投稿日:2022.02.08
才教学園の5年生は、STEAM教育の実践として、1年間かけて「レゴで自動運転自動車をつくる」ことに取り組んできました。使用しているキットは、教育版レゴ『マインドストームEV3』です。
1学期、最初のチャレンジは「イベントの細分化」でした。「お風呂のお湯を一杯にする」「洗濯をする」「起きてから家を出る」 などのイベントに対し、どういう手順が必要かを考えました。なぜならプログラミングでは、イベント(行動)をおこそうとしたとき、一つひとつ明確な指示がないと次に進むことができないからです。
3つ目「起きてから家を出る」では、このような手順が考えられます。
スタート ベッドから出る
↓ トイレに行く
↓ 手を洗う
↓ 顔を洗う
↓ 着替える
↓ 朝食をとる
ゴール 家を出る
ここから判断・処理の観点で手順を見直し、図化していくのですが、このときに①検証 ②妥当性 ③レビュー(批評・評論)を意識して作成することを学びました。
2学期からは、iPadと教育版レゴを使った実践的なプログラミングに着手。始めに、自ら組んだプログラム通りにモーターが動くかを確かめ、次に車を使って「走る・止まる」の基本動作に移行。続けて、障害物にぶつかったら止まる「接触センサー」、障害物にぶつかる前に判断して止まる「距離センサー」、コース上の色を判別する「色識別センサー」など特徴のある課題にもチャレンジしました。
小学5年生としては高度なことに取り組んでいると思いますが、誰からも「もう無理です。できません。」という言葉を聞いたことはありません。生徒たちは常にトライアル・アンド・エラーを繰り返しながら、指導する私たちの想定を上回る発想力、吸収力で課題をクリアしています。
3学期は、レビューのひとつとして「研究成果発表会」を行いました。課題は『接触、距離、識別のいずれかのセンサーに着目し、ある条件下で正常に動作するプログラミングを紹介する』こと。班ごとに実証実験を繰り返し、経緯を動画や写真で記録したものをまとめました。細かい所までこだわりデータを示して説明した班、動画を駆使して視覚に訴える班など、素晴らしい発表でした。
プログラミングを通して、子どもたちには多くの発見と学びがあったと思います。
思うように物事が進まないときの対処法。仲間と協力することや、意見を持ち寄り相談することの大切さ。IT化、デジタル化が進む社会において、他者とどう関わり接していくか・・・
ここで身につけた21世紀型スキルがこれからの生活に生かされ、大人になったときに活躍できる人になっていくことを願いながら、子どもたちに寄り添い指導していきたいと思います。
5年2組担任
インテリジェントブロックにセンサーやモーターをつなぎ車を走らせる(2021年9月)
研究成果発表会(2022年1月)
同じく発表会。工夫したことなどを丁寧に説明。