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才教ダイアリー2019

熱意に触れる

投稿日:2019.10.11


 「小学校理科の学習で印象に残っているもの」…みなさんは何を思い出すでしょうか。私自身は、多くの思い出の一つとして、松本市四賀化石館(当時は四賀村化石館)での化石採集を挙げたいと思います。友達と一緒に土を掘り、二枚貝の化石が出てきたときの喜びを、今でもはっきりと覚えています。


 


9月、本校の6年生は理科の校外学習で信州新町化石博物館へ行きました。


最初の説明を受けたのは、大岡道の駅周辺の大きな崖の前。崖の断面を見れば、どのように地層が堆積していったかがありありと分かります。普段であれば車で通り過ぎてしまう場所ですが、博物館スタッフの方のお話を聞くうちに、なんだか太古の海底にタイムスリップしたような感覚になりました。


体全体を使って熱心に子どもたちに語りかけるスタッフの方の額には、いくつもの大粒の汗。6年生もその熱意に触発され、食い入るように地層を観察していました。


そこから博物館へ移動し、館長さんからお話をいただきました。館長さんは、見学に先立ち本校のホームページを見て下さったそうで、「今回の見学を心待ちにしていた」とおっしゃっていました。ここでも博物館の方の思いに触れ、一段と背筋が伸びた6年生です。


その後、化石のレプリカ作りでも丁寧にご指導いただき、子どもたちは博物館の方の熱意を肌で感じてきました。スタッフのみなさんは、「子どもたちに化石のことを知ってもらいたい。」「理科に興味を持ってもらいたい。」という思いで接して下さり、6年生もその熱意を受け止めるように学習にのめり込んでいました。


この日の終わりに館長さんからは、「みなさんの学習する姿を見て、日本の将来が必ず明るいものになると確信しました。」と大変嬉しい言葉をいただきました。私も、きっとそうなるだろうと思います。


 


子どもたちが直接感じにくいこともあるかもしれませんが、才教学園での学びは多くの人によって支えられています。今回の化石館見学で、子どもたちはその大きな支えに気づき、それに応えることの大切さを感じたと思います。そして、熱意と誇りをもって仕事に取り組む大人の姿を見られたことも、大きな収穫になりました。


今回の思い出が10年後、20年後…と長く続くものであってほしいと願います。


 


 6学年主任



 

目前には古い地層が見えています

化石のレプリカ作り

「気づき」でキラキラ 子どもたちの視点

投稿日:2019.10.08


 2年生の生活科『公共施設を使おう』の学習で、電車に乗って図書館見学に行きました。 


学校の最寄り駅である平田駅に着くと、一人ずつ券売機で切符を購入。「今日、初めて自分で切符を買った」という子もいました。私の「松本駅まで切符をなくさずに持っていられるかな…」という心配をよそに、子ども達は自分で切符を管理し、全員スムーズに松本駅の自動改札を通ることができました。


子ども達は、駅や車内で周辺をよく見て、よく聞いて、多くの発見をしました。


事前学習で『目の不自由な人はどうやって電車に乗っているか』という疑問が出ていたためか、駅構内ですぐに点字ブロックに気づきました。そのブロックの凸凹のかたちに違いがあることがわかりました。そのうちに、「そういうことかぁ。」「わかった!」という声が上がり、子ども達はちょっぴり誇らしげな表情に。いくつかのブロックを観察してその違いの意味を自分なりに考え出し、「点字ブロックの上をむやみに歩いたり、物を置いたりしてはいけない。」と、注意すべきことにも結びつけていました。


他にも、お客さんが安全に気持ちよく乗れるように設置された優先席やつり革などを見ては、積極的にメモを取っていました。


中には、構内で働く人に目を向け、「改札で切符にスタンプを押す人がいる。」「電車が出発するときに、笛を吹く人がいる。」「線路の安全を点検している人がいる。」「駅の中のものを修理する人がいる。」など、気づいたことはさまざま。乗車した電車は松本駅が終点だったため、車内清掃の様子も見ることができ、電車が安全に運行できているのはたくさんの人の支えがあってこそだとわかりました。


 


図書館でも、館内を案内していただきながらメモを取ることに熱心な子ども達。閉館時でも利用できる返却ポストがあること、目の不自由な人のために、司書さんが読み聞かせをする機会があったり、‟音で読める“本が用意されていたりすることなど、多くの人が気持ちよく利用できるための工夫があることを知りました。


さらに、図書館の奥では、本の傷みを防ぐための「ブッカー」というカバーをかける作業や、本を修理しているところも見てきました。


子どもたちが驚きの声を上げたのは、書庫に保管されている資料を見たときでした。圧倒されたことは、大正時代に発行された新聞の、古く茶色くなった紙とそのにおい。図書館は、大切な資料を保管・保存する役目も担っているのです。


見学の最後に本の読み聞かせをしていただいたのですが、話し方や音読がとても上手で、あっという間に本の世界に引き込まれてしまいました。


 


今回の見学では、子ども達のキラキラした目をたくさん見ることができました。事後のまとめ学習もたくさん意見が出て充実したものになり、今後、公共施設や公共物を使うときに、配慮ある行動を心がけてくれるだろうと思います。


 


23組担任


渾身の1問

投稿日:2019.10.04


 水曜日の放課後になると、数才クラスには算数・数学が大好きな生徒が集まってきます。1学期は、算数オリンピックの問題を解く活動を中心に行ってきました。頭を捻っても捻っても太刀打ちできない難問もありますが、数才クラスの生徒たちは目を輝かせて挑戦します。ただ解くだけでなく、時には解き方を皆の前で発表したりします。解くだけでも大変なのですが、それをわかりやすく論理的に説明することは至難の業。説明する側も、される側も真剣そのものです。こうしていつも、数才クラスはやる気に満ち溢れています。


 問題を解くのが大好きな生徒たちですが、同じくらい好きなのは「問題作成」です。そこで、夏休みに「1人1問、問題を作成してくる。」という宿題を出しました。ただし、次のような条件付きです。


1.必ず解ける問題であること。


2.解説も作成すること。


3.皆が「解きたい!」と思うような魅力的な問題にすること。


 


 2学期が始まり、作成した問題のお披露目会を行いました。数才クラスの時間を数回使って、全員がそれぞれ自分以外の生徒が作成した問題を解くわけです。個性豊かな問題の数々に、生徒たちは大興奮でした。等積変形を利用する図形の問題、複雑な条件がずら~っと並んだ問題、部分分数分解を利用する方程式の問題、公式の意味を問う問題、スターウォーズ愛に満ち溢れた問題、答えが1つに決まらない問題、為替レートに関する問題、遊園地で本当にありそうな問題、和を工夫して求める問題、高校入試にそのまま出題できそうな問題、バーコードを極めた問題などなど。数才クラスの生徒たちが、考えに考え抜いた渾身の問題をすべて紹介したいところですが、紙面の関係上できないのが残念です。


 


〔数列に関する問題〕


□に入る数を求めなさい。


(1) 112358,□,213455,…


(2) 23618108,□,209952,…


(3) 1235442,□,223,…


 


(1)は数才クラスの誰もが大好き「フ○○○○○数列」です。


(2)のヒントは「かけ算」です。


(3)はわかりそうでわからない… 解説を見て「あ~!そうか!」と叫びたくなる問題です。


 


〔カギを解く問題〕


X銀行に、ヨウタ、ジュン、タロウの銀行強盗常習犯3人組が銀行強盗に入った。金庫には5桁のカギがかかっていた。3人はその5桁を下のように予想した。


  ヨウタ  78157


  ジュン  41839


  タロウ  69830


3人が捕まった後、次のことが分かった。


泥棒側については、1人がそれぞれ2つの桁の数字を当てたこと。隣り合った数字を当てなかったこと。全ての桁で1人以上正解者がいること。


銀行側については、同じ数は隣り合わないが、同じ数がない場合もあるということ。


さて、5桁の数字は何だったのだろうか?


 


絶妙な条件設定で、論理的にきちんと解ける問題です。


 


xの値を求める問題〕


正の数x0<x)に対して、xの整数部分を[x]xの小数部分を<x>で表す。


例えば、[3.14]=3<8/3>=2/3<2>=0である。


このとき、[4x-5/3]=<3x+1>+2を満たすxの値を求めなさい。


 


 数学的にとても深みのある問題です。


 


 生徒が全員分の問題を解き終わったところで、それぞれの問題に対して感想を書きました。そこには、素晴らしいという称賛の声もあれば、もっとこうした方がいいという建設的な意見もあり、算数・数学の問題作成を通して、お互いを認め合い、高め合う姿を見ることができました。


 


 数才クラス担当



 

生徒が作成した問題

体育でチームにまとまりを!

投稿日:2019.10.01


 現在、3学年の体育では「ボール運動」に取り組んでいて、ドッジボールの球を使って「中当て」の活動をしています。3年生にとって、自分の手のひらよりも大きなボールを肩よりも上から片手で投げるのは案外難しいものです。


 


 毎回授業始めに活動の目当てや運動のポイントについて触れますが、それと同じくらい大事なことは、3年生としてチームのメンバーと力を合わせて目標に向かって取り組む「協調性」を身につけることだと思います。これがまた難しく、同じ目的に向かっている同じチームの仲間であるはずなのに、時々熱くなってケンカをしてしまいます。お互いが目標に向かって真剣に取り組んでいるからこそ出てしまう行動だと思います。しかしそんな時に、同じチームメンバーが支えてくれたり、誰かがいいアイディアを出したりして、仲直りの手助けをしてくれます。いつの間にかケンカしていた当人たちも仲直りして、何事もなかったかのように、また輪になって練習を楽しんでいます。


 


 学校生活の中で意見の対立は必要なことだと思います。解決のために知恵を絞り、他人を気遣うことで、相手への優しさが芽生えます。また、才教生たちは自分たちで関係を修復できます。傍らで見守っている教職員も、最後に仲直りした様子を見て、チームメンバーと同じように気持ちがほっこりとします。子ども達は、そうした人との関わりを通してこれからも学んでいき、この先社会へ出たときにも、優しくて温かで素敵なリーダーシップを発揮してくれると信じています。


 


3学年体育担当


誰がやる?

投稿日:2019.09.28


 暑かった夏の日差しも段々とやわらぎ、もうすぐ10月を迎えます。才教学園最大の行事である『さいきょう祭』を控え、自学年の練習はもちろんのこと、実行委員会や楽器係、演出係の生徒たちを中心に連日準備が進められています。


その準備の一つとして、各クラスにポスター募集の告知がありました。毎年行われるこのポスター募集はさいきょう祭にとってとても大切なものです。ここで生み出される作品は本当にレベルが高く、毎年素晴らしい原画が出揃います。5年生以上の各クラスが1枚以上提出し、最も優れた作品がパンフレットの表紙を飾ります。


大抵の場合、クラスに一人か二人は美術の得意な生徒がいて立候補するのですが、困ったことに我が9年1組には「美術と言えば〇〇」という生徒がおりません。授業で製作した作品などを見る限り上手なものばかりですし、絵心も十分にあると思うのですが…。


そして、「誰が描くのか」ということが決まらないまま、締切日が迫ってきました。各クラス1枚以上という決まりですから、9年1組だけ提出しない、ゼロというわけにはいかないのです。しかし、描いてくれる人がいません。締め切りが近くなってもなお、ポスター用の画用紙は真っ白でした。


 


締め切り三日前、「ポスター、描きます」と言って、何人かの生徒が放課後に残って作業を始めました。おそらく、描きたかったわけでも得意でもないけれど、「このままではクラスとしてさいきょう祭のポスターを提出できない。誰かがやらなければならないのなら、自分がやろう」という人たちが集まったのです。


副校長先生がよく「水を汲みに行く人になりなさい」という話をされます。誰かが水を汲んでこなければ、みんなが水を飲むことはできません。誰かがやらなければいけないのであれば、自分がやる。そういう行動こそが、世のため人のために尽くすということです。


 


今年も各クラスから出そろったポスターはレベルが高く素晴らしいものばかりでした。作成者「9年1組一同」のポスターも、生徒達が協力しあって完成させた、シンプルながら素敵な作品となりました。


 


91組担任


「9年1組一同」の応募作品

さいきょう祭練習風景から~9年という歳月を思う~

投稿日:2019.09.27


 9月に入り、1年生の教室に89年生がキーボードを携えてやって来ました。さいきょう祭の全校合唱曲「その日は必ず来る」を教えるためです。1年生にとって体育祭で大活躍したⅡ・Ⅲ期のお兄さん・お姉さんたちは、自分の組をリードしてくれた頼れる先輩であり、憧れの存在です。「どんな歌を教えてくれるのかな?」尊敬と期待を込めた眼差しで、前に立つ上級生を見つめています。


 


 練習が始まりました。初めのうち、1年生はうまく音やリズムを取ることができません。休む小節が多く、出るタイミングもなかなか難しいのです。しかし、9年生は1年生にわかるように、ときにはほめたり励ましたりしながら、笑みを絶やさず根気よく教えてくれます。


「私が教えるより、上手かも…」そう思った瞬間、記憶は8年前へとタイムスリップしました。


・・・・・


 8年前、今の1年生と同じように小さく可愛らしく、いろいろなことがまだわからなかった子ども達。それでも、何にでも意欲的に取り組む姿は「元気の塊」でした。


 それが今では、学校全体を引っぱる立場となり、堂々と下級生の指導をしてくれているのです。なんて大きく頼もしくなったのでしょう。ふいに、今歌っている「その日は必ず来る」という歌詞が胸に迫ってきました。


生徒達は、日々、様々な目標に向かって歩み続けている。そしていつか、卒業する日が来る。するとまた、新たなステージが待っている。さらにその先の未来へ…。


一人ひとりの生徒の可能性は無限大です。しかし、教員にできることや時間には限りがあるのです。そのことにも改めて気づき、身の引き締まる思いがしました。一方で、9年もの長い間、生徒を見守ることができるのも、才教学園ならでは。様々な場面で成長が垣間見えたときは、「教師をやっていて良かった。」…しみじみと、そう思うのです。


・・・・・


1年生は、上級生の指導のお陰で少しずつ歌えるようになってきました。数十分の練習が終わり、先輩達が帰るときには、「ありがとうございました!」とお礼を言って、握手を求めたり手を振ったり、精一杯、親しみの気持ちを込めて見送っていました。


 翌朝、「な~がいさ~かみち~を~♪」と大きな声で歌いながら登校する1年生の姿がありました。学年練習の時間に「全校合唱の歌を歌いたい!」と先生に訴えるほど、たった一日でこの歌が大好きになったようです。先輩の力、恐るべしです。9年生の姿を傍らで見ている8年生も、来年は先輩から受け継いだものを体現し、然るべきリーダーシップを発揮してくれることでしょう。


 


 本番まであと1か月。どの学年の生徒達も、それぞれの目標に向かって一生懸命頑張っています。9つの学年がひとつになって、どんなさいきょう祭になるのか、どんなハーモニーが生まれるのか、今からとても楽しみです。


                                    1学年担当


感動のステージへの一歩

投稿日:2019.09.24


 校内では1025日に行われるさいきょう祭に向けて、練習に励む姿が多くみられるようになりました。朝、昼、放課後などわずかな時間を見つけては、歌ったり楽器の演奏をしたりする姿を見ると、生徒たちの中に高い志が育まれている様子を感じます。


私が担当している8年生の演目はミュージカルです。歌あり、セリフあり、ダンスありと、これまでに培った力を発揮するに相応しいものです。


1学期に学年全体に演目を伝えました。生徒たちからは、穏やかで落ち着いたやる気を感じることができました。実際、演目中の合唱の練習をしましたが、音取りを各自行うなど取り組みに工夫をして演奏ができました。


それから係や配役などを決め、2学期に入ると具体的で細かい練習が始まりました。未熟ながらも頑張っている中で、「これではダメだ」「なんでわかってくれないの」……後ろ向きの発言が目立ちはじめ、練習や話し合いがなかなか進まないことが少なくありませんでした。


9月上旬の授業参観では、保護者のみなさんに練習を公開しました。生徒の中には「まだこんな状態を見てもらうのは恥ずかしい」という声がありました。しかし、「今の自分たちができることをしっかりやろう」と、頼もしい意見が出てきて、『まだまだの状態』ではありましたが予定通りの参観となりました。


参観後、保護者のみなさんからは温かい励ましの言葉をたくさんいただきました。今はまだ練習が始まったばかりの時期ではありますが、生徒たちは、自分自身の役割を全うすることの大切さ、多くの人々に支えられて演技ができること、感動体験は一人ではできないことなどに気付けたのではないかと感じます。


本番までは、まだまだ多くの困難もあることでしょう。しかし、そのすべての事柄が芽吹き始めた志を成長させ、真のエリートとして歩むための一歩になっていくのだろうとも感じます。 


私も本気で生徒たちに向き合い、感動のステージへ彼らを大切に導いていきたいと思います。 


 8年音楽担当


英語弁論大会への挑戦

投稿日:2019.09.20


 先日行われた「中信地区中学校英語弁論大会」に、本校から花田鈴世さん(9年)が出場しました。弁論の内容は、修学旅行先でのホームステイの体験がテーマです。旅行前の彼女は英語に自信がなく、ホームステイを苦痛に思っていて、実際に1日目はほとんどホストファミリーと話すことができませんでした。しかし、「この2泊3日のホームステイで自分を変えなければ後悔する」と思い、自らを奮い出たせ、積極的にコミュニケーションを取るようにしました。ホストファミリーが温かく受け入れてくれたこともあって、彼女は自らの殻を破り、「日本に帰りたくなくなるほどの思い出を作ることができた」といいます。弁論では、どのようにその一歩を踏み出し、自らを変えることができたのかという体験を語りました。


 


地区大会への道のりは決して平坦なものではありませんでした。1学期の終わりに完成した英文原稿を夏休みに暗記する計画を立てましたが、休み明けの時点で暗記できていない部分があり、彼女は焦りを見せていました。加えて、弁論には暗記のほかに、発音・アクセント・声のトーン・イントネーションなどの表現力も必要ですが、本番まで2週間というところで練習できない日が続き、指導にあたった私は「このまま出場させてよいのだろうか…」とも考えました。


本番直前の水曜日。聞きに来てくれた数人の先生やALTの前で発表をしました。「絶対に後悔したくない」という強い意志で臨んだ彼女は、見事に発表を成功させました。あとから聞けば、このために当日の午前2時まで練習していたとのこと。そこから数日間の追い上げは、目を見張るものがありました。単語の発音やアクセント、文章として読む速さや声のトーン、それに間の取り方など、アドバイスされたことをすぐに吸収し、練習重ねるほどにスピーチは良くなっていったのです。


木曜日には、クラスメイト、4年生の児童、英語科の教員の前でも披露しました。クラスメイトはスピーチの迫力に唖然とし、4年生も驚きのあまり目を丸くしていました。


 


そして、当日はやや緊張していたものの、彼女は渾身の発表を行いました。一言一句間違えることなく、表現も時間配分も練習を上回る出来で、これまで私が聞いた彼女のスピーチのなかで最も素晴らしいものでした。


結果は7位入賞。名前が呼ばれたときは鳥肌が立ちました。当の本人も少し戸惑ったような、それでいて心の底から嬉しそうな笑顔でした。


10月初めの県大会まで時間を有効に使い、聞く人の心に深く届くような発表を目指す彼女を、私もしっかりと見守り応援したいと思います。


 


英語科担当


落ち着いて取り組める時間をこれからも 6年書写の授業から

投稿日:2019.09.13

 2学期が始まり、子どもたちの元気な笑い声がクラスに戻ってきました。模試にプールにさいきょう祭練習と盛りだくさんの毎日ですが、子どもたちのはじける笑顔に元気をもらう日々です。 


そんな折、6年生は2学期最初の書写に挑みました。書写は、自分とお手本に向き合う、集中力が問われる2時間です。課題の言葉は、秋の味覚「あけび」。一見簡単そうですが、3文字のバランスや配置、ひらがな特有の「あ」の返し、「け」の3画目のなめらかな払い、その流れで「び」はすくいながら入るなどポイントが多く、これまで受け持った6年生が「一番難しい。」と嘆いた字です。


そのため、いつもの基本練習に加え、今回は左右のぐるぐる巻き練習(一筆で「の」の字を続けて書くイメージ)も行いました。これは書道の仮名練習でよく取り入れられる方法ですが、一定の加圧で腕をしっかりと動かすための練習です。つまり、連続する曲線を一定の太さでなめらかに書くことができれば、筆を正しく握って手首を固定し、穂先を紙に乗せて腕全体を動かし、程よく力のある直筆(ちょくひつ)ができるのです。


ただ、言うのは簡単でも、なかなか難しい練習です。しかし、そこはさすがの才教生! 手を抜く子はほとんどおらず、皆が黙々と真剣にぐるぐる巻きに挑みます。その上、私から「まだ姿勢が悪いかな。」、「お臍は紙の中心に。」、「筆は立てる。」と細かく飛ぶ指示にも耳を傾けているのです。


次第に筆が乗ってきたところで本書きへ。


1人5枚までと決まっている中、こちらが十分よく書けているなぁと思った作品でも、「次は“あ”のこの部分に気をつけてもう1枚!」「“け”が丸まっちゃったからやり直したい!」


自分が納得いくまで熱心に取り組み、一人ひとりが渾身の一枚を書き上げました。


 


最近読んだ齋藤孝さんの著書の中に、「現代人のアテンション・スパン(一つのことに集中できる時間)はたった8秒。2000年代に12秒だったものが4秒も縮んだ。」とありました。今回の書写は、下書きから本書きまでたっぷり2時間。おのおの集中が途切れる場面はあったものの、自分で気持ちを立て直し、作品と対峙した姿は立派でした。


こんなに忙しい時代だからこそ、とことん一つのことに向き合ってみる時間、子どもたちが根気強く集中できる書写の時間を、これからも貴重な機会として大切にしたいと感じました。


 


6年2組担任

体験学習から学ぶこと

投稿日:2019.09.10


日、講師の先生をお招きして「性教育学習」が行われました。


5年生では、「赤ちゃん人形」を使用した体験学習を行いました。


 


子どもたちは初めに、生命の誕生について話を聞き、命の尊さを学びました。


中でも、受精卵の大きさの話や、赤ちゃんがお腹の中で羊水を飲み、きれいな羊水を尿として戻すことで羊水のお掃除をしているという話は、多くの生徒が驚いていました。


講師の先生の質問に積極的に答える姿、意欲的に学ぶ姿が多く見られました。


 


お話を聞いた後は、一人一人が実際に赤ちゃん人形を抱く体験をしました。


初めは戸惑う姿も見られましたが、女の子がリードをしながら(さすがです!)赤ちゃん人形を抱っこしていました。


 


「重い!!」


これが、子どもたちから最も多く聞こえた感想です。


赤ちゃん人形は、大きさや重さだけではなく、首のすわっていない様子もしっかりと再現されたものです。


初めて抱っこするという生徒も多く、命の重みを感じたようです。


子どもたちは、「頑張って生まれてきてくれてありがとう」など、赤ちゃん人形に優しい声を掛けていました。


 


授業終了後の感想文には、命の大切さを改めて感じたこと、苦労をして産んでくれた母への感謝の気持ちがたくさん書かれていました。


 


「どれだけお母さんが大変かを知ることができた」


「帰ったらお母さんに、苦労して生んでくれてありがとうと伝えようと思う」


 


子どもたちが生まれたときのこと、苦労したこと、嬉しかったこと、今回の性教育をきっかけに、家族で話す機会となることを願っています。


体験学習は、自分の身で触れ、感じることでより多くの学びにつながります。


周りの人への感謝の気持ちを大切に、多くのことを感じてほしいと思います。


 


養護教諭