1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2021

才教ダイアリー2021

プログラミング学習~「EV3」を通して学んだこと~

投稿日:2022.02.08

 才教学園の5年生は、STEAM教育の実践として、1年間かけて「レゴで自動運転自動車をつくる」ことに取り組んできました。使用しているキットは、教育版レゴ『マインドストームEV3』です。


  1学期、最初のチャレンジは「イベントの細分化」でした。「お風呂のお湯を一杯にする」「洗濯をする」「起きてから家を出る」 などのイベントに対し、どういう手順が必要かを考えました。なぜならプログラミングでは、イベント(行動)をおこそうとしたとき、一つひとつ明確な指示がないと次に進むことができないからです。
3つ目「起きてから家を出る」では、このような手順が考えられます。


 スタート  ベッドから出る
  ↓    トイレに行く
  ↓    手を洗う
  ↓    顔を洗う
  ↓    着替える
  ↓    朝食をとる

 ゴール   家を出る


 ここから判断・処理の観点で手順を見直し、図化していくのですが、このときに①検証 ②妥当性 ③レビュー(批評・評論)を意識して作成することを学びました。


 2学期からは、iPadと教育版レゴを使った実践的なプログラミングに着手。始めに、自ら組んだプログラム通りにモーターが動くかを確かめ、次に車を使って「走る・止まる」の基本動作に移行。続けて、障害物にぶつかったら止まる「接触センサー」、障害物にぶつかる前に判断して止まる「距離センサー」、コース上の色を判別する「色識別センサー」など特徴のある課題にもチャレンジしました。
 小学5年生としては高度なことに取り組んでいると思いますが、誰からも「もう無理です。できません。」という言葉を聞いたことはありません。生徒たちは常にトライアル・アンド・エラーを繰り返しながら、指導する私たちの想定を上回る発想力、吸収力で課題をクリアしています。


 3学期は、レビューのひとつとして「研究成果発表会」を行いました。課題は『接触、距離、識別のいずれかのセンサーに着目し、ある条件下で正常に動作するプログラミングを紹介する』こと。班ごとに実証実験を繰り返し、経緯を動画や写真で記録したものをまとめました。細かい所までこだわりデータを示して説明した班、動画を駆使して視覚に訴える班など、素晴らしい発表でした。


 プログラミングを通して、子どもたちには多くの発見と学びがあったと思います。
 思うように物事が進まないときの対処法。仲間と協力することや、意見を持ち寄り相談することの大切さ。IT化、デジタル化が進む社会において、他者とどう関わり接していくか・・・
 ここで身につけた21世紀型スキルがこれからの生活に生かされ、大人になったときに活躍できる人になっていくことを願いながら、子どもたちに寄り添い指導していきたいと思います。


5年2組担任

インテリジェントブロックにセンサーやモーターをつなぎ車を走らせる(2021年9月)

研究成果発表会(2022年1月)

同じく発表会。工夫したことなどを丁寧に説明。

新春百人一首大会

投稿日:2022.02.01

 まだお正月の雰囲気が漂っていた1月6日と7日、8学年の国語の授業で「新春百人一首大会」を開催しました。必要以上に大きな声を出さないなどコロナの感染防止に努めながら、教室は即席の大会会場に。
 普段、授業でグループ活動をするときには、教員が座席で区切ったり無作為に決めたりすることが多かったのですが、今回は百人一首で競うチーム分けを子どもたち自身でしてもらうことにしました。才教学園には「競技かるた部」があり、クラスにもその部活に所属している生徒がちらほら...。全チームが同じくらいの力量になるように、かるた部の部員やかるた経験者の人数を工夫するなど、「自分たちが楽しむために考える」という姿勢が見られ、嬉しかったです。


 いよいよかるた勝負!...といきたいところですが、はやる気持ちを抑え、まずは少しの学習タイム。国語便覧を開いて、和歌を覚えるのに精を出す8年生です。 勝負前とあって焦っているのか、「こんなに覚えられない!」という声。一方で、「この歌、しっかり覚えてるよ。これが読まれたときは僕が取る!」、「『む』から始まる歌は一首しかないから、絶対取ろう。」などと、チームの作戦会議よろしく時間がするすると流れていきます。


 やはり競技ともなると、本領発揮で大活躍のかるた部の部員たち。そうではない生徒たちも、一人ひとりが「絶対に1枚は取ろう」という意気込みで、読み手の声に耳を傾けます。上の句が読み上げられるときのピリッとした雰囲気と、札を取った後の無邪気な喜びが交錯する、とても緩急のある活動でした。体育祭でも真剣勝負を見せてくれた彼らですが、百人一首大会でも勝負にこだわる姿に「才教生らしさ」が顔をのぞかせていました。


 今回の活動の目的を、子どもたちが百人一首を楽しみながら日本文化に触れる機会に...と考えていた私。しかし、8年生はそれを大いに上回る取り組みを見せてくれました。まだまだ伸び盛りの中学生が、いろいろな活動を通じて見せてくれる人間性と成長を見逃さないようにすることが、私の目標であり、使命であると感じています。


8学年国語科担当


※この授業が行われていた時期は、現在のようなコロナの状況ではありませんでした...。

クラス内百人一首大会に臨む8年生

別のクラスでも真剣な取り組みが見られました

伝統を引き継ぎ、新たな風を(後編)

投稿日:2022.01.28

 ここからは、総会を終えたばかりの委員長たちの感想と意気込みを一部抜粋して紹介します。


「リハーサルで少し早口になってしまったことを踏まえ、総会本番では落ち着いて話すことができた。活動計画の審議を終えた今日から、本格的に生徒会が始まると思うと、緊張もするが楽しみでもある。この一年、才教学園を引っ張る立場としての自覚と責任を持って生活していきたい。」


「コロナのために巡回という形だったが、その中でも生徒総会という、生徒会の組織や自分の役割を理解してもらうための場をしっかり作ることができて良かった。委員長として、三役と協力してより良い委員会にしていけるよう頑張りたい。」


「以前までは道を示してくれる9年生の背中があったが、今日からはそれがない。しかし今日、発表を優しい眼差しで聞いてくださった先輩方や、隣に立つ三役の仲間、同じような思いで発表する8年生の存在に勇気付けられた。頼もしい仲間とともに、後輩たちに誇ってもらえる学校を目指し、1つ1つ壁を乗り越えていきたい。」


「総会という場での挨拶や発表を終え、委員長になったことを強く実感したし、自分の思う委員会について改めて考えることができた。先輩方の成功や失敗の経験を全て踏まえた活動を行い、1年後に悔いが残らないよう頑張る。」


「総会1巡目は緊張し言葉を噛んでしまったが、進んでいくうちに堂々とできるようになった。初めての大仕事、無事に承認を得ることができたが、新しく企画する活動も審議に通るように早目の準備を心がけたい。周囲と協力し、活動を計画的に進めることができるように委員長として努力していく。」


生徒総会担当

教室を順に回る委員長たち。司会は代表委員が務めました。

議案の承認は挙手制でした

伝統を引き継ぎ、新たな風を(前編)

投稿日:2022.01.28

 令和4年度第1回生徒総会が、コロナ禍につき各教室への巡回形式で開かれました。現9年生から生徒会運営を引き継いだ8年生。1年に渡る活動の承認を得るための大事な総会とあって、新三役の発する言葉の端々には学校を引っ張る立場を自覚した様子が感じられました。


 1月13日(木)の1時間目から巡回が始まり、各委員会からは新役員紹介と活動目的および年間計画が発表されました。会員(生徒)から事前に募った質問や要望に対する回答を行い、挙手をもって活動の承認を受けるという流れです。いずれの委員会も、それぞれが考えた活動計画が承認されて一安心。令和4年度生徒会が無事始動した日となりました。


 さて、この総会前日にリハーサルを行っていた8年生。立ち会ってくださった校長先生から、次のようなお話をいただきました。


「いよいよ才教学園のリーダーとなるみなさんが、どのように学校を、生徒会を引っ張っていくのか、非常に楽しみです。『蟻の一穴、天下を破る』『千丈の堤も蟻の一穴より崩れる』という言葉が示すように、ささいなこと、わずかな油断からボロボロと崩れていくこともあるのだと心得て、一人ひとりがその任を全うしてください。」


 加えて、来年度からは全生徒がiPadを持つことから、「委員会でもiPadを活用していけるように考えて」と"宿題"も出されました。


 8年生は、これまで踏襲されてきた伝統に新風を吹かせてくれることでしょう。活動を始めた令和4年度生徒会の活動を、楽しみにしていてください。


 この続き(後編)では、総会を終えた委員長たちの感想と意気込み(抜粋)を紹介。ぜひお読みください。


生徒総会担当

生徒総会:三役が教室を巡回、活動の説明などを行いました

総会前日、リハーサルの様子

こちらもリハーサルより

書は人なり、心を写す力

投稿日:2022.01.28

 4年生の3学期最初の書写は、『白馬』という漢字でした。文字同士の大きさを考えて書くことが、今回の目標です。漢字が複数ある場合は、画数の少ない字をやや小さめに書くとバランスが取れます。『白馬』の場合であれば、『白』を小さく書くということ。また、『馬』は書き順を間違えやすいので、筆の流れに注意が必要です。


 ポイントと筆順を確認した後、心を落ち着かせて姿勢を正し、いよいよ文字を書き始めます。呼吸を整え、次の画へのつながりを意識しつつ、一画一画ていねいに、漢字同士の大きさを意識して書いていく子どもたち。教室は静まり返り、素晴らしい雰囲気の中で黙々と取り組む姿は真剣そのもので、こちらまで緊張が伝わってきました。


 1枚書き上げるたびに、緊張の糸を少し緩めて自分の作品と向き合います。そして、さらなる高みを目指して再び集中に転ずる様子からは、4月からの成長も感じとることができました。そして、授業の最後には、力強い字形の『白馬』が書きあがりました。


日常の生活の中で、ノートをとったり、手紙を書いたり、テストの答えを書いたりと、「書くこと」は多いです。相手に自分の意思を伝えるのにも「書かれた文字」が大きな役割を果たします。ですから、正しい「書写力」を身につけることが大切になります。


 また、「書かれた文字」からはいろいろな印象を受けます。「書は人なり」とも言い、「書く」ことは、自分を表現することです。落ち着いているときに書く字と、心が乱れているときに書く字は違いますよね。一生懸命書いた字には、響きがあります。ていねいに、心をこめて気持ちの良い文字を書くよう、子どもたちには日々心がけてほしいと思っています。


 筆記用具を使って自分の手で字を書くことが減ってきている時代だからこそ、美しい字を書くことの価値は高まっているのではないでしょうか。限られた時間を使って自分を磨き、感性豊かな人として成長すること。日本の素晴らしい文化を体験できること。これらを兼ね備えていることが書写の魅力でもあると思うので、書写力や集中力を養うことに加え、日常生活にも良い影響を与えられるような授業を心がけたいと、改めて思いました。


4年2組担任

2年生とiPad

投稿日:2022.01.27

 才教学園では、3年生以上が週6日制、1・2年生は週5日制です。しかし、年に数回は低学年も土曜日登校の日が設けられており、1月22日の午前中は元気に授業を受けました。


 この日の国語の授業では、初発の感想をGoogleのスライドやJamboardを使って共有しました。今年度途中から積極的に使い始めたiPadの扱いも、なんとなく板についてきたところ。まだ操作はおぼつかないときもありますが、友達に教えたり、友達から教わったりしながら、楽しい雰囲気の中で活動しています。


 普段の授業とは一味違い、気軽に友達に相談したり親身になって解決したりする雰囲気の中で、「この1年でみんなは大きく成長したなぁ。」と実感する私を、さらに嬉しくさせる姿がありました。


Aくん:しゃしんを大きくしたいけど、どうすればいい?
ミニ先生:この青いところをひっぱるとできるよ。
Aくん:本当だ、できた! ありがとう!
    あと、がぞうのいらないところは...
ミニ先生:ここをタップして、さっきみたいにひっぱると、どう?
Aくん:すごい!できたよー!

 『ミニ先生』とは生徒の1人。いつもは控えめなのですが、この日、操作にまつわる友達の困りごとを、私と一緒になって教えてくれたのです。少し誇らしげな顔の『ミニ先生』は、きっと自分自身のいいところ(才)に気づくことができたはず。このような一場面に立ち会うことができ、私は破顔一笑しました。


 友達の感想文をすぐに共有できたこと。時間も短縮され、却って密度の濃い授業時間を過ごせること。こうしたことは、授業でiPadを使うことの大きなメリットであると考えます。また、アプリを使って一人一人の習熟度に合わせた復習に対応することも標準化が可能になっていきます。今は九九アプリを使って、ランダムに出題される問題に答えたり、穴埋め問題に取り組んだりしています。中には、友達と競ってタイムアタックをしている子もいます。


 この子たちが高校生、大学生、社会人になった時には、当たり前のようにiPadやAIなどを駆使して生活していくのでしょう。社会の情報化はさらに進み、文字の読み書きと同じレベルで端末や機械を扱えるスキルが不可欠になっているかもしれません。


 そんな時代の情報リテラシーとは、情報を正しく読み解いて、適切に判断し、情報に流されず決定すること。時代に求められ、生き抜いていける人になってほしい――日々、子どもたちの未来を思い描きながら、情報リテラシーの向上を目指しICT分野における自己研鑽に努めたいと思います。


2年2組担任

国語/みんなの感想文を読んでいます-1月22日

算数/九九に挑戦中

個々の熱心な取り組みには、目を見張るものが。

「自分でできる1・3・5!」

投稿日:2022.01.26

3学期は、各学年の"まとめ"の学期。
「3学期は短いですが、成長の証を結果として示さなければならない学期です。自分の苦手なことにどんどんチャレンジをして、克服できるようにしましょう。」
始業式で、校長先生からこのようなお話がありました。



今学期の1年生の学年目標は、次の3つ。
・時間と決まりを守り 人の話をしっかり聞こう
・今やるべきことを考え、進んで行動しよう
・苦手なことを頑張ろう



2年生になる準備期間でもあり、2つ目に挙げているように「自分から進んで」がテーマになっています。
今まで指導されてきたことを自分から改善し、4月に入学してくる新1年生のお手本となれるようにしていかなければなりません。


そこで、「自分でできる1・3・5!」を合言葉に、学校生活の基礎・基本を徹底するにはどうしたらよいかを考え、意見を出し合いました。
自分でできる1秒
挨拶 ・ 姿勢を正す ・ 時間を見る
自分でできる3秒
靴を揃える ・ 起立 ・ 着席
自分でできる5秒
きれいにならぶ


思い浮かべられることは、今は少ないかもしれません。
しかし、1年生なりに自分たちでできることをひとつづつ増やして、立派な2年生になれるように頑張っているところ。
私も、そんな1年生のみんなと一緒に頑張りたいと思います!
そう、『みんなならできる 1・3・5!』


1年1組担任

廊下に掲示している3学期の学年目標

身、場を整えて、姿勢よく。

モンスターからの学び

投稿日:2022.01.25

 3年生の図工の授業で、「やさしいモンスター」を制作しました。新聞紙と和紙を使用した、"張り子"モンスターです。 もちろん、ポイントは、名前の通り「やさしい」というところ。モンスターはモンスターでも、人を害するのではなく、人の役に立ったり楽しいことをしてくれたり、まるで友人のような存在を、生徒がそれぞれ考えます。


 まず行ったのは、「どんなモンスターがいてほしいか」のアイデアスケッチ。そして、セロハンテープと新聞紙でモンスターの芯となる土台を作るのですが、これがまた大変なのです。紙だけでモンスターを自立させるにはどうすればいいか、首と胴体をしっかりくっつけるにはどうしたらいいかなど、悪戦苦闘が続きます。 どうにか土台ができて安心したのも束の間、和紙(障子紙)を張り付けて頑丈にするという、ことさら大変な作業が待ち受けていました。


 小さく千切った和紙にでんぷん糊を薄く着けて、土台の新聞紙が見えなくなるまで貼る...単純な手順ですが、集中力と根気のいる作業です。当然のことですが、モンスターのサイズが大きいほど和紙で覆う部分が大きい。何人かの生徒は、そのことにやや絶望の色を滲ませつつ、「でも、やるしかない!」と制作を続けました。


 私が驚いたのは、黙々と作業を進める中で、「こうしたらもっと効率よく貼れるかも...」と、新しいことを試みる子どもが何人もいたことです。和紙を一片ずつ千切って貼るのではなく、まず和紙をたくさん千切ってからまとめて貼ると楽なんだ、と教えてくれた子。糊に少し水を混ぜると貼りやすくなるよ、と周りにアドバイスしていた子。


 単純な工程の中にも、自分なりに工夫する姿が随所に見られ、とても感心しました。


 図工は根気のいる作業が多い科目です。題材によっては頭も使うし、腕や手だけでなく体全体を使って制作することもあります。そうした状況下で、「手抜き」ではなく、効率よく物事を進める力を身につけることは、大人になったとき必ず役立つスキルだと私は考えているので、今回のことに驚きと子どもたちの可能性を感じました。


 さあ、勝負所を終えたら、あとは着色して完成です。作品ができあがり、「担任の先生にも見せてくる!」と息巻く子どもたちの嬉しそうな姿。正にここで生みだされたモンスターたちのように、これからも優しく成長していってほしいと切に願います。


3学年図工担当

完成間近。最終工程のニス塗り。

「やさしいモンスター」誕生!

温故知新の教材開発 8・9年生 美術科の授業

投稿日:2022.01.13

 STEAM教育の充実には、新しい教材開発が必要不可欠です。美術の授業においても、日本の伝統から学ぶ教材、新しい技術を用いた教材の開発を積極的に行っています。


*****


 8年生は、デザインの学習で「家紋」の切り絵に取り組みました。日本の家紋は、元をたどれば平安時代までさかのぼるほど伝統的なデザインの代表であり、ピクトグラムの一種ともいえます。1学期にピクトグラムを学習した8年生は、夏休みの宿題で自分の家の家紋または歴史上の有名な人物の家紋について調べ、レポートにまとめました。


 集められた家紋はどれも興味深く、植物や生き物などを模したそれらは、デザインとしても優れたものばかり。武田信玄の「武田菱」のようにシンプルなものもあれば、徳川家の「三つ葉葵」のように複雑なものもあります。複雑な家紋を選んだ人は、制作に大変苦労していました。


 完成後、2階ロビーに展示された作品は、本校の生徒・保護者の皆様だけでなく外部からお見えになった方にも好評です。多くの人が作品の前で足を止めてくださり、丁寧に作られたモノクロの世界に見入っています。


 9年生は2学期よりiPadを用いたアニメづくりにチャレンジ中。「国内外で起きている社会問題」を取り上げ、4~5人のグループでクレイアニメの制作を進めています。


 自分たちで選んだテーマは、移民問題・未来のクルマ・ごみ問題・食品ロス・海洋ゴミ問題・地球温暖化・スマホ依存。この時点で生徒たちの意識の高さに驚かされ、同時に、解決の難しい大きなテーマをどう作品にするのだろうか...と心配しました。予想通り、絵コンテ作りは非常に難航しましたが、粘土でのモチーフづくりが始まり、背景制作、コマ撮り撮影など、メンバーの皆が協力し合う姿に、毎回感心させられています。


 このスタイルでの実践は本校では前例がありません。初めての試みとあって、まだこれからも時間、経験、機材の制約など数々の困難が待ち受けていると思いますが、先駆者としての自負をもって制作に取り組んでほしいところです。


 卒業までの作品公開を目指し、頑張りましょう!


8・9年 美術担当

8年生による切り絵「家紋」 企業や商品のマークとして使われているものも。

作業を手分けして進める9年生。背景のクオリティにもこだわります。

コマ撮り中。チームワークも重要です。

「繋がり」

投稿日:2022.01.11

 私が担任をしている9年1組は、とても明るく元気なクラスです。にぎやかすぎて、時に騒がしくなってしまうこともありますが、一人ひとりがお互いを思い合い、行事などの「いざ」というときには団結して、圧倒的なパワーを見せてくれます。


 そんな彼らと過ごせる日々も残り約2ヶ月となりました。



 3学期になって私立高校の入試が始まり、それぞれの進路が決まっていく段階です。受験勉強はもちろん、出願準備や面接練習で今までより慌ただしい毎日。やることが多いと周りが見え辛くなってしまうのか、どうしても自分のことだけに注意が向きがちになります。大人である私も、入試関連の書類作成や迫りくる様々な期限のことで手一杯になり、「余裕を失っているな」と思い直すことが多くなっています。


 そんな切羽詰まりかけの私とは一味違う生徒たち。みんなが、いいところをたくさん持ち合わせています。


 翌日に入試を控える子がいれば、「先生、みんなでエールを送りましょう!」と提案する子が出てくるのです。その提案を受け入れ、帰りの会で時間を割き、みんなでエールを送ります。応援された側はもちろん、応援した側も勇気づけられるような時間となり、クラスが笑顔で満たされます。


 また、昨年12月をもって8年生に引き継いだ生徒会。8年生は、試行錯誤しながらも本当によく頑張っています。そんな後輩達は、9年生にアドバイスを求めたり、分からないことを昼休みや放課後に聞きに来たりしています。かくいう9年生は、隙間時間を使って勉強したり、友人と束の間の休息を楽しんでいたりしますが、8年生が訪れれば、勉強の手や友人との話は一旦ストップ。「後輩のためならば」と、惜しむことなく時間を作って対応にあたっています。そんな姿を見ると、私自身も「もっと頑張ろう!」という気持ちになります。



 新型コロナウイルスの影響もあり、人と人との繋がりが希薄になりつつある昨今。才教学園では、そんな状況を微塵も感じさせない温かい心の繋がりがたくさん見られます。子ども達の姿に励まされたり勇気づけられたりすることが多く、「教師」という職業は本当に幸せだなと、そう実感します。


 みんなと過ごすことのできる日々を大切にしながら、最高の笑顔で卒業式を迎えることができるように私は全力でサポートしていきます!



9年1組担任


写真撮影時のみマスクを外しています

明るく元気・・・普段のクラスの様子

10月末、さいきょう祭終演後の集合写真

4月初旬、青いネクタイで臨んだ進級式