはり絵本でした。
ヨシタケシンスケさんの「あんなにあんなに」(ポプラ社)というものです。
あんなに欲しがっていたおもちゃが、もうボロボロ。
あんなに「お腹すいた」って言ってたのに、もう食べない。
あんなに騒がしかったのに、もう寝てる。
あんなに短く切った髪が、もうモサモサ。
あんなに小さかったのに・・・
あんなに泣き虫だったのに・・・
あんなにブカブカだったのに・・・
子育てを経験した誰もが共感できることが、可愛らしいイラストとともに描かれています。
目の前にいる子どもたちは、たくさんの愛情の中でここまで育ってきたのだということ。
そして、これから先、できることがもっともっと増えて、大好きなものや大切な人に出会って、少しずつ親の手を離れていくのだということ。
それでも、親子はずっと親子なのだということ。
本を読み終えた後にこんなことを考えて、目頭が熱くなったのを覚えています。
2年生は、2学期の終わりから3学期にかけて、自分の生い立ちについての学習を行います。
小さいきょうだいがいる子にとっては、成長過程の実感が湧きやすいかもしれません。
今後の学習を通して、しっかりと学んでいきたいと思います。
自分がどんなふうに成長してきたか。
どれほどの愛情を受け取ってきたか。
育ててくれた家族や周りの人たちに感謝の気持ちを持つのと同時に、同じように愛されて育った友だちのことを大切にできるように。
2年1組担任
校舎1階に掲示された、ブックカバーコンクールの応募作品