1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2022年度
  4. 『1枚のメッセージカード』

才教ダイアリー

『1枚のメッセージカード』

投稿日:2023.03.24

 3月16日の終業式をもって、才教学園小学校・中学校は、令和4年度の学校生活を無事に終えることができました。本年度も、保護者の方々をはじめ、多くの方々のお支えのお蔭で、子ども達は多くの思い出を作り、仲間との絆をより深め、成長を遂げることができました。
 この場をお借りして、お支え頂きました全ての皆様に御礼と感謝を申し上げます。


 終業式に先立つ3月15日には卒業式が挙行され、38名の才教生が立派に巣立っていきました。彼らが1年生として入学してから9年間、共に才教の学び舎で過ごした数々の思い出が胸をよぎり、堂々とした彼らの姿に、私は溢れる涙を抑えることができませんでした。


 今、校長室の私の机の上には、卒業生の1人がプレゼントしてくれた写真付きのメッセージカードが飾られています。卒業前に彼と一緒に校長室で撮った写真に、感謝の言葉が綴られているものです。その中で彼は、以前私が校長講話の中で残したある言葉が心に刻まれ続けていると書き記してくれました。その言葉とは・・・


「努力より他に未来をよくするものはなく、努力より他に過去を美しくするものはない」


 これは、『五重塔』『運命』などの作品で有名な小説家・幸田露伴が語った言葉です。私は、毎年、才教学園の三大行事であるさいきょう祭後の全校集会で、子ども達にこの言葉を贈り続けてきました。さいきょう祭を成功に導いたその努力を讃えるとともに、その努力を日々の生活に活かし継続することが、未来だけではなく過去をも光り輝かせるとの思いを込め、「今」という時間の大切さを子どもたちに伝えるがためにです。
 担任や教科の先生方と比べ、校長が子ども達に直接語りかける時間や言葉は限られてはいますが、そんな中でも、卒業生の彼がその言葉を真摯に受け止め心に刻んでくれたことを知り、驚きと「ありがたいなぁ」という言いようのない温かい気持ちに包まれました。


 これからも、校長として、1人でも多くの卒業生に響くような言葉やメッセージを発信できるように、私自身もさらに見識を深め、子ども達とのつながりを強め、共に汗と涙を流し、才教学園での日々を大切に過ごしていきたいと、改めて思った次第です。



 春期の休みは、特別な講習などもなく、学校では子どもたちのいない静かな時間がゆっくりと流れています。
 そのような流れの中にそろそろ寂しさを感じており、4月に元気いっぱいの笑顔が戻ってくる日を今から心待ちにしています。
 来年度はコロナ感染防止対策も緩和され、多くの学校生活が通常を取り戻していくことでしょう。子ども達の更なる飛躍を夢見て、期待に胸を膨らませながら、春の到来を、そして子ども達との再会を楽しみにしています。


学校長 小松 崇