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才教ダイアリー2021

「自分のことは自分でやろう! みんなのことはみんなで考えよう!」その2

投稿日:2021.07.16

では次に、「みんなのことはみんなで考えよう!」での取り組みです。



 以前、授業中にうるさくなってしまったとき、おしゃべりをしてしまったときにどうすればよいかをみんなで考えました。そこで決まったいくつかの目標を島に見立て、その通りにできたらSmile号(みんなを乗せている船)が進むという教室掲示を作りました。



 ある朝、何人かが騒いでいたことで「うるさくて嫌だった」という声があがりました。「でも、静かすぎるのも嫌だよ。」という意見も出て、すぐには意見がまとまりません。ここでは結局「明日、静かにしてみて決める」ことになりました。その後、賑やかな場合と静かな場合の両方を体感して、みんなにとってどちらが良いのかを話し合いました。多数決では『静かな方が良い』が多かったのですが、『騒ぎすぎずにルールを決めればいい』という新たな意見も出て、クラスをよりよくしていこうと積極的な子どもたちの姿を見ることができました。
 教師が一喝して静かにさせてしまうことは簡単ですが、そこに子どもたちが考える機会はありません。ですから、クラスの問題はどんな小さなことでもみんなで話し合い、みんなの問題として全員で考えていきたいと思っています。



 とはいえ、まだまだ元気すぎる子どもたち。ときには先生の大きな声も響きますが、みんなは梅雨空もなんのその、弾けるような笑顔で学校生活を送っています。私にとって、この子どもたちはとてもかわいくて、大好きな存在です。「こんなに楽しくていいのかしら!」と、毎日のように感じています。



 みんなとの一日一日を大切に心に刻みながら、これからも過ごしていきます!



3年1組担任

「自分のことは自分でやろう! みんなのことはみんなで考えよう!」その1

投稿日:2021.07.16

 今回のタイトル、「自分の~」は、今年の3年生の目標です。


 一般的に「中学年」と呼ばれるようになりますが、それはつまり、「低学年」からレベル1つを上げるよ、先生に頼ってばかりいるわけにはいかないよ、ということです。






 まず、「自分のことは、できるだけ自分の力でやってみよう!」について、メインの活動が2つあります。


1⃣教科書やワーク類は自分で管理し、授業の度に必要な物を準備する


2⃣宿題は自分で棚から持ち帰る



 連絡帳に書いた宿題のワークを忘れずに持ち帰ることは、それまで「先生から配ってもらっていた」ことからすれば180度の方向転換です。始めの頃は、連日何人もが持ち帰るのを忘れていたため、帰りの会で確認の声がけをしていました。そのうちに、友だち同士で声をかけ合ったり一緒に準備したりする習慣がつき、今ではほとんど忘れることはありません。


(余談ですが、もし学校に教材を忘れた場合は代わりの自主勉強をしてくることにしています。「置き忘れたから宿題をしなくていい(提出しなくていい)」という意識では、忘れた方が得をするみたいですよね。子どもたちはそうではないことをしっかり理解し、きちんと対処できるようになってきました。)



 他に自分ですることは、答え合わせです。解答(冊子・プリント)を子どもに渡してしまうと答えを写すのでは...と心配される方もいるでしょうが、私は折に触れて「答えがそこにあっても、それを見ずに進められる子を育てましょう」と話をしています。確かに、分からなくて答えを見て書いてしまう子もいるかもしれません。しかし、学びの要素として欠かせないことだと思うからこそ、「最後まで自分でやりきることの大切さ」を授業の度に話しています。


3年1組担任


(その2へ)

総合的な学習の時間―7年生の場合

投稿日:2021.07.14




依然としてコロナの影響が心配される中ではありますが、生徒たちに大切な学びの機会をしっかり提供したいという思いも強く、本校では7年生の宿泊研修を予定通りに実施できるよう調整を進めています。この研修で生徒たちは、富岡製糸場(群馬県)や無言館(上田市)、象山地下壕(長野市)を見学する予定です。さらに、今年から企業の協力を得て写真や映像に関する講義を受けられることが決まり、理科で「光」や「レンズ」の仕組みを学ぶ7年生が、これらの単元をより発展させられるようになります。 


このように、「平和について考える」機会があること、また「過去の光景を記録として残すことの意義を考えたい」ということから、総合的な学習のテーマは『歴史と平和』としました。 


 1学期の授業では、写真を撮る意義を美術科の竹内先生に教わって実際に撮影したり(iPadを使用)、光の学習や無言館に関係して合唱曲の練習をしたりしました。そして7月10日(土)にK’studio・中村健三先生による講義が初めて行われました。第1回目は写真やカメラの仕組みとその進化を学ぶという内容でした。


 


Technology Literacy(情報技術能力)やCollaborating(共働)などの技能を身につける機会は、生徒が21世紀型スキルを習得するために欠かせないものと考えています。


2学期には、自分たちで簡易な箱カメラを制作したり、宿泊研修で戦争体験者のリアルな表現に触れたりする体験が待っています。加えて、これらの学びは早々に完結する(させる)ものではなく、自己表現・自己実現の意味でアウトプットしたいと思います。


10月のさいきょう祭で一部を発表できればと考えていますので、ご期待ください。


 7学年主任

中村先生から「カメラの仕組み」を教わる7年生

「屈折して進む光」を見ています

When You Wish Upon a Star~垣間見えた子ども達の成長~

投稿日:2021.07.09

『しちせき』 


  


これは何を表すかご存知でしょうか?


 


漢字で『七夕』、五節句のひとつを指します。


今は「たなばた」という読み方 ―布を作るときに使う手動の機織り機(はたおりき)が由来となっている― が馴染み深いですね。


 


6月末日、5年1組の学級の時間を使い、私から、『しちせき』について話をしました。


まず、「節句」とは中国の春秋戦国時代ごろに発生した思想の陰陽五行説に由来していること。中国の書では、『彦星』は『牽牛(けんぎゅう)』、『織姫』は『織女(しょくじょ)』と称されていること。こういった話をした後、七夕飾りをつくり、一人ひとりの願いを短冊にしたためました。完成した飾りと短冊は写真にあるように教室掲示しましたが、ここに書かれた願いごとが、私を大きく驚かせました。


 


飾りと短冊作りを教育活動の一環ととらえていた私は、生徒たちに、「自分の願いごとを書く際は、よく考えよう。」という声掛けをしました。小学校高学年とはいえ、みんなは10~11歳。それでも自分の願いごとが中心かなと思っていました。


しかし...... 


 


『5-1がもっといいクラスになるように』


『笑いが絶えないクラスになるように』


『みんなが元気で健康にいられますように』


 


このような短冊が多数でした。


今までの担任経験上、願いごとを書いてもらうと、自分自身がどうなりたいか、自分がどうしたいかという内容が多かったのですが、今回のようにここまでクラスの向上や他者を思いやる内容ばかりというのはあまり経験がなく、思いがけず嬉しい驚きだったのです。


Ⅰ期生からⅡ期生に上がって3カ月。みんなは周囲のことに配慮ができるように成長してきているんだな...としみじみ実感する一幕でした。


5年1組担任


※集合写真はマスクを外し短時間で撮影

受検生として熱き学校生活を送る9年生

投稿日:2021.07.06

気付けば今年度も3ヶ月が過ぎました。コロナ禍での生活は思いの外長く、5月に行われた9年生にとって最後となる体育祭は規模縮小での開催となり、修学旅行は延期すること2回。運動部の大会も最後の試合を終え、9年生は引退となりました。何となくやる気が出なかったり、気持ちが緩んでしまったり、何となしの学校生活になってしまいそうです。


しかし、我慢を強いられる生活ではあるものの、完全燃焼した体育祭をきっかけに、生徒達は8ヶ月後に迫った高校入試(入学者選抜学力検査)に向けて気持ちをきちんと切り替えることができています。これは、教員生活22年目を迎えた私にとって“見事!”という言葉しか見当たりません。ある生徒は生活ノートに「2組は明らかに体育祭後の教室の雰囲気が勉強に向いている」と記すほどです。6月中旬に行われた期末テストでは、10科目どれに対しても手を抜く生徒はおらず、授業担当の教員らも私と同じく驚きを隠せない結果を残しています。


コロナ禍のため、まだまだ多くの制約が続きます。しかし、生徒達は次なるステージ(高校)でこの悔しい気持ちを晴らそうとばかりに、毎月のように行われるテストや模試に向けて熱い学校生活を送っています。


 


今回掲載している写真のうち、上から2つ目は本校の授業「速読」の様子を写したもの。昨今の入試問題は文章量が多くなる傾向にあるので、読書速度の向上や大量の文章を効率よく読み解くための技術を身につけるためのトレーニングを、タブレット端末を使って行っています。「速読」は、授業でやったからと言ってすぐに結果が出るものではありませんが、こうした入試科目にはない授業を行うことの意味を生徒が理解し真剣に取り組む姿は、大変頼もしく感じられます。


 


8年次からクラス替えも無く、気心の知れた級友、担任との生活も2年目です。


「全員でなるんだ!なりたい自分に!」


「日々、薄紙を重ねるが如く」


受検には辛いこと苦しいことがつきまといますが、生徒たちは必ず目標を達成させてくれるでしょう。上に掲げた2つのことをモットーに、間もなくやってくる夏の“暑さ”を上回る“熱さ”で才教学園での学校生活を送ってくれると信じています。


私も、生徒に負けないように、ある目標を達成しようとしています。


是非とも私を含めた全員が「なりたい自分」になれるように!


 


9年2組担任