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才教ダイアリー

書は人なり、心を写す力

投稿日:2022.01.28

 4年生の3学期最初の書写は、『白馬』という漢字でした。文字同士の大きさを考えて書くことが、今回の目標です。漢字が複数ある場合は、画数の少ない字をやや小さめに書くとバランスが取れます。『白馬』の場合であれば、『白』を小さく書くということ。また、『馬』は書き順を間違えやすいので、筆の流れに注意が必要です。


 ポイントと筆順を確認した後、心を落ち着かせて姿勢を正し、いよいよ文字を書き始めます。呼吸を整え、次の画へのつながりを意識しつつ、一画一画ていねいに、漢字同士の大きさを意識して書いていく子どもたち。教室は静まり返り、素晴らしい雰囲気の中で黙々と取り組む姿は真剣そのもので、こちらまで緊張が伝わってきました。


 1枚書き上げるたびに、緊張の糸を少し緩めて自分の作品と向き合います。そして、さらなる高みを目指して再び集中に転ずる様子からは、4月からの成長も感じとることができました。そして、授業の最後には、力強い字形の『白馬』が書きあがりました。


日常の生活の中で、ノートをとったり、手紙を書いたり、テストの答えを書いたりと、「書くこと」は多いです。相手に自分の意思を伝えるのにも「書かれた文字」が大きな役割を果たします。ですから、正しい「書写力」を身につけることが大切になります。


 また、「書かれた文字」からはいろいろな印象を受けます。「書は人なり」とも言い、「書く」ことは、自分を表現することです。落ち着いているときに書く字と、心が乱れているときに書く字は違いますよね。一生懸命書いた字には、響きがあります。ていねいに、心をこめて気持ちの良い文字を書くよう、子どもたちには日々心がけてほしいと思っています。


 筆記用具を使って自分の手で字を書くことが減ってきている時代だからこそ、美しい字を書くことの価値は高まっているのではないでしょうか。限られた時間を使って自分を磨き、感性豊かな人として成長すること。日本の素晴らしい文化を体験できること。これらを兼ね備えていることが書写の魅力でもあると思うので、書写力や集中力を養うことに加え、日常生活にも良い影響を与えられるような授業を心がけたいと、改めて思いました。


4年2組担任