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才教ダイアリー

生きる価値(1)

投稿日:2025.02.07

6年生にとって、「命」について考える機会が多い一年であったように思います。


研修旅行では、東北の被災地を訪れ、地震や津波によって奪われた多くの尊い命に思いを馳せました。
それを受けて、その後のSTEAM学習では、災害支援や避難所の設営について学んできました。
先日行われたプレゼンテーションの予選は、防災をテーマに、それぞれがこの一年間学んできたこと、そこから感じた課題や提案を発表するというものでした。


そしてこのほど、国語の授業では、最後の物語文である『海の命』の学習を終えたところです。

授業風景 - コピー.jpg


物語文の読解にあたっては、子どもたちの疑問から学びを深めることができるよう心がけてきました。
子どもたちは、私が想定していたよりも、ずっと深く物語を理解して核心に近づいていくので、いつも驚かされます。
子どもも大人も、生徒も教師も関係なく、私は、いち読者として、みんなの意見を聞くことが楽しみでなりません。

・なぜ、太一(主人公)の父親が命を落とすことになったのか
・太一の追い求めていた「夢」とはなにか
・父の死に関わった巨大なクエ(瀬の主)を、太一はなぜ殺さなかったのか
・一連の出来事を、太一が生涯だれにも話さなかったのはなぜか


子どもたちは、互いに意見を出し合う中で、自分なりの答えを見つけたり、疑問を解決したりしながら、物語を読み深めていきました。
下に、学習のまとめとして生徒が書いた感想を紹介します。


 この作品に登場する父・与吉じいさ・太一は「海の恵みに感謝し、海と共に生きる漁師」として生きたのだと思った。「海の恵み」という父の言葉や「千匹に一匹でいい」という与吉じいさの言葉に影響を受けて育った太一は、海と共に生きる村一番の漁師となり、巨大なクエを殺さずに生かした。
 クエを殺さなかった理由は、太一が「自分の欲望のために魚を殺す」ことができなかったから。瀬の主を死んだ父のように思うことで、海の命を守ったのかなと思った。太一がクエとの出来事を誰にも話さなかったのは、自分だけの大切な気持ちだからだと思う。太一自身はそう思っていないだろうけど、彼は父を超える立派な漁師になったと思った。


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