投稿日:2020.09.11
3年生の理科で「太陽と影」という単元があります。影のでき方を学んだり、太陽と影の向きを観察したり、太陽の位置が変化することで影の向きがどのように変わっていくか、ということも調べます。 生徒たちは、まずは影のでき方を学びます。理科でいう「影」とは、太陽光が物に遮られてできるもののこと。普段、自分の身体にいつも影が付いて回ることは当たり前、特に意識することはないかもしれませんが、改めて考えてみると、影のかたちや伸びる向きを見てみると、不思議に思うこともあります。 「影ができるのはどうしてですか?」 そう生徒に質問すると、「太陽が…」とか、「光が…」とか、「僕たちと同じかたちになる…」と、なんとか説明しようとしてくれます。ひとつひとつのキーワードは出てきますが、それを言葉で整然と説明するのはなかなか難しいことです。 さて、写真で紹介しているのは、太陽と影の学習の中で、晴れた日に学校のテニスコートで「影踏み鬼」をしたときのもの。子どもたちに、「今回のポイントは、太陽の向きと影の伸びる向きですよ!」と言って、活動に入りました。みんなで「影つなぎ」や「影踏み鬼」をしながら楽しく観察をし、理科的な学習として『太陽の向きとは反対側に影ができる』ということを学びました。 学校の授業では、物事をよく観察し、理科的に考え表現することに力を入れて取り組んでいます。これは、高学年になっても、突き詰めていけばとても難しいことです。 1、2年生で学んだ生活科の授業の先にある「理科」を今年から学び始め、観察や実験が大好きでいろいろな発見をしてくれる子どもたちとの授業は、私にとっても大きな刺激となっています。子どもたちが身近な自然との関わりや命ある生き物への興味関心を高められるよう、少しずつ理科の芽を育てていきたいと思います。 3学年理科担当
投稿日:2020.09.08
才教学園2年生の生活科の一大イベントといえば、「さいきょう商店街」です。
どのような行事かというと、廃品・廃材を利用した商品のお店を構え、お客さん(1年生や保護者のみなさん)を相手に、商品のやり取りをするというものです。
昨年度はお客さんとして参加していた2年生。今年はお店を運営する立場になることをみんな楽しみにしていた様子です。
まず、どのようなお店を開きたいかを個々に考えることから始めて、グループ決め、商品づくり、値段の設定、1番のお客さんである1年生への宣伝など、お店を開く細かい準備を2ヶ月かけて行いました。そして、さいきょう商店街代表である校長先生との面談を経て、晴れて出店許可を得ることができました。
ここまでさらりと述べてきましたが、実際の準備はとても大変です。子どもたち一人ひとりの「さいきょう商店街」のイメージがあったため、グループで活動するときには意見や思いをまとめるためにパワーを使いました。ただ、意見がぶつかり合うことは悪いことではなく、それぞれが譲ったり、中間案を採用したりと、話し合いの勉強にもなります。はじめは意見がぶつかったままになってしまったチームも、次第に折り合いのつけ方を学び、話し合いがスムーズになるなど、成長を見ることができました。
そしてやってきた9月2日の「さいきょう商店街」当日、始めは緊張する子が多かった様子でしたが、お客さんとのやり取りを通じて次第に緊張もほぐれ、次第に和気あいあいとした雰囲気になっていきました。
無事に全員商品を売り切ることができた後の振り返りでは、「1年生やお家の人が買い物を楽しんでくれてうれしかった。」「自分の商品を買ってもらえてうれしかった。」など、「お客さんが喜んでくれてうれしかった」という感想が多く見られました。
お客さんが喜んでくれる、つまり人のために何かをすることができる。大きくとらえれば「世のため人のために尽くす高い志を持つ」という本校の教育目標が、このような場面でも子どもたちにしっかり根付いていることがわかり、子どもたちと関わる者として、私もうれしい限りです。
2年生 生活科担当
投稿日:2020.09.04
4年生の社会科は「くらしを守る」というテーマで1学期の学習を行いました。消防・警察、ごみ処理、上下水道管理、発電・地球温暖化・災害など、内容は多岐に渡ります。現実にある問題と深く関わっているものが多いので、ニュースや新聞で伝えられる事柄をできるだけ多く取り上げて、なるべく自分自身のこととして捉えられるように学習を進めてきました。 終業式を間近に控えたある日、「4か月間、みんな本当によく頑張ったな」との思いがこみ上げるなか、ある疑問が私の頭をよぎりました。 本来ならば、実際に自分の目で見て施設の仕組みを学び、そこで働く方々の苦労や思いを直接お聞きする社会科見学があるはずでした。しかし、例年のような見学ができなくなってしまった今年、生徒たちは働く方々のことにまで思いを巡らせることができたのだろうか…。 そこで、1学期最後の授業で、学習内容を振り返りながら、それぞれの仕事に携わる人々に対してどんな思いを抱いているのかを尋ねてみました。 「私たちのくらしを命がけで守ってくれる消防士や警察の人達がいて、ありがたいと思う。」 「学校で勉強をしてから、今までとは違って、節電を心がけたり水を出しっぱなしにしたりしないように気をつけている。」 「当たり前だと思っていたくらしは、それを守る人たちがいてくれるおかげだと分かった。たくさんのだれかのために働いてくれる人たちに、もっと感謝して生活したい。」 「くらしを守る仕事についてたくさん学習できた。他の仕事のことも、もっと知りたい。」 加えて、コロナ禍で医療に従事する方々、それに関係する多くの方々も、私達のために昼夜を問わず尽力して下さっていることを、よく理解しているようでした。 学習を通して働く方の苦労を汲み取り、日々のありがたさに気付き、感謝の気持ちを抱くに至ったことが、私にははっきりとわかりました。 翌日の1学期終業式。生徒たちは教室で、校長先生のお話(校内放送)に耳を傾けました。 「当たり前の生活は、実は当たり前ではない。誰かに支えられ、誰かの恵みを受けて、この生活があるということに気づき、感謝の気持ちを持てたということが今日までに少しでもあったなら、それがみなさんの1学期の実りです。」 社会科では、引き続き他の仕事についても学習しますが、どの仕事も私達の日々のくらしに欠かせないものばかり。いつかみなさんが大人になったとき、「世のため人のために働くことに喜びを見出せる人になっていてほしい」、そう願って止みません。 私も、子ども達と一緒に勉強できることに感謝の気持ちを忘れず、さらに充実した学びができるよう努めていきたいと思います。 4年社会科担当
投稿日:2020.09.01
5年生の理科、2学期最初の単元は「花から実へ」。花の中にはおしべとめしべがあり、おしべの花粉がめしべに付いて受粉、そして実がなる…ということを学びます。
授業は、花を分解して『がく・花弁(花びら)・おしべ・めしべに分け、ルーペで観察』することから始まります。手順を説明し、各グループに3種類の花と、ハサミ、カッター、ピンセット、ルーペを配りました。誰も何も言いませんが、テンションの高まりが教室内に伝わってきます。
生徒たちは眉間にしわを寄せ、ハサミを入れたりもくもくと手でちぎったりしながら、花を丁寧に分解し、机の上にピンセットで並べていきます。分解された花は黒い机上で更に映え、さながら標本のようです。
制服が汚れる原因となった、ヘチマのおしべから飛んだ花粉。「なんだか気持ち悪い…」と多くの生徒に評された、べっとり花粉まみれのムクゲの花芯(おしべとめしべが一体)。これらは、すぐあとの「受粉」の学びに活きてきます。
他にも、「先生、アサガオの花びらのちぎり方が分かりません…」と私を呼ぶ声。ラッパのような花弁は、どこかに切れ込みを入れないと分解できません。おや、この経験は「合弁花と離弁花の分類(中学校課程)」に活かすことができそうです。
「よし、コノ作業はコノ単元で役立つな…。」
「よしよし、アノ作業はアノ単元で役立つな…。」
私は、生徒たちが今後の学びに結びつく何気ない作業を一生懸命行っているのをほくほくした思いで眺めながら、自分の手立てに酔っていました…。
やがて、生徒たちが『花を分解しルーペで覗いてみる』というミッションを終え、やや手持ち無沙汰となった頃、一人の生徒が声を上げました。
「これを更に分解していいですか?」
私が「いいですよ」と言うと、「待ってました!」
…と聞こえた訳ではないのですが、そのような雰囲気で、生徒達は引き続き花を切り刻み始めました。理科室のテンションは、2段階ほどアップしたようです。
「うわぁ、ムクゲのつぼみから血みたいな真っ赤な汁が垂れてきた!」
「ほら、ヘチマのおしべってカリフラワーそっくり!食べられるんじゃない?」
「ねえ、アサガオの花びらに絵が描けるよ!」と、ピンセットの先で傷をつけて、棒人間を描く生徒も現れました。みんな、思い思いに楽しんでいます。
先ほどまでの「美しい花の標本」はどこへやら、花や茎をまるで“薬味”のようにみじん切りにするような作業がどんな学びに関連づくのか、私にはもはや思いつきようもありません。原形をとどめなくなった花を見ながら、私は、みじん切りと学びを関連付けるのを止めました。やや狼狽しながら生徒達を眺める私をよそに、生徒たちの顔は至極イキイキしています。
しかし私は、生徒が今後の授業でおしべやめしべ、受粉といったなどに触れたとき、「花を刻んだあの時間は楽しかったなぁ」と印象に残る授業であることも大事なことだ、と、いそいそ後片付けに精を出しました。
生徒たちの楽しい顔こそが学びの原点! そんな思いで、今日も私は教壇に立っています。
5年生理科担当
投稿日:2020.08.28
5年2組の生徒たちは、表現力がとても豊かです。生徒が毎日テーマを決めて書く「生活の記録※」は、行が足りなくなるほどたくさんのことを書いてくれるので、これを読むことは私の大きな楽しみの一つです。 そんな5年2組であった「ちょっといい話」をいくつか…… ~その1~ 放課後、教室の消毒作業をしていて、ある生徒の机上に紙片があるのに気づきました。そこには、「先生、いつも掃除をありがとうございます。」と、私に対するお礼のメッセージ。日々、彼女から寄せられるそうした一言に、私はとても元気づけられます。 ~その2~ いつもより早い時間に私が教室の整頓をしていると、ある生徒が部活動から戻ってきました。机の上に乗せた椅子を一緒に降ろしてもらおうと「少し手伝ってもらえるかな?」と頼む私に、彼は「はい!」と気持ちのよい返事をしてくれました。 更に、彼は私が次にすることを察し、自発的に机と椅子をきれいに並べてくれたのです。小さなことですが、その細かい気づきに、最後までやりきる才教生らしさが垣間見えたような気がしました。 ~その3~ 音楽で練習した手拍子アンサンブルの発表に、担任の私を招待してくれました。これは単なる手拍子に非ず。子どもたちの真剣なまなざしから、一生懸命さがひしひしと伝わってきました。 ~その4~ 体育で大縄跳びの学年内クラス対抗戦がありました。生徒の「作戦会議をさせて下さい。」という申し出に応え、ホームルームで作戦会議を開きました。跳ぶのが苦手な子をどうフォローするか、順番や綱を回すなどの人員配置など、たくさんの意見を出し合いました。…が、対抗戦の結果は最下位。記録も他のクラスと大差がついたものの、子どもたちの取り組み方を称えたいと思いました。 いつも元気よく笑顔があふれる5年2組。その反面、少しのんびりで課題も見え隠れしていますが、Ⅱ期生としての自覚が芽生えてきています。 臨時休業のためにまだ実質2か月ほどの学校生活。新しい日課にも慣れ、授業や生徒会活動を通し、一歩一歩着実に成長していることを実感します。 担任が目にしたできごとですが、生徒たちの素直さと優しさがみなさんにも伝わったでしょうか。この生徒たちの成長を一番近くで見守り、ともに過ごしていきたいと思います。 5年2組担任 ※生活の記録…予定などを書き込む連絡帳
手拍子で奏でる♪クラッピングファンタジー
声を一切出さず、呼吸と目線を合わせる
大縄跳び対抗戦
投稿日:2020.08.07
8月7日、1学期の終業式を迎えました。コロナ禍による特別休業があったため、1年生の1学期の授業日数は59日と、類を見ない少なさでした。今年入学したばかりの1年生は、新しい生活様式を強いられ、体育祭を経験することもできませんでした。やはり、「コロナが無ければ・・・・」と、つい思ってしまいます。 でも、学校生活が初めてのこの小さな子どもたちは、マスクの下でもお互いに笑顔を交わしながら当たり前のように毎日を過ごし、例年の1年生と同様にたくさんのことを身につけていきました。 初めに感心したのは、入学したばかりで学校が休業になったとき、学校から配信される動画を一生懸命見ながら学習してくれたことでした。休業明けに提出されたノートやワークシートには、まるで学校で授業を行っていたかのように、しっかりと学習の記録が残されていました。 「あさがお」の種まきも、今年は動画を観ながら家庭で行ってもらったのですが、7月にはクラスごとに並んだ植木鉢に綺麗な花がたくさん咲きました。 国語や算数はもちろん、とりわけ「先達に学ぶ発表会」には、みんな興味を持って意欲的に取り組みました。覚えたことわざは26個。「三人寄れば文殊の知恵」「千里の道も一歩から」「七転び八起き」など、前向きな諺は、みんなの教訓となりました。行事があってできない朝は、「きょうは“先達”をやらないんですか?」と残念そうにしていたくらいです。 体育の渡り棒では、諦めない挑戦が続きました。初めはできなくても、マメを作りながら練習し、とうとう課題を達成してメダルを獲得した子がたくさんいました。できなくても、何とか進もうと必死の形相でぶら下がっている姿はとても立派でした。「つらいこともがんばろう!」は、1年生の目標の一つでもあります。 図工では、様々な作品を作って楽しみました。絵や粘土、工作など、傑作がたくさん誕生しました。のりの使い方を学びながら作った、「花火」はとてもきれいでした。 今年は花火大会も行われないような夏になってしまうかもしれませんが、「花火や水遊びをしたい!」「かぞくみんなであそびたい!」「おてつだいをしたい!」と、明日からの夏休みを楽しみにしている子どもたちです。まずは、ご家族との充実したお休みになることを願っています。 そういえば、7月の4連休のあと、「どこかへお出かけしたのかな?」と何気なく尋ねてみたら、「先生、今は出かけちゃいけないんだよ。」との返事。1年生の合言葉は、「どんなことにも まえむきに」なのですが、小さな子どもたちが、自分ではどうしようもない大変な状況の中にあっても、こんなに我慢をして、自分ができることを前向きに精一杯頑張っていることに、本当に頭が下がる思いです。 私たち大人の責任は、重いはずです。 2学期も、どうか子どもたちの笑顔が変わらずにありますように。 教室にみんながそろって、明るく楽しく過ごせますように。 みんな、ワクワクの 楽しい夏休みにしてくださいね。
さらにパワーアップして、2学期には元気いっぱいで会いましょう!
1学年主任・1年2組担任
投稿日:2020.08.06
8月3日(月)に生徒会本部主催の第1回生徒会議を実施しました。「より良い学校にする」ためのアンケートを前もって実施しており、そのアンケートの回答を踏まえて、Ⅱ・Ⅲ期生全員で話し合いをするためです。
A 挨拶 D 教室環境
B 思いやり E 積極性
C マナー
これら5つのテーマについて、10ある委員会を2つずつ、AからEの5グループに分け、9年生を中心に現状や問題点、改善策に至るまで意見交換を行いました。
全体の統括と司会を務め、話し合いをスムーズに進める9年生。下級生の意見にも耳を傾け、改善策を一緒になって考えます。
次年度の生徒会活動を意識して発言をする8年生。
先輩たちの姿勢に学びつつ、真剣に考えを述べる7年生。
生徒会活動も2年目、先輩たちとの意見交換に加わる6年生。
少し遠慮気味ながら、生徒会の一員として声を上げる5年生。
これ以外にも各学年らしい様々な姿を見る中で思ったことは、「この場で話し合った内容を実践していけば、才教学園をより良い学校にできるだろう」ということ。
今回のテーマの根本にあるものは、「周りに迷惑をかけず、気をつけて自分で考えて行動すること=思いやり」なのではないでしょうか。
生活面でも上を目指している生徒たちです。一人ひとりが仲間や学校に対して「思いやり」を持って生活をしていくことが、才教学園を「より良い学校」に導くのだと思います。
しかし、教職員は、このような生徒たちを見て、すごいなと感心ばかりもしていられません。我々も一丸となって「思いやり」を持った行動を実践していこうと、会場の片隅で心に決めました。
才教生諸君、ともに頑張ろう。
9学年主任
倫理委員会による朝の挨拶活動
投稿日:2020.07.31
私が担任を務める8年2組は、個性豊かな明るいクラスです。 「個性豊か」といっても、みんなで一つのことに一生懸命に取り組み、楽しみを共有することができる、まとまりのある集団です。 そんな2組の生徒たちが、私は大好きです。 今回の才教ダイアリーでは、その生徒たちの素敵な一面に触れてみたいと思います。 *** 道徳で「名言をつくろう」をテーマに授業を行いました。 この授業は、私がいくつかお題となる言葉を出し、それに続く言葉を考えてオリジナルの名言を完成させるというものです。 生徒たちは、実に多くの名言を生み出してくれました。 どれも甲乙つけがたくよいものばかりでしたが、ここでは特に印象的だったものを紹介します。 お題①:「人を愛するということは」 人を愛するということは、ゲームより楽しい時間ができること 人を愛するということは、背伸びをしてしまうものだ お題②:「幸せとは」 幸せとは、大切な人のとなりにいること 幸せとは、細い糸で、大きな魚が釣れた時 幸せとは、からあげとレタスとちらりと見えただれかさん 中学生らしい自由な発想で、感性に溢れていると思いませんか? 生徒たちは、ほっこりとした気分にさせてくれたり、詩人のようなセンスを見せてくれたりするのです。 初めは苦戦していた生徒も徐々に創作に慣れ、思いついた「名言」を次々にノートに書き留めていました。 最終的には全員がオリジナルの名言を作り上げ、発表の際は友達の名言に感嘆の声を挙げていました。(ここに書ききれないのが残念です…) *** 多感な時期を迎えている彼ら、彼女らにこそ、柔軟に物事を捉える力を備えてほしい。 そして様々な体験をし、色々な価値観に触れて自分の世界を広げてほしい。 そう願いながら行った授業を終えて、私は、大好きな生徒たちを大切に育てていこうと思いを新たにしています。 8年2組担任
投稿日:2020.07.28
校内2階の壁に現れた銀色に輝く虫たち。これは、6年生の図工課題「アルミホイルで昆虫!」の作品です。 アルミホイルを使った作品作りは昨年度の6年生が初めてでした。そのときのテーマは「哺乳類」で、試行錯誤しながらも楽しい作品がたくさん誕生しました。 アルミホイルは身近な素材ですが、意外に万能です。まず、アルミホイルはハサミで複雑なかたちに切ることができ、軽く握っただけでもその形状を保ちます。丸めるとしっかりとした塊になります。何層か重ねると丈夫な板状になり、硬いものも表現できます。光沢も様々に表現でき、工夫次第でいろいろなことができる素材なのです。 今年の「昆虫」は、どこから見ても立体作品として成立する必要があり、どの部分もいい加減に作ることはできません。実物を見ながら作ることができれば一番いいのですが、それは難しい…。そのため、前後左右、上下からと、いろいろな角度から見た写真などを資料として用意しました。 制作初期は、小さな子が描くような「○○っぽい」というレベルで満足し終えてしまいそうな様子でした。しかし、それではただの『アルミホイルの塊』どまり。6年生として、選択した虫の構造をきちんと理解し再現することを目標に、とにかく資料をよく見て作ることにこだわりました。例えば蝶の翅(はね)は胴の背中側に、足は側面についていること。その足の構造が複雑であることや、体毛が生えていて意外にしっかりしていること。他にも、ダンゴムシの腹側、カマキリの顔、トンボの翅の付け根など、細部までそっくりに作ることを目指しました。 子ども達が苦労していたのは、昆虫の接続部や、細い触覚・足などの繊細な部分を表現すること。アルミホイルを切ったり、しっかりとより合わせて細い針金の形状にしたりと何度も失敗を繰り返し、思いどおりのかたちを作ることができたときに見せた満面の笑顔が、とても印象に残っています。 この課題を通して、作った昆虫にかなり詳しくなった子どもたち。制作における感想を、いくつかご紹介します。 「クワガタは美しいかたちで好きだった昆虫。自分が作品を作る過程で、細かいところまで知ることができ、より好きになった。」 「作品作りは簡単だと思っていたが、どの昆虫・生物も決して単純なつくりではないと分かった。」 「最初は気付かなかったトンボの体の詳しいつくりがわかったことで、自分の作品を本物に近づけることができた。」 世の中は意識しないと見えないことだらけです。今回の課題を通して子どもたちが、作品を作るという経験を得るだけではなく、このことにも気付いてくれたなら嬉しいです。 昆虫たちはもう暫く壁に張り付いている予定です。 学校へお越しの際は、6年生こだわりの昆虫たちを、どうぞご覧ください。 6年図工担当
投稿日:2020.07.21
コロナ禍の中始まった令和2年度。ようやく始まった学校生活ですが、今まで通りとはいかない場面があちこちで見られます。 本校の清掃は、5年生から9年生までの縦割り班によって行われるのが通例で、9年生が下学年をリードし各場所を清掃します。しかし現在は、感染防止の観点から、学年ごとに清掃場所を割り振っています。 「先輩がリードしてくれていた清掃」が突然、単学年での清掃となったため、初めのうちはやや戸惑いくいきませんでした。清掃の手順はわかっていても、持ち場につく時間がばらばらだったり、箒やモップ、雑巾がけの連携がうまくとれなかったりすることがあり、「清掃の意義を忘れている」とまでは言わずとも、登校が再開した6月はなんだか「弛み」を感じたのです。 そのような中で、「自分たちが使った所を清掃するのは当たり前のこと」と、担任から6年1組の生徒たちに伝える機会がありました。そして私自身、3か所の清掃場所を巡回する際は、雑巾を片手に汗だくになって清掃をしながら指導することにしました。すると生徒たちの清掃に取り組む姿が激変し、清掃時は無言で、とにかくその場所を一生懸命きれいにしようという意識が改めて育ったように思います。 また、生徒より先に清掃を始めた先生がいれば、「先生、ありがとうございます。」「ここからは私たちがやります。」といった言葉が自然と出るようにもなりました。 このような経験を経て、今、6年1組の清掃に取り組む姿勢は校内一なのではないかと自負しています。 さて、ここまで書いて私が思い出しているのは、私の地元である新潟県出身の山本五十六さんのことばです。 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」 私が今回特に実感を強くしたのは、最初の一文です。私も生徒とともに清掃をしてはいましたが、「汗をかくまで一生懸命やっていたか」と問われれば、「まだそこまでではなかった」と反省すべき点があります。 まずは教員が汗だくになって清掃をすれば、生徒たちもついてきてくれるという実感。「才教の心得」を軸に、私自身も「日々是精進」と研鑽を重ね、生徒たちの成長を見守りたいと思います。 6学年主任・6年1組担任