
投稿日:2025.11.07
澄み渡る秋晴れの中、第21回さいきょう祭は感動の中終了しました。生徒たちは、この日のステージに向け、長期間の練習に取り組んできました。
今年は6年ぶりに7~9年生による合唱が復活。もちろん、ベートーベン作曲の交響曲、第九「歓喜の歌」です。
前年度のさいきょう祭の閉会式で校長先生から復活宣言があり、1年計画で練習を積み重ねてきました。
以前のステージから6年もの間があり、ほとんどの生徒が過去の先輩方の演奏を知りません。その中で声楽の先生を迎え、楽曲の成り立ちから発声、ドイツ語など時間をかけて取り組みました。
その中で大切にしてきたのは、「才教学園の第九」であるということ。「第九」は200年以上も前の作品で、本家はオーケストラあり、独唱あり、合唱は大人数で、その多くは声楽に関わる大人であるのが普通です。このような大作を通して、私は、生徒にはまず音楽の中にある喜びや、過去から未来に繋がる流れを感じてほしいと思いました。
練習を始めた前年度の3学期。まずは7~8年生で「歌える体」づくり。音域が広い曲なので、無理なく声を出せるよう、ストレッチなども織り交ぜました。
次にドイツ語。詞の意味は当然ながら、日本語と異なる読み方、言い回しに慣れるよう、音読を繰り返しました。
そして、変声期を迎える生徒がとても多い中、さまざまなパートを歌って確認しながら、生徒にふさわしいパートを決めていきました。
「それでは・・・」と早速歌ってみた日。たどたどしくもそれらしく聴こえたときは、「『第九』はやはり名曲なのだ」と感じたものです。
今年度4月からは7年生も加わり、人数も増えたことで歌声に厚みが増しました。2学期以降はパート練習やソロパートの練習を増やしながら、全体で合わせる時間を多く設けました。
こうして手探りで取り組んだ「第九」ですが、多くの先生方に助けられ、会場いっぱいに深く響き渡る歌声を届けることができたと思います。![]()
再始動したばかりの「第九」。課題はたくさんあれど、それを乗り越えていくのが才教生です。
次の20年に向けて踏み出した新たな一歩と志をもって、「第九」と共に歩んでいく才教生たちであることを願います。
音楽科・さいきょう祭担当
投稿日:2025.10.28
才教学園最大の行事、さいきょう祭が目前に迫ってきた。
毎年、演目に頭を悩ませてきたが、今年は、「みんなの力を合わせれば、どんな困難にも立ち向かえる」ということを通して、"友情を育む(学年目標)"や、"世のため人のために頑張れる人材の育成"という、学校の存在意義を盛り込んだ喜劇にした。
私が受け持っているのは2年生。
まずは、一人一人が表情よくセリフを言い、演ずることを念頭に練習を始めた。
ところが、台本だと面白くて笑ってもらえるはずのシーンが、まったく面白く表現できない。
見ている方が恥ずかしくなるような演技のオンパレードだ。
・・・担任一同、頭を抱えた。
困り果てる場面も、喜びいっぱいの場面も、同じ表情の子どもたち。
これでは何をやっても面白くならない。
表情と声は連動する。だから、顔の表情作りを特訓した。
練習を積み重ね、本番を乗り切ってくれ・・・!
そう祈りながら、頑張る2年生の心意気に期待を寄せた。
舞台で演ずる子どもたちに、いつも私が伝えていることは3つ。
1 自分の殻から抜け出し、役になりきれ
2 調子に乗れ
3 心をひとつに
これらを実践できれば、必ずやよい演目となるはずだ。
今年も道具や演出、衣装の準備をはじめ、保護者の方々を含め多くの方々にご尽力いただいた。
『ステージで演ずることができることに感謝』
やはり、感謝の気持ちを持つことを、この行事を通して教えたい。
行事は子どもを大きく伸ばす絶好の機会。
演目を終えた瞬間に、心の中をのぞいてみよう。
きっと、次につながる宝物を得ることだろう。
演目終了後に、ぜひ、みんなの心の汗を見てみたい。
本番のステージに乞うご期待!!
2年3組 担任
投稿日:2025.10.24
私は、「本物にふれる体験こそが、学びを本物にする」のだと常日頃から考えています。
教育現場では、効率やテスト結果が重視される場面が増えていて、もちろんそれは大切な要素に違いないのですが、「心が動く瞬間」こそが、学びの原点ではないでしょうか。
実物にふれる活動には、安全に配慮した準備と勇気が必要です。けれどもその一歩が、生徒の中に長く残る記憶をつくります。教科書の外に広がる"本物の世界"に触れたとき、子どもたちは初めて「知ることの喜び」を実感するのです。
さて、理科の授業で「動物の体のつくりとはたらき」を学ぶときは、どうしても専門用語や図での説明が中心になりがちです。
そこで、単元のまとめの時間に、豚の心臓と肺を教材として用意しました。
机の上に並んだ臓器を前に、生徒たちは最初こそ静まり返っていましたが、「うわ、思ったより大きい!」「これが本当に心臓なんだ...」と、次第に興味の目が輝き始めました。
つぶれている肺に空気を送り込むと、ふわっと膨らみます。その瞬間、あちこちから「すごい!」「生きてたんだね」と声が上がります。ニトリル手袋をつけた手で心臓の弾力を指で押して確かめる生徒もいれば、食道と気管のつくりの違いを慎重に触りながら確かめる生徒もいます。図では分からなかった感触の違いが、手の中でリアルに伝わってくるのです。

さらに、ニワトリの手羽先を使って筋肉と関節の動きを調べたり、鶏頭で目や脳の構造を観察したりもしました。生徒たちは、丁寧に目を解剖し、水晶体を取り出して光にかざしたり、網膜を広げて構造を確かめたり。その姿はまるで小さな研究者のようでした。
驚いたのは、生徒たちの前向きな姿勢です。苦手そうな表情を見せても、「気持ち悪い」と言って逃げ出す子は一人もなく、みんなが真剣に、楽しそうに、夢中になっていました。この姿は、まさに、文部科学省が掲げる「主体的な学び」そのものだと感じました。
机の上の知識が、実物にふれることで命を持ち、生徒たちの中で"発見"や"感動"に変わっていく。
理科という教科は、「命のしくみ」や「自然の不思議」を通して、世界を理解するための入り口を生徒に開くものです。その入り口に立つとき、本物の手触りと感動があるかどうかで、学びの深さは大きく変わるのだと、改めて実感しました。
こうした授業を通して、「命ってすごい」「体ってよくできている」と感じたその驚きが、やがて未来を支える科学への興味や、他者への思いやりにつながっていくと考えています。
理科担当
※掲載画像は、一部を加工しています
投稿日:2025.10.24
10月29日にさいきょう祭が行われます。3年生は、『夢と希望の国へようこそ!』という演目で、歌(二部合唱)とダンス、リコーダー演奏を披露します。どれも今年度から本格的に取り組む内容で、宿題の欄に自発的に「ダンス・リコーダー」と書く生徒もいるほどです。
4列隊形のダンスは、列ごとにリーダーを決めました。順調に練習するグループ、話合いに時間をかけるグループ...進度のばらつきはありましたが、みんなで教え合い、楽しい雰囲気です。とはいえ、ステージで披露するレベルはまだ高いところにあります。
14日の校内リハーサルは、校長先生、教頭先生、さいきょう祭担当の先生の前で衣装を着て通すことができましたが、「笑顔・全力・集中、全員でお客さんを楽しませよう!」が達成できているかといえば微妙な状況でした。「見る人を楽しませるステージング」と褒めていただいた一方、「笑顔がない・揃っていない・メリハリがない」などの指摘もありました。練習に慣れ、自己流でいい加減になっている部分が伝わってしまいました。
さいきょう祭のことを改めて学年で話し合うと、「みんなで決めた目標を守って頑張る」という声が次々と上がりました。それからは、演目に気持ちが乗り切っていなかった生徒の目にも力が宿り、3年生のパワーと集中力に感心する毎日です。
笑顔・全力・集中、全員で一つになって、お客さんを楽しませます。
3年2組担任
投稿日:2025.10.17
1年生国語の教科書に長年掲載されている『くじらぐも』。
昨年亡くなられた中川李枝子さんが「小学1年生向けの作品を」と依頼されて、書き下ろした作品です。
初めてお話を読んだ子ども達の第一声は「面白いなあ!」でした。さっそく心を掴まれたようです。
くじらぐもの声音を変えて音読してみせると、それも気に入り、思い切り低音のゆっくりとした声で「ここへおいでよう」と、くじらになりきって音読しています。
雲に飛び乗る様子をワークシートにまとめる学習では、書いた紙を提出して自分の席に戻る前に、近くの友達と手をつなぎ、輪になって「天までとどけ、一、二、三」とジャンプし始めた子ども達。
実はこの後、クラスの皆でやるつもりだったのですが、自然にこういう行動に出た子ども達の素直さに、感心させられました。
それから数日、今度は秋空の下でジャンプしました。
3回目のジャンプの後、「あっ、今風が吹いたよ!」との声が...。
教科書では、ここでいきなり風が吹いてみんなを空へ吹き飛ばすという描写があるのですが、確かにその時、風が吹いたのです。
「くじらぐもに乗りたい!」
「先生、本当に雲のくじらに乗れるの?」
・・・なかなか難しい質問も飛び交います。
「小さい水の粒でできているから、本当は乗れないんじゃないかなあ」と半信半疑で言っている子もいます。でも、乗れると信じたそうです。
くじらとお別れをする場面の学習では、みんなでジャングルジムにのぼろうと外へ出ました。
この日は快晴で、雲がほとんど見当たりません。
「あの雲がくじらに見えないこともないけど、小さすぎる...」と思案していると、
「あっ、くじらぐもが、帰っていくところだよ!」
一人の子がこう言ったのです。
帰っていくところだから小さい...そう考えられる柔軟さ。1年生にはかなわないなと思った瞬間です。
みんなも「そうだそうだ」と喜び、「さようなら!」と、手を振って別れを惜しみました。
最近になって、『くじらぐも』の背景に、中川さんの「平和への願い」があると知りました。
作品の中で、先生と子ども達が校庭の真ん中で大きな輪になって手をつなぐ場面がありますが、「それは、敵弾がいつ飛んでくるかわからない戦争中にはできなかったこと」とおっしゃっていたそうです。
目下練習中のさいきょう祭の演目、「へいわってすてきだね」にも相通ずるものがあり、不思議なご縁を感じています。
本番までには、子ども達にも中川さんの思いを伝えるつもりです。
今はまだ、空や雲のファンタジーの余韻に浸っていますが、1年生ならではのみずみずしい感性を大切にしながら、これからも学習に取り組んでいきます。
1年3組担任
投稿日:2025.10.10
才教学園の授業の中の1つに「速読」があります。
この授業は、株式会社SRJ社様のカリキュラムを取り入れ、専用アプリを利用したトレーニング。
「文章を速く・正確に読む力」を育てることを目標に、3年生以上で週1時間を目安に導入しています。
その3年生は、4月から速読を始めて約4ヶ月。
タブレットやアプリの操作、トレーニングにも慣れてきたところです。
授業の前半は、眼球運動や動かすや文章をかたまりで捉えるような実践的なトレーニング。
後半は、神経衰弱やあみだくじ、迷路などゲーム感覚で楽しめる内容です。
正確性やスピードがスコアとしてあらわれるので、競争も取り入れつつ行っています。
子どもたちは、特にこの「競争」が大好きです。単純にトレーニング自体が楽しいということはもちろんですが、高得点をとるとみんなの前で発表されることもあり、上位を目指して一生懸命です。
「先生、高得点をとるにはどうしたらいいですか?」
「家でも練習したらどんどん点数が伸びました!!」
...などなど、とても意欲的な姿勢で、着々と力を伸ばしています。
「文章を速く・正確に読む力」は後々大人になってからも大切な力になるはずです。
日々のトレーニングを積み重ね、力をつけていってほしいです。
3年生 速読担当
投稿日:2025.10.03
才教学園では、算数・数学が大好きな5年生から9年生の生徒18名が「数才クラス」として、毎週水曜日に活動しています。
教科書・学年の枠を超えた問題を解いたり、算数オリンピックなどの難問に挑戦することを通して思考力を磨いたりと、楽しく深い学びの時間を過ごしています。
夏休みには、恒例の「一人一問作問」に取り組みました。
自分で問題を作ることで、発想力や論理的構成力が養われます。
先日、それぞれの問題を持ち寄り、皆で解き合いました。
毎年登場するジャンケンの問題は、作問した生徒の名にちなんで「〇〇ジャンケン」と名が付き、最も盛り上がる名物問題です。![]()
グー、チョキ、パーに加え7つの新しい手が登場。それぞれの勝敗関係を条件に従って整理し、勝敗表を完成させるという高度な内容です。
正解にたどり着いた生徒からは歓声が上がり、教室中が喜びに包まれました。
このジャンケン問題以外にも、紹介しきれないほどの良問が多数ありました。
図形のひらめきが必要な問題、論理のすき間を突く問題、数才愛に満ち溢れた問題など、それぞれの個性が光る力作ばかりで、生徒同士が刺激を受け合う貴重な機会となりました。
今後は、こうした創造的な活動に加え、より思考力を鍛えるような課題にも挑戦していきます。
数才クラスの生徒たちには、論理的に考え抜く力、筋道を立てて説明する力を鍛えつつ、数学の魅力をさらに深く味わってほしいです。
数才クラス担当
投稿日:2025.09.26
「いい匂い~!」
「今日の給食はカレーかと思っちゃった」
美味しそうな匂いに誘われて、Ⅰ期生が家庭科室前に集まってきました。
☆★☆★☆★☆
9月のある日、9年生の調理実習。
メニューは、ひき肉、人参、玉ねぎ、ピーマン、トマト、蓮根、エリンギ、生姜、にんにく、そしてブロッコリーの茎を使った彩り豊かで栄養満点の「ドライカレー」。
家庭科の調理実習は、多くの生徒たちが楽しみにしている学習活動のひとつです。
美味しそうな一皿を想像しながら、班ごとに調理手順やおおまかな役割分担を決め、調理を始めました。
慣れた手つきで野菜を洗って刻む生徒がいれば、苦戦しながらも仲間に教わって切っている生徒もいます。
他にも、食欲をそそる匂いを漂わせながら生姜とにんにくを焦がさないように集中して炒める生徒がいたり、猫舌のため熱々の具材の味見ができない生徒に代わって何度も味見を担当する生徒がいたり・・・。
途中、味見をしながら「もう少し○○を足してみよう!」「辛くなったから△△を入れてもいい?」と、積極的に意見を交わしながら調理は進みます。
調理実習では、調理はもちろん、試食や盛り付け、配膳、そして片付けまでの一連の調理工程を自分たちの手でやり遂げます。
調理工程の楽しさだけでなく、できあがった料理を味わう楽しさ、仲間と協力することの大切さや段取りの重要性も学ぶことができるのが、調理実習の良さですね。
自分たちで作ったドライカレーの味は格別だったようで、子どもたちの満面の笑みが何よりの証拠です。
私も生徒の作ったカレーをいただきましたが、お世辞抜きで本当においしかったです。
この美味しさを、たくさんの人と共有したかった・・・!
家庭科は、日常生活に役立つことを実感しやすい教科です。
今回の調理実習を通して、子どもたちの食への関心が深まり、将来への「生きる力」が育まれるよう願っています。
家庭科補助
投稿日:2025.09.19
毎年、2年生は、生活科の学習の一環として「さいきょう商店街」を開きます。廃品を利用して商品を作り、お店を開きます。お客さんは、1年生です。目指すは、「売上第一位!」そのためにどんな工夫をするのか、お店ごとに考えました。
「お客さんの好きなものを売る」
「でも、1年生の好きな物って、何だろう」
「値段を安くしてたくさん買ってもらう」
「でも、安いと売上は上がらないよ」
「じゃあ、高くする」
「あんまり高いとお客さんは買わないと思う」
「高くても、よい商品なら、買ってくれるんじゃないかな」・・・
そこで、1年生に好きな物や好きな色、かたち、値段のことなどについてアンケートをとりました。それをもとに、「自分達のお店で何を売るか」、「商品の色や模様はどうするか」、「値段はどうするか」など、1年生の立場になって考えました。ほかにも、「いろいろな種類の商品を作る」「商品が分かりやすいように種類ごとに並べる」「1年生に優しく、商品の説明をする」「元気にあいさつをする」など、売り上げ一位になるために、お店の仲間と考え、お店作りに活かしていきました。
商品が出来上がると、どんな商品があるのか1年生に伝えるために、チラシを作りました。
「1年生に見てもらうんだから、ひらがなで書いた方がいいかな」
「漢字で書いたら、ふりがなをふるといいよね」
チラシを見る1年生の立場になって考えている様子が随所に見られました。
チラシを書きながら、アンケートの結果をもう一度確認したいというグループがありました。聞くと、「チラシを飾る色を1年生の好きな色にしたい」と言うのです。そんなところでも、お客さんの好みを考えて取り組んでいる様子に感心させられました。
それから、おすすめの商品を実際に見せながら、1年生の教室に宣伝にも行きました。ちょっぴり緊張しながらでしたが、1年生の前で一生けんめいに商品の説明をしたり、実際に動きを見せたりしていました。
グループの仲間と意見を交わしながら商品に値段をつけ、お店の看板も作って準備は万端です。
そうして迎えた当日。いよいよ、さいきょう商店街、開店。
1年生が会場内に入ってくると、「いらっしゃいませ」とすぐに大きな声が響きました。
「いらっしゃいませ」
「いい商品がたくさんありますよ」
「こんな、おもしろいことができますよ」
大きな声で一生懸命にお客さんに呼びかけました。たくさんの商品を売ろうと、一人ひとりが一生懸命に活動しました。机の上に、所狭しと並べられた商品は徐々に減っていきます。それから、タイムセールがやってきて、ここからがラストスパート。全部の商品を売り切るために、グループの仲間と相談して値段を下げたり、セットで販売したりしました。
そして遂に完売。「やったー!全部売り切れた」その時の子ども達の表情は、満足感に満ちていました。
後日、「売上第一位」のお店の発表がありました。売上一位のお店は、たった一店です。一位になれなかった子は、残念そうな表情を浮かべ、中には涙を流す子もいました。子ども達が、目標を意識しながら、真剣に活動に取り組んできたことが改めて感じられました。
その後のまとめでは、「さいきょう商店街を開いて良かったこと」を、みんなで話し合いました。いろいろな意見が出る中で、「1年生が喜んでくれた。1年生の笑顔を見て、自分もうれしくなった」という子がたくさんいました。売上のことだけではなく、自分達が活動したことの価値を見出すことができました。
そして、世の中のお店を開いている人のことも考えました。
「お店を開いている人も、お金をたくさんもらうことばかりを考えているのではなく、お客さんのために、お客さんに喜んでほしいと思っているんだ」
話は、他の職業にも広がりました。
「お医者さんは、患者さんのために病気を治して、元気になってもらいたいと思っていると思う」
「警察官は、安全に暮らせるように、みんなを事件や事故から守りたいと思ってやっていると思う」
「大工さんは、住む人のためにいいお家をつくろう、丁寧に丈夫につくろうと思っている」
「世の中のお仕事をする人は、『人のため』『みんなのため』にやっているんだ」
売上を上げるだけではなく、1年生が喜んでくれて、それによって自分達も満足感を得たり、それを世の中の仕事のことにも結び付けて考えたりすることもできました。この「さいきょう商店街」を通して、仕事をしている人の思いに触れることができました。
2年 生活科担当
投稿日:2025.09.12
「先生、私、本当は、こういうことを言いたかったんです」
先日の授業参観が終わった直後、何人かの生徒が伝えに来ました。
「みんなの雰囲気がいつもと違って、言いたいことが言えなかった」
「緊張で、考えがまとまらなかった」
9月2日は、大勢の保護者の方に授業を参観いただきました。
「自分の良いところを見せたい」と張り切っていただけに、何とも言えないプレッシャーがあったようで、何人かの生徒たちから上のような声があがりました。
そのような経緯もあって、次時の授業を始めるときに、私はこう宣言したのです。
「今日は、リベンジをしよう!」
時間を少しさかのぼって・・・
国語で『星の花が降るころに』という作品を初めて読み終わった直後、ある生徒がこんなことを言いました。
「この作品って、結局何が言いたいの? よくわからない」
同じような感想を抱いた生徒は、決して少なくありませんでした。
そうして、"リベンジ授業"では、積極的に議論を重ねました。
「『色あせた花』という表現からも人物の関係が読み取れそう」
「じゃあ、○○って、こういうこと?」
教科書を片手に描写に着目し、自分たちなりの分析と考察をする。
そこで出てきた疑問に対して、分析と考察を繰り返す。
その次の授業でも同じことをして、最後は読後の感想をまとめました。
「先生、この作品って、こういうことを言いたかったんですね」
「言葉って、難しいですね」
はじめは「何が言いたいのかよく分からない...」と言っていた生徒は、読み深める中でこのようにつぶやきました。
読後の感想には、ほかにも次のようなことが綴られていました。
「みんなの意見を聞いて、考え方の幅が広がった気がした」
「単純な言葉にも深い意味があり、登場人物の考えや感情を読み取れると分かった」
普段、何気なく使っている言葉。でも、ちょっと立ち止まって考えてみると、表面上ではわからない、別の表現が隠れていることがあります。
心情描写や内容解釈だけでなく、「言葉」が持っている意味や価値にも気づいてほしい。
この単元だけにとどまらず、今後の授業や何気ない日常の中でも「言葉」に注目していってほしい。
私にとって、『星の花が降るころに』は、こんな思いを込めた授業になりました。
7学年国語担当