
投稿日:2025.10.17
1年生国語の教科書に長年掲載されている『くじらぐも』。
昨年亡くなられた中川李枝子さんが「小学1年生向けの作品を」と依頼されて、書き下ろした作品です。
初めてお話を読んだ子ども達の第一声は「面白いなあ!」でした。さっそく心を掴まれたようです。
くじらぐもの声音を変えて音読してみせると、それも気に入り、思い切り低音のゆっくりとした声で「ここへおいでよう」と、くじらになりきって音読しています。
雲に飛び乗る様子をワークシートにまとめる学習では、書いた紙を提出して自分の席に戻る前に、近くの友達と手をつなぎ、輪になって「天までとどけ、一、二、三」とジャンプし始めた子ども達。
実はこの後、クラスの皆でやるつもりだったのですが、自然にこういう行動に出た子ども達の素直さに、感心させられました。
それから数日、今度は秋空の下でジャンプしました。
3回目のジャンプの後、「あっ、今風が吹いたよ!」との声が...。
教科書では、ここでいきなり風が吹いてみんなを空へ吹き飛ばすという描写があるのですが、確かにその時、風が吹いたのです。
「くじらぐもに乗りたい!」
「先生、本当に雲のくじらに乗れるの?」
・・・なかなか難しい質問も飛び交います。
「小さい水の粒でできているから、本当は乗れないんじゃないかなあ」と半信半疑で言っている子もいます。でも、乗れると信じたそうです。
くじらとお別れをする場面の学習では、みんなでジャングルジムにのぼろうと外へ出ました。
この日は快晴で、雲がほとんど見当たりません。
「あの雲がくじらに見えないこともないけど、小さすぎる...」と思案していると、
「あっ、くじらぐもが、帰っていくところだよ!」
一人の子がこう言ったのです。
帰っていくところだから小さい...そう考えられる柔軟さ。1年生にはかなわないなと思った瞬間です。
みんなも「そうだそうだ」と喜び、「さようなら!」と、手を振って別れを惜しみました。
最近になって、『くじらぐも』の背景に、中川さんの「平和への願い」があると知りました。
作品の中で、先生と子ども達が校庭の真ん中で大きな輪になって手をつなぐ場面がありますが、「それは、敵弾がいつ飛んでくるかわからない戦争中にはできなかったこと」とおっしゃっていたそうです。
目下練習中のさいきょう祭の演目、「へいわってすてきだね」にも相通ずるものがあり、不思議なご縁を感じています。
本番までには、子ども達にも中川さんの思いを伝えるつもりです。
今はまだ、空や雲のファンタジーの余韻に浸っていますが、1年生ならではのみずみずしい感性を大切にしながら、これからも学習に取り組んでいきます。
1年3組担任