1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2025年度
  4. 9月10日、さいきょう商店街

才教ダイアリー

9月10日、さいきょう商店街

投稿日:2025.09.19

 毎年、2年生は、生活科の学習の一環として「さいきょう商店街」を開きます。廃品を利用して商品を作り、お店を開きます。お客さんは、1年生です。目指すは、「売上第一位!」そのためにどんな工夫をするのか、お店ごとに考えました。
「お客さんの好きなものを売る」
「でも、1年生の好きな物って、何だろう」
「値段を安くしてたくさん買ってもらう」
「でも、安いと売上は上がらないよ」
「じゃあ、高くする」
「あんまり高いとお客さんは買わないと思う」
「高くても、よい商品なら、買ってくれるんじゃないかな」・・・

 そこで、1年生に好きな物や好きな色、かたち、値段のことなどについてアンケートをとりました。それをもとに、「自分達のお店で何を売るか」、「商品の色や模様はどうするか」、「値段はどうするか」など、1年生の立場になって考えました。ほかにも、「いろいろな種類の商品を作る」「商品が分かりやすいように種類ごとに並べる」「1年生に優しく、商品の説明をする」「元気にあいさつをする」など、売り上げ一位になるために、お店の仲間と考え、お店作りに活かしていきました。

 商品が出来上がると、どんな商品があるのか1年生に伝えるために、チラシを作りました。
「1年生に見てもらうんだから、ひらがなで書いた方がいいかな」
「漢字で書いたら、ふりがなをふるといいよね」
チラシを見る1年生の立場になって考えている様子が随所に見られました。

 チラシを書きながら、アンケートの結果をもう一度確認したいというグループがありました。聞くと、「チラシを飾る色を1年生の好きな色にしたい」と言うのです。そんなところでも、お客さんの好みを考えて取り組んでいる様子に感心させられました。

 それから、おすすめの商品を実際に見せながら、1年生の教室に宣伝にも行きました。ちょっぴり緊張しながらでしたが、1年生の前で一生けんめいに商品の説明をしたり、実際に動きを見せたりしていました。
 グループの仲間と意見を交わしながら商品に値段をつけ、お店の看板も作って準備は万端です。

DSC00996コピー.JPG

 そうして迎えた当日。いよいよ、さいきょう商店街、開店。
 1年生が会場内に入ってくると、「いらっしゃいませ」とすぐに大きな声が響きました。
「いらっしゃいませ」
「いい商品がたくさんありますよ」
「こんな、おもしろいことができますよ」
 大きな声で一生懸命にお客さんに呼びかけました。たくさんの商品を売ろうと、一人ひとりが一生懸命に活動しました。机の上に、所狭しと並べられた商品は徐々に減っていきます。それから、タイムセールがやってきて、ここからがラストスパート。全部の商品を売り切るために、グループの仲間と相談して値段を下げたり、セットで販売したりしました。
 そして遂に完売。「やったー!全部売り切れた」その時の子ども達の表情は、満足感に満ちていました。

DSC01008コピー.JPG

 後日、「売上第一位」のお店の発表がありました。売上一位のお店は、たった一店です。一位になれなかった子は、残念そうな表情を浮かべ、中には涙を流す子もいました。子ども達が、目標を意識しながら、真剣に活動に取り組んできたことが改めて感じられました。
 その後のまとめでは、「さいきょう商店街を開いて良かったこと」を、みんなで話し合いました。いろいろな意見が出る中で、「1年生が喜んでくれた。1年生の笑顔を見て、自分もうれしくなった」という子がたくさんいました。売上のことだけではなく、自分達が活動したことの価値を見出すことができました。

 そして、世の中のお店を開いている人のことも考えました。
「お店を開いている人も、お金をたくさんもらうことばかりを考えているのではなく、お客さんのために、お客さんに喜んでほしいと思っているんだ」
 話は、他の職業にも広がりました。
「お医者さんは、患者さんのために病気を治して、元気になってもらいたいと思っていると思う」
「警察官は、安全に暮らせるように、みんなを事件や事故から守りたいと思ってやっていると思う」
「大工さんは、住む人のためにいいお家をつくろう、丁寧に丈夫につくろうと思っている」
「世の中のお仕事をする人は、『人のため』『みんなのため』にやっているんだ」

 売上を上げるだけではなく、1年生が喜んでくれて、それによって自分達も満足感を得たり、それを世の中の仕事のことにも結び付けて考えたりすることもできました。この「さいきょう商店街」を通して、仕事をしている人の思いに触れることができました。


2年 生活科担当