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才教ダイアリー2020

さいきょう祭から得たもの 6年生の原動力②

投稿日:2020.11.10

の続き)


 


しかし、ミュージカルの要素は歌やセリフ、伴奏だけではありません。大道具や小道具、衣装は「手をかけたものの良さや思いがわかる人になろう」とこだわって制作し、セリフや動きも、場面ごとに何度も話し合いを重ね工夫しました。


自分たちで使うものを自分たちで制作していくのですが、うまくいかないことが次々と起こりました。そんなとき、悩んでいる友達に声をかける、放課後に残って作業をするなど、みんなのために行動する生徒がいました。責任感を持ち、協力して成し遂げようとする気持ちは、様々な困難を乗り越える原動力になっていたのです。


 


会場リハーサルの日、大切な衣装を身に着けてステージに立った6年生。みんなの希望だったミラーボールを照明担当の先生に回していただいたときの喜びは格別でした。


 


振り返ってみると、ミュージカルを通じて生徒たちはたくましく成長し、6年生とは思えないことをやり遂げてきたと感じます。


最後まで妥協せず手を抜かずにやり続けたことが、自らの限界と向き合い乗り越えようとする力となり、みんな一丸となってやりきったという達成感につながったと思います。様々な制約がある中で、これほど高いハードルを学年全員の力で乗り越えられたこと、まさに今年のスローガンどおり“超越”できたことに、生徒たちの限りない力と可能性を改めて実感しました。


 


大勢がステージに立つ『第九』や全校合唱の実現は叶いませんでしたが、全ての学年がより良いステージを目指して力を尽くしました。笑顔と感動にあふれたさいきょう祭が開催できたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。


コロナが1日も早く終息し、再び全校で歌える日が来ることを願っています!


 


さいきょう祭担当・6年音楽担当

さいきょう祭から得たもの 6年生の原動力①

投稿日:2020.11.10


先月末に行われた『第16回さいきょう祭』。


今年度はコロナウィルスの感染拡大の影響により開催自体が危ぶまれ、発表形態、練習方法、感染対策等の様々なことを考えながら、ぎりぎりまで開催の可否や演目内容を検討してきました。


 開催の見通しが立たない中、早い学年では7月から練習を始めたものの、時間ばかりが過ぎていく日々。果たして各演目は完成するのだろうかと大きな不安を抱く一方、「やれることをやろう。もし発表できなくなったとしても、決して無駄にはならない」と信じていました。


 


6年生も、例年6月から始まるミュージカルの練習に踏み切ったのは7月に入ってから。夏休み前にオーディションを行い、配役、伴奏者を決定しました。夏休みが半分ほどに縮小されたため、個々の練習期間も短く、休み明けにみんなで合わせることは難しいだろうと思っていました。


2学期が始まると、その考えはいい意味で裏切られました。自分のセリフを覚え、話し方や身振り手振りまで考えながら練習してきた生徒が多く、練習は場面ごとにリーダーを中心にどんどん進んでいきました。楽団メンバーも個々が先を見通して練習し、18曲もある伴奏・BGMを「次はどの曲ですか?」と、あっという間にすべて合わせてしまいました。まさに、「最高の舞台を作る」という使命感をもって積極的に活動する姿がそこにありました。


 



へ続く)


さいきょう祭担当・6年音楽担当

表現の先には...

投稿日:2020.11.06


「この気もちはなんだろう」


 


 このフレーズで始まる、谷川俊太郎さんの詩『春に』。これは、1415歳時の悩みや戸惑い、様々な葛藤等、複雑な思いが交錯する思春期ならではの心境を綴った詩である。


 ちなみに、この詩は中学3年の国語の教科書に教材として掲載されていて、授業では詩の内容を捉えると共に、その心境を音読で表現した。声の強弱や抑揚、読むスピードや間のとり方等、相手を意識しながら、その心境が伝わるように一人ひとりが工夫を凝らしながら音読表現を行ったが、誰もが『表現することの難しさ』を痛感したのであった。


 


 そして、今年のさいきょう祭で、9年生はその「春に」を合唱として披露することとなった。練習当初は、授業で習ったことを踏まえない、詩の意味を深く考えていないといった様子で、単に言葉をメロディーにのせて歌っているだけだった。


 それでも、練習を積み重ねていけばきれいなハーモニーとはなるのだろうが、それだけで聴衆の心を動かすことは到底できるはずもない。


 どうすれば思春期の心境を歌で表現し、聴衆の心を動かすことができるのだろう。


  一人ひとりが自問自答しつつ、アイデアを出し合いながら練習に励んだ。


 


・詩の一語一語の意味をよく考える


・言葉に感情を込めて歌う


・言葉に合わせ歌う表情を変える


・一語一語をはっきり声に出す


・声に強弱や抑揚をつける


 


 


 さいきょう祭本番。


最終演目である9年生のステージが始まった。英語詞での合唱「You Raise Me Up」、合奏「Let it be」、そしてダンス等の身体表現へと続き、最後に「春に」を歌う。


全員の心をひとつにし、主題を歌に託した精一杯の表現だった。


一人ひとりが全力を尽くし、今までで一番の「春に」を披露することができた9年生一同は、その歌唱により聴衆の心をも動かしたのである。歌い終わったあとに聞こえた、聴衆からの割れんばかりの拍手が何よりの証拠であった。


子どもたちが舞台から降りてくる。私は、薄暗い舞台袖に歩みを進める子どもたちの表情から、高揚感や充実感、達成感を感じ取った。同時に、今年度のスローガン「超越」をまさに一人ひとりが、そして学年全体としても体現し、全力を出し尽くしたように感じた。


 


 次は、いよいよ受験だ。聴衆の心を動かすほどの力を持っている君たちならば、高校入試という高い壁もきっと「超越」することができるであろう。私はそう期待してやまないのである。


 


92組担任


4年生が伝えるメッセージ

投稿日:2020.10.29


 4年生は、第16回さいきょう祭で合唱を2曲披露します。


人と人との出会いや生きていくことの尊さを謳った「いのちの歌」と、東日本大震災の被災地復興を応援するために制作された「花は咲く」です。


今年10歳になる4年生がこの歌を歌う意味、そして聴いて下さるみなさんに伝えたい思いとは…。


 


+++++


 10月はじめ、生徒たちはそれぞれに考えたメッセージを学年内で発表しました。感謝、希望、笑顔など、みんなからはたくさんの言葉が寄せられました。


 


・命に感謝し、命の大切さを伝えたい


・笑顔でいよう


・生きていることに感謝する気持ちを表現する


・希望を持って、これからもいろいろなことを頑張る


・私たちが生きている今を大切にしたい


 


発表をまとめた結果、次のことが決まりました。


「いのちの歌」


…生まれたこと、育ててくれたこと、支えてくれた人、頑張っている人へ感謝をし、この思いを未来へつなげたいという気持ちを伝える。


「花は咲く」


…みんなが花のように笑顔でいてほしいという願いを込める。


+++++ 


 


1学期の休校期間が長引いたこともあり、今年は歌を歌う機会がほとんどありませんでした。その後に登校ができるようになったことで、さいきょう祭の開催を見据えて演目を決定しましたが、学校生活では歌に限らずたくさん我慢することがありました。自分のことだけでなく周りのことも考え、必要以上に大きな声を出さない、友達と近づきすぎないといったことにも注意を払う毎日でした。


そうした中での練習では、先生から「もっとみんなで歌をよくしていこう。みんなの気持ちを込めよう!」と奮い起こされることもありました。


 


さいきょう祭まであと2日。


当日も限られた時間の中ですが、みんなの歌で思いをしっかりと伝え感動を届けられるよう、最後の最後まで頑張ります。


 


4年2組担任


「さいきょう祭」はステージ上のみに非ず ~過去の自分を『超越』しよう~

投稿日:2020.10.27

 三大行事のひとつ「体育祭」が中止となり、今年は「さいきょう祭」が最初の大きな行事となりました。例年の8年生は、全校合唱、『第九』、ミュージカルと3つの演目に取り組むのですが、未だ衰えを見せない新型コロナウイルスの影響で、残念ながら学年の演目は「ミュージカル」のみとなりました。全員がフェイスガードを着用し、できるだけ密にならない工夫をするなど感染対策を講じながら、8学年音楽担当教諭の綿密な計画のもと、練習が進んでいます。


 


1015日に校内リハーサル、その1週間後には会場リハーサルを行い、8年生の演目を鑑賞した学年外の先生や9年生から多くのお褒めの言葉をいただきました。とてもありがたいことです。コメントを聞いた生徒たちの良い表情を見て、私もどこかほっとした、というのは事実…。


 今週は、2回目の会場リハーサル、ゲネプロ、本番までを一気に駆け抜けることになります。さいきょう祭に関すること、またそれ以外の場面でも、立ち居振る舞いに関して「8年生はさいきょう祭で様々なことを『超越』した姿を見せることができた」と言われるようにしたいと思います。


本校の行事は、『自分自身の内面の成長』『級友同士の叱咤激励や切磋琢磨』を最大の目標にしています。加えて、本年度のスローガンは「超越」。さいきょう祭において、ステージ上の演目だけが素晴らしくても意味がありません。


ライトを浴びて演技をする人。その人たちのそばで道具を担当する人。音で彩りを添えてくれる人。はたまた舞台袖で出番を待つ人も…。本番を迎えられることに感謝し、それを支えてくれる人たちが大勢存在していることを念頭に、8年生が心身共に大きな成長を遂げる機会になるよう、私もしっかり見届けようと思います。


 


8年1組担任

上・下:練習の様子(9月)

校内リハーサル(10月)

主体的な学び

投稿日:2020.10.23

 中学校の学習指導要領が来年度から改訂されます。この流れを受け、教科書も内容が新しくなります。改訂は、「急激な社会の変化に対応し、生き抜くために必要な資質・能力を備えた子どもたちを育む」ために行われるもの。


その資質・能力を育てるためには、3つの観点として「①学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性等の涵養」「②生きて働く知識及び技能の習得」「③未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力等の育成」が必要とされています。そして、これに沿って、学習の評価も変わっていきます。中でも、①の文言にみられる「学びに向かう力」として「主体的に学習の取り組む態度」が評価の対象となることは、どの教科においても当てはまります。


 では、「主体的に学ぶ」とはどういうことか。それを説明すると、「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげよう」となります。対話的な学びを通して身につけ、深い学びにつなげていくものです。


 


 7年生(=中学1年生)の理科では状態変化について学習しました。固体⇔液体⇔気体と状態が変化するのに伴って、粒子間隔の大きさや密度が変わることや、純粋な物質では状態が変わるときの温度は一定であり、特有の値(融点や沸点)を持っていることを学びます。


液体食塩(おなじみの食塩は800℃ほどまで熱すると透明な液体になる)や液体窒素(マイナス196℃)を使った実験をする中で、『液体の二酸化炭素がない』ということに疑問を持った生徒がいました。彼はどうしたら液体二酸化炭素を作ることができるかを自分で調べ、ペットボトルを使って見事に作り出したのです。これぞまさに、「主体的な学び」を深めた姿です。


 


***


生徒の生活記録より


 ペットボトルにドライアイスを入れてふたを閉め、しばらく放置しました。すると…! うまくいきました! 雪が融けるようにゆっくりかと思いきや、ドライアイスは液体になりだしてからあっという間にすべて液体に。


 1回目、興味があってボトルを振ってみたら、なぜか液体は消えてしまいました。これはなぜですか?自分で考えてもわかりませんでした。


 2回目、ボトルを振っても液体は消えず、大成功。二酸化炭素を液化できました。


 さらに興味深いことに、ふたを開けたら、ある程度の二酸化炭素(と空気)が出ていったところで、ポッとポップコーンが膨らむように液体が固体に戻ったのです。面白い!


***


 


また、イカの解剖実習をした後に、「家でも他種のイカの解剖をして水晶体を確認してみました!」という生徒もいて、授業での学びをきっかけに考えを広げていく才教生の姿は、正に新指導要領を先取りしている姿だと感じます。


生徒の真摯に学ぶ姿勢と学習意欲にいつでも応えられるよう、教員側も自己の資質向上に努め、研鑽を積みたいと思います。


 


理科担当

実験:液体窒素にシャボン玉を浮かべ凍らせています

実習:スルメイカの解剖

楽しく、生きた英語力を

投稿日:2020.10.20


本年度から本校で取り入れたオンラインでの英会話プログラム「JPAL」。5年生は3週間に1回、6年生から9年生は週に1回、リモート形式で海外の先生と会話をしています。授業数はもう10回以上になり、教室は生徒たちの楽しそうな会話であふれています。


このプログラムの特徴の一つとして、先生は担任制のため、広く深い内容を話すことができます。「JPAL」の先生たちにはシラバス(学習の内容や進め方、授業計画のこと)や本校で使用している英語教材を渡し、生徒が今どの部分を学習しているかを随時把握していただいたうえで、オンライン授業を行っています。こうした着実な積み重ねができているレッスンではフリートークの時間も設けていて、そこでは自分の趣味や将来の夢について話したり、自分の好きな食べ物や自分のペットの写真を持ってきて見せたり、中には「折り紙をしましょう」と先生を誘って一緒に鶴を折ったりとトピックスは様々です。生徒の話をきっかけに、先生方は会話を大きく楽しく膨らませてくれます。


 


始まった頃は、先生の言うことを理解しきれず困っている様子も見られました。また、自分の言いたいことを英語でどのように伝えればよいか分からず、私に助けを求めてくることもありました。


しかし私は、それほど多く助け舟を出しません。それはなぜか。生徒には、「たとえ間違えても、何とか自分の力で伝える」ことに挑戦してほしいからです。


「先生、お願いします!」と声を掛けられることも回を重ねるにつれて少なくなり、今ではほぼありません。生徒たちは、ジェスチャーを交えたり、知っている単語を駆使したりと、ずいぶんたくましくなりました。どこかおじおじしていた最初のころに比べると、随分と『伝える力(会話力)』が伸びてきました。


 


苦労があったとしても、一歩踏み出して伝えようと努力すること、それこそがコミュニケーションの根幹をなすものだと私は思っています。それを乗り越えれば、他人に自分の思いを伝えることの楽しさ、「自分の言葉で伝えられた!」という喜びが生まれます。オンライン英会話を通して、通常の授業ではなかなか行うことができない話す力(スピーキング)を一層伸ばし、楽しく、生きた英語力を育成していきたいと思います。


  


英語科担当


「第九」に比肩する「第五」へ

投稿日:2020.10.17


 2020年はベートーヴェン生誕250周年のアニバーサリーイヤーにあたるということもあり、5年生はさいきょう祭で「交響曲第五番(通称『運命』)」より第一楽章と第四楽章を演奏することになりました。4年生までは、見てくれる人たち(もちろん自分たちも)を楽しくさせられるような演目でもありましたが、今年は「クラシック音楽の格好良さ・厳粛さをいかに表現できるか」に挑戦します。


台詞や動作、特殊な衣装は一切なし。演奏一本での勝負です。


 


 また、今年『運命』を演奏することには、ベートーヴェン生誕250周年の他に、もうひとつ大きな意味があります。


 新型コロナウィルスの影響で、例年通りの規模で行えないさいきょう祭。学年別の演目は縮小となり、全校合唱はもとより、3年前から7~9年生が毎年歌い、新たな伝統となりつつあった『第九』の合唱も取りやめとなりました。


厳しい練習を乗り越えて例年迫力のある声を響かせてくれていた7~9年の代わりを、「今年は5年生が務める!」とはおこがましいのですが、同じくらいの感動を観客に届けられるようなステージをお見せしたいと思います。


 


「どんな気持ちでこの曲を作曲したのかを常に意識して、作曲家と作品に失礼のない演奏をしたい。」


「第一章では作曲家の情熱を、第四楽章では5年生の元気さと明るさを表現したい」


「聴いた人が新しく思い入れを持つくらいの演奏をしたい」


「この学年でしかできない演奏、オーケストラを超えるインパクトのある演奏を目指す」


このような思いを胸に、5年生は毎日練習に取り組んでいます。


 


 15日(木)には、校内リハーサルが行われました。早速、ビデオで自分たちの演奏を振り返ると、「今までで一番良かったと思うが、まだ全然できていない」「暗譜ができていないから、指揮者を見ていない人が多い」「演奏以外のところ、表情や雰囲気作りも必要だと思う」「今の演奏では、何を表現したいのか上手く伝わっていないのではないか」など、本番2週間前だというのにたくさんの課題が…。


 


 スローガン『超越』に重ね合わせ、昨日までの自分を超える、完成だと思った瞬間を超える、自分の限界を超える……『第五』の演奏が、みんなの大きな成長の糧になることを祈っています。


 


53組担任


みんな頑張れ! コロナ中の部活動

投稿日:2020.10.09


どこを見ても、コロナの感染拡大防止対策をとる生活が続いています。


今年は、全国高校野球選手権大会、いわゆる「夏の甲子園」やインターハイ、中体連(中学校体育連盟)関係の試合・大会が軒並み中止…といった内容が報じられました。


数年にわたり部活動に打ち込んできた中学・高校の3年生は、集大成の場が消えてしまった、または縮小せざるを得なかったことに、いたたまれない気持ちを抱えたでしょう。


 


そうしたニュースも少なくなってきた昨今、各所で調整が進み大会や試合を行えるようになってきました。私が本校で指導する卓球部も、10月末に開催される新人戦に参加することを決定しました。


みんなで大会に参加できることに感謝しつつ練習に励む毎日、9年生の背中を追うように、8年生や7年生も本当によく頑張っています。


 


「ここまでやってきた練習の成果を出したい」


「ひとつでも多く勝ち星を上げたい」


「一緒に部活に励んできた仲間との時間を大切にしたい」


 


様々な制約がありながらも、ひたむきに取り組んできた生徒たちの目に光が戻ったようで、とても嬉しく思います。自分たちが目指すもの、それに向けてやるべきことがはっきりと輪郭を持ち、勢いづく卓球部です。


 


しかし、大会への参加を喜ぶと同時に、大きな変化も受け入れなくてはいけません。


そのひとつは、「会場での声援は拍手のみ」ということ。


 


「応援に後押しの力あり」といいますが、特に全員が一丸となって臨む団体戦やチーム戦では、いい流れを呼び寄せたいときになかなか士気を上げられず、歯がゆく思います。試合中は、生徒も私も手のひらを真っ赤にして応援の気持ちを届けるのですが、直接声をかけてあげられない、チームメイトの名前を呼ぶことができない…と、なんとも言えないもどかしさがあるのです。


 


それでも私は、みんながやり抜くことを信じ、精いっぱいの声援を送ります。


 


みんな、最後まで頑張れ!


コロナなんかに負けるな!


 



卓球部顧問


小さくても頼もしい「先輩」

投稿日:2020.10.06


 今年、1年生と2年生の遠足の目的地は、アルプス公園(松本市蟻ヶ崎)でした。「アルプス公園に行って遊んだことがあるよ!」という声を生徒たちからたくさん聞きましたが、そのほとんどが「ファミリーゾーン」と称される場所へのお出かけです。


しかし、今回は少々チャレンジを伴う「遠足」とし、公園北側からのコースを選びました。上級生である2年生は、1年生をリードして歩きます。


「今年は、ぼくたち、私たちが1年生を連れて行くんだ!もし1年生が『疲れた』とか言うことがあれば、『あともう少しだから頑張ろうよ』と励ましてあげるんだ!」


昨年、自分たちが今の3年生と一緒に活動したときの経験からでしょう、2年生はこのような気持ちで遠足に臨みました。


 


まず1年生と2年生でペアを作り、お互いに自己紹介。ちょっぴり緊張しながらも、自分たちから名乗っていた2年生です。


天気は遠足日和とはならず、雨が降ったり止んだりの状況でしたが、みんな元気に歩き始めました。事前にどのようなルートを歩くのか学習していた2年生は、先輩としてしっかりと1年生をリードしていました。


ルート最大の難所である「養老坂」。ここは急な坂道になっていて、まず2年生が先行して坂を登り、その後に1年生がついていくことにしていました。坂を上り始めて間もなく雨足が強まり、「これは結構きつい!」「まだこの先は長いのかな…」と、そんな言葉が出始めました。すると、すかさず「弱音は吐かない!」と友達から叱咤激励の声。


「ここは滑るから気をつけて!」


「足元をよく見ながらだよ。」


声を掛け合って登りつつ、「1年生は大丈夫かな。ついてこれるかな…」と、1年生を気遣う言葉も聞かれ、先輩としての自覚があることを感じました。やがて全員が無事に登り切り、約7kmの道のりを制覇しました。


おいしいお弁当でお腹を満たした後は、「小鳥と小動物の森」を散策し、短時間でしたが「子ども冒険広場」でも遊ぶことができました。最後に1年生と2年生でお礼を言い合い、帰りのバスに乗車しました。


 


帰校後、子どもたちに感想を聞いてみたところ、「養老坂は大変だったけれど、楽しかった」という内容が多数を占めました。大変なことを乗り越えたときの充実感を感じられたようです。他には「1年生と仲良くなれて嬉しかった。」「1年生を励ますことができた。」子も多く、そこには、1年生のことを思って声を掛けることのできた自信と先輩としての頼もしさが感じられました。


 


2年1組担任