
投稿日:2026.01.16
3学期が始まりました。3学期は、一年間のまとめをする大切な学期です。
さて、3年1組には、2学期から「課題」として続いていることがあります。
それは、「何も考えずに、誰かの後をついていってしまう」ということです。
2学期のあるとき、誰かがいつもとは違う場所に宿題を置きました。それは、給食台の上。すると、いつの間にか全員の宿題がそこに積み上がっていました。このほかにも、よくないこと、ふさわしくないことだとわかってはいるのに、誰かがやっているとそうしても良いのかな・・・と思って行動してしまうことがありました。
それが顕著だったのは、3学期始業式の日。「整列前に身だしなみや心構えを確認しましょう」と伝えていたのですが、2組の生徒が並んだのを見て、1組も流されるようにささっと隣に並んでしまっていた、という状況でした。
「自分の頭で考えよう!おかしいと思ったら、ついていかずに立ち止まろう!」
私がこのように話をしたうえで、今の課題を一人ひとりが考え、それを元にグループで話し合う機会をつくりました。その時に出てきた意見をまとめて、3学期の学級目標にしました。
学級目標は『自分で考え、判断し、行動すること』に決まりました。でも、目標が大きいままだと、かえって何をしていいのかわからなくなります。そこで、もう一度グループで話し合い、具体的な目標を3つ決めました。
1. 場面に合わせて行動する
時間があっても無くても、取るべき行動は同じ。
(時間がない時には、急ぐはず・・・)
2. 時間を守る
当番の号令に頼らず、自分で時計を見て動こう。
3. しゃべらずに並ぶ
誰かがしゃべっていると、それがみんなに伝播しがち。でも、自分までつられないこと。
そして、もうひとつ、3年生の3学期は、来年4年からⅠ期リーダーとなるための準備の学期です。以前いた先生は、"4年生の0学期"とおっしゃっていました。
そこで、『4年生までにこれだけはできるようになろう!』という点でも、3つの目標を決めました。
◎大きな声であいさつし、ていねいな言葉づかいをする
◎階段、ろう下を走らない、さわがない
◎身だしなみを整え、名札をきちんとつける
こうした目標をクリアするたびに、ビー玉を瓶の中に入れていきます。
3学期が終わった時、瓶がビー玉でいっぱいになるように、全員で頑張ります!
3年1組担任
投稿日:2026.01.09
新しい年を迎え、3学期がスタートしました。年末からひっそりとしていた教室にも、子どもたちの元気な声と笑顔が戻ってきました。久しぶりに学校の友だちと顔を合わせた子どもたちは、とても嬉しそうに、冬休みの間の出来事を話し合っていました。楽しく、充実したお休みであったことが、一人一人の話や表情、そして、作文から伝わってきました。クリスマスやお正月といったイベントが続き、冬休みならではの過ごし方ができて、どの子にとっても充実したお休みになったようです。
8日の始業式の後には、2学期を振り返るとともに、3学期が次の学年につながる大切な期間であることを確認しました。そのうえで、「どんな3年生になりたいですか?」と問うと、「かっこいい3年生です!」の声が多く上がりました。
では、かっこいい3年生とは!?
・新しい1年生や2年生に色々なことを優しく教える
・苦手なこともがんばる
・しっかりしていて、お手本になっている
・元気な挨拶ができる
ここに挙げたほかにも、多くの意見が出ました。
その後、一人ひとり3学期のめあてを立てました。「かっこいい3年生」というゴールに向けて、具体的に頑張りたいことを考え、文字や漢字をきれいに書く、友だちに優しくする、静かに行動する、挨拶を自分からするなど、力強い多くの『頑張る宣言』が見られました。その後、何かをできるようにするためには、それを実行すること、そして、日々努力することが大切だということを確認し合いました。
今年は、午年です。馬は「前進」「飛躍」「エネルギー」の象徴であり、3学期という短い期間を駆け抜けるイメージにぴったりです。未来に向かって夢と希望をしっかりともち、軽快に駆け抜ける1年にしたいものです。そして、子どもたちには、今までできなかったことに挑戦して、1つずつ「できた!」を重ね、「ぴょん!」と高くジャンプする馬のように飛び越えていってほしいと思っています。
たった47日間ですが、2年生のまとめの時期であると同時に、3年生になるための準備の時期でもある、とても大切な3学期です。
「行ってしまう1月、逃げていく2月、去ってゆく3月」と言われますが、子どもたちには、今のやる気を忘れず、時々は自分のめあてを振り返りながら、気を引き締めて日々を大切に過ごしてほしいです。
私も、強いやる気を持ち続ける子どもたちと一緒に、終業式まで走り続けます!!
2年2組担任
投稿日:2025.12.23
12月17日、2学期終業式が行われました。終業式では校長先生から、生成AIとこれからの社会をつなげたお話がありました。
「AIの活躍が進む中で『人間にしかできないこと‐責任を持つこと、本物を体験できること』を胸にとめて学び続けてほしい」という言葉が、個人的に印象に残り、教える側として背筋が伸びる思いで耳を傾けました。
終業式を終え、教室に戻ってから、生徒たちに2学期に一番印象に残ったことを聞いてみました。
真っ先に上がったのはさいきょう祭。今年は「This is Me」のテーマを掲げ、9年間で自分たちが経験したこと、そこから成長して得たものをダンスや歌で表現しました。個性あふれるこの学年らしさが凝縮されたステージとなりました。本番を終えてから2か月近く経ちますが、今も「This is Me!」と全力でパフォーマンスを終えたときの表情が鮮明に思い出されます。
また、受験生として学力の向上に努めたことを挙げた生徒もいました。高校に送られる評定が確定する今学期では、これまで以上に学習に力を入れる生徒が多く見られました。中には3回の総合テストで30~40点近く点数を伸ばした子もいました。努力を怠らないことの大切さを、改めて子どもたちから学ばせてもらいました。
常に「何か」に追われる日々の中で、いろいろなことをたくましく乗り越えてきた9年生。長い2学期に大きな成長を遂げた様子がうかがえます。9年生に限らず、どの学年の生徒も様々な経験を経て、身体的にも精神的にもステップアップしたように感じます。子どもたちの吸収力と、それを踏まえた成長に脱帽です。
9年生31人の生徒と才教学園で過ごす時間も残りわずかとなりました。昨年4月に着任してからの日々はあっという間で、「終わり」や「残り」を意識すると、寂しさを感じます。
しかし、その一方で、それぞれの巣立ちに向けてどこまで踏ん張りをきかせられるかという新たな成長が、大きな楽しみでもあります。
進路実現にむけてがんばれ、受験生!
9年2組担任
投稿日:2025.12.12
図工や美術の作品は、短時間でパッとつくれるものではありません。厳しい暑さの8月後半に始まった2学期。そこから、どの学年も、学期末の展示「さいきょうミュージアム」に向けて着々と制作に取り組んできました。
ひとり複数の作品を出品するので長期の計画が必要でしたが、時間をかけて、心をこめてつくった作品ばかりで見どころ満載の"展覧会"になりました!
才教学園に入学し、道具の使い方に慣れてきた1年生。エリック・カールさんの絵本を参考にした作品を展示することにしました。偶然にできた模様の紙(※)から発想を広げ、カラフルな動物や鳥を、画用紙全体に創造しました。また、身辺材(空き箱やプラスチックカップ、ペットボトルのキャップなど)を組み合わせ、大きなロボットもつくりました。自立させるために安定させることが難しかったのですが、工夫を重ね、頑張って完成させました。どの作品も、ユニークで愛嬌があります。
そして今回、かなり力を入れて製作にあたってきたのが、『焼き物』です。1~4年生は「オリジナル・プレート」と題して、テラコッタ粘土のお皿やコップをつくりました。焼成したあとに色を塗ったり模様を描いたりもしたので、家に持ち帰ったら飾るもよし、小物入れのようにも使うもよし、です。
5~8年生は、素焼きの作品のほか、釉薬を掛けて焼成した本格的な作品も数多く制作。1300℃まで温度を上げて焼くと独特な風合いが醸し出され、一つひとつ違う味わいが生まれました。卒業生が寄贈してくれた窯は、こうして大切に使わせてもらっています。
保護者懇談会期間に併せての開催で、多くのみなさんに楽しんでいただけたように思います。カラフルな展覧会にご来場いただき、ありがとうございました。
★上は、先輩の作品「自画像」を鑑賞中の4年生
図工・美術科担当
※絵本などをもとにイメージを固め、自分の作品に必要だと思う色を大胆に白い紙に塗りました。かすれや色むら、にじみなども魅力のポイント。
投稿日:2025.12.05
1年生の担任となって早8か月が過ぎました。期待に胸を膨らませ、才教学園に入学してきた40人の1年生も、そろそろ2年生への進級を意識する時期・・・。
折しもインフルエンザが流行し、校内外で閉鎖の対応を余儀なくされているところも少なくありませんが、私が受け持つクラスは、全員が1ヶ月以上も元気に登校できているという状況です。担任としてとても嬉しいことであり、毎日元気な顔を見せてくれる子どもたちとそれを支えている保護者、家族のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです!
さて、学年の合言葉は『チャレンジ』。「様々なことをあきらめず挑戦してほしい」という担任一同の思いを込めました。今回の才教ダイアリーでは、『チャレンジ』する1年生の姿をみなさんにお伝えしようと思います。
先日、1年生が毎年実施している「昔の遊びを楽しむ会」を開催しました。才教学園「7つの基本方針」のひとつに「日本の伝統や文化を大切にすること」とある通り、今までつながれてきた伝統や文化を後世に伝えていく大事な行事です。
当日は、生徒の祖父母のみなさんに来校していただき、昔ながらの遊びを教えてもらいます。始めのうちは自分のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に所にいた子どもたちですが、様々な名人芸を見たり、遊び方を教えてもらったりする中で、自分の家族以外とも積極的に関わり、こま・めんこ・おはじき・けん玉・福笑い・カルタ・折り紙・竹とんぼ・お手玉といった遊びにチャレンジしました。こうした大勢の方々との触れ合いが、子どもたちを大きく成長させる糧になります。
そして、1組の代表者5名は司会に初チャレンジしました。立候補してくれた5名は、決めてあった台本を分担して練習。当日は原稿を見ながら、はっきりと大きな声で司会を務めあげました。緊張したかもしれませんが、今後、5年生から取り組むプレゼンテーションコンテストの準備にもなる大事な一歩を踏み出すことができました。
ひらがな・カタカナ・漢字といった文字の学習をマスターし、繰り上がりのたし算・繰り下がりのひき算も暗算で解けるようになりました。しかし、1年生としての残り4ヶ月の中で、初めて経験することはまだまだあるでしょう。
今後も、学年目標である『チャレンジ』を重ね、その豊かな経験をもって2年生に進級してほしいと思っています。
1年1組担任
投稿日:2025.12.01
さいきょう祭で8学年は、例年約60分の『ミュージカル』を公演する。
花型の演目と言っても過言ではないだろう。
昨年度、さいきょう祭後の登校初日、生徒たちの話題は「来年私たち何やる~?」であった。
もう来年度のことを考えている生徒たち。
その様子を見て、私もワクワクしたことを今も鮮明に覚えている。
「アナ雪は?」
「歌好き!」
「やりたいけどキャストが少ないかも...」
「私たちの学年のカラーに合わない気がする~」
「トイストーリーは!?」
「それイイ!」
活発な意見が飛び交った。
そして、決まったのは『サウンドオブミュージック』。
だが、大半の反応は「何それ?」といったものだった。
夏休みに入る前、全員でビデオ鑑賞。
"ドレミの歌"や"エーデルワイス"など、知っている歌が詰まったストーリーに反対の声は上がらず、「『サウンドオブミュージック』の世界をいかに表現するか」を作り上げていく日々がスタートした。
「このミュージカルを作るうえで、今の8年生で良いのか?」
・・・ということで学年集会を行うと、改善が必要な点があることが多く上がった。
ではどう行動する必要があるかを考え、「後は行動するのみ!」と2学期初旬...。
ミュージカルの入口では、まだ全員でやれることは少なく、時間を持て余す多数の生徒が目立った。
「行動する」と言いながらも、準備をせず遊んでいる生徒を見て呆れる生徒がいた。
また、中々進まない状況に文句が出たり、意見がぶつかり合ったりと、このままでミュージカルは本当に作りあがるのか?といった不安が続いた。
そこにスイッチが入ったのは校内リハーサル!
他学年の先生方からポジティブな言葉をもらい、多くの生徒のやる気が変わった。
何かを作り上げるときは必ずと言っていいほど、意見が衝突したり、悔しい思いをしたりする。
しかし、それが成長の上で必要な経験ではないかと思う。
生の経験こそが、人生の糧となるのではないか...と。
まずは、すぐそこに迫ってきた「新生徒会」に向けて、経験を活かしてほしい。
8年2組担任
投稿日:2025.11.28
私が受け持つ4年2組は先日、新たな仲間を迎えました。事前に学年主任から予告していたものの、当日はワクワクした雰囲気でいっぱいでした。
そんな朝のこと...
保護者の方と一緒に登校することになっていたのですが、交通事情により、学校到着が予定時刻を過ぎてしまいました。
私は、「初登校日、少しでも気持ちを落ち着ける時間が欲しかっただろうな...余計に緊張が増していないかな...」と思いを巡らせました。
あわただしく準備を整え、登校間もなく朝の会。
そこで自己紹介をしてもらったのですが、
「転入してきた○○です。好きなものは□□、好きな教科は~・・・」と、堂々たる話しぶりでした。
その後、生徒たちは入れ替わり立ち代わり、自ら進んで新しい友だちに話しかけていました。それだけではなく、教材の説明や記名のこと、片付け場所やロッカーの使い方など、"学校生活のいろは"を伝えてくれました。
担任である私は、途中で確認する程度。
「4年生、頼りになるなー!! 成長したなー!!」と感心しました。
午前中は校外施設での水泳授業もあったため、午後になってから改めて自己紹介。放課後にはみんなと校庭で遊ぶ姿が見られました。翌日には、クラスでレクリエーションを行い、さらに距離を縮めました。
転入からわずか2週間ですが、もうすっかりクラスに溶け込んでいます。
『頑張っている人を応援しよう』
私は、日頃からこう伝えています。
2学期途中から増えた新しい仲間を、まさにこの通り、クラスの全員が全力で応援してくれています。当たり前のことですが、その当たり前が少しずつできるようになっていることは、とても嬉しい変化です。
夏・秋・冬を駆ける長い学期もあと1か月。大きく成長したと誰もが実感できる締めくくりをして、まとめの3学期へ向かいます。
4年2組担任
投稿日:2025.11.07
澄み渡る秋晴れの中、第21回さいきょう祭は感動の中終了しました。生徒たちは、この日のステージに向け、長期間の練習に取り組んできました。
今年は6年ぶりに7~9年生による合唱が復活。もちろん、ベートーベン作曲の交響曲、第九「歓喜の歌」です。
前年度のさいきょう祭の閉会式で校長先生から復活宣言があり、1年計画で練習を積み重ねてきました。
以前のステージから6年もの間があり、ほとんどの生徒が過去の先輩方の演奏を知りません。その中で声楽の先生を迎え、楽曲の成り立ちから発声、ドイツ語など時間をかけて取り組みました。
その中で大切にしてきたのは、「才教学園の第九」であるということ。「第九」は200年以上も前の作品で、本家はオーケストラあり、独唱あり、合唱は大人数で、その多くは声楽に関わる大人であるのが普通です。このような大作を通して、私は、生徒にはまず音楽の中にある喜びや、過去から未来に繋がる流れを感じてほしいと思いました。
練習を始めた前年度の3学期。まずは7~8年生で「歌える体」づくり。音域が広い曲なので、無理なく声を出せるよう、ストレッチなども織り交ぜました。
次にドイツ語。詞の意味は当然ながら、日本語と異なる読み方、言い回しに慣れるよう、音読を繰り返しました。
そして、変声期を迎える生徒がとても多い中、さまざまなパートを歌って確認しながら、生徒にふさわしいパートを決めていきました。
「それでは・・・」と早速歌ってみた日。たどたどしくもそれらしく聴こえたときは、「『第九』はやはり名曲なのだ」と感じたものです。
今年度4月からは7年生も加わり、人数も増えたことで歌声に厚みが増しました。2学期以降はパート練習やソロパートの練習を増やしながら、全体で合わせる時間を多く設けました。
こうして手探りで取り組んだ「第九」ですが、多くの先生方に助けられ、会場いっぱいに深く響き渡る歌声を届けることができたと思います。![]()
再始動したばかりの「第九」。課題はたくさんあれど、それを乗り越えていくのが才教生です。
次の20年に向けて踏み出した新たな一歩と志をもって、「第九」と共に歩んでいく才教生たちであることを願います。
音楽科・さいきょう祭担当
投稿日:2025.10.28
才教学園最大の行事、さいきょう祭が目前に迫ってきた。
毎年、演目に頭を悩ませてきたが、今年は、「みんなの力を合わせれば、どんな困難にも立ち向かえる」ということを通して、"友情を育む(学年目標)"や、"世のため人のために頑張れる人材の育成"という、学校の存在意義を盛り込んだ喜劇にした。
私が受け持っているのは2年生。
まずは、一人一人が表情よくセリフを言い、演ずることを念頭に練習を始めた。
ところが、台本だと面白くて笑ってもらえるはずのシーンが、まったく面白く表現できない。
見ている方が恥ずかしくなるような演技のオンパレードだ。
・・・担任一同、頭を抱えた。
困り果てる場面も、喜びいっぱいの場面も、同じ表情の子どもたち。
これでは何をやっても面白くならない。
表情と声は連動する。だから、顔の表情作りを特訓した。
練習を積み重ね、本番を乗り切ってくれ・・・!
そう祈りながら、頑張る2年生の心意気に期待を寄せた。
舞台で演ずる子どもたちに、いつも私が伝えていることは3つ。
1 自分の殻から抜け出し、役になりきれ
2 調子に乗れ
3 心をひとつに
これらを実践できれば、必ずやよい演目となるはずだ。
今年も道具や演出、衣装の準備をはじめ、保護者の方々を含め多くの方々にご尽力いただいた。
『ステージで演ずることができることに感謝』
やはり、感謝の気持ちを持つことを、この行事を通して教えたい。
行事は子どもを大きく伸ばす絶好の機会。
演目を終えた瞬間に、心の中をのぞいてみよう。
きっと、次につながる宝物を得ることだろう。
演目終了後に、ぜひ、みんなの心の汗を見てみたい。
本番のステージに乞うご期待!!
2年3組 担任
投稿日:2025.10.24
私は、「本物にふれる体験こそが、学びを本物にする」のだと常日頃から考えています。
教育現場では、効率やテスト結果が重視される場面が増えていて、もちろんそれは大切な要素に違いないのですが、「心が動く瞬間」こそが、学びの原点ではないでしょうか。
実物にふれる活動には、安全に配慮した準備と勇気が必要です。けれどもその一歩が、生徒の中に長く残る記憶をつくります。教科書の外に広がる"本物の世界"に触れたとき、子どもたちは初めて「知ることの喜び」を実感するのです。
さて、理科の授業で「動物の体のつくりとはたらき」を学ぶときは、どうしても専門用語や図での説明が中心になりがちです。
そこで、単元のまとめの時間に、豚の心臓と肺を教材として用意しました。
机の上に並んだ臓器を前に、生徒たちは最初こそ静まり返っていましたが、「うわ、思ったより大きい!」「これが本当に心臓なんだ...」と、次第に興味の目が輝き始めました。
つぶれている肺に空気を送り込むと、ふわっと膨らみます。その瞬間、あちこちから「すごい!」「生きてたんだね」と声が上がります。ニトリル手袋をつけた手で心臓の弾力を指で押して確かめる生徒もいれば、食道と気管のつくりの違いを慎重に触りながら確かめる生徒もいます。図では分からなかった感触の違いが、手の中でリアルに伝わってくるのです。

さらに、ニワトリの手羽先を使って筋肉と関節の動きを調べたり、鶏頭で目や脳の構造を観察したりもしました。生徒たちは、丁寧に目を解剖し、水晶体を取り出して光にかざしたり、網膜を広げて構造を確かめたり。その姿はまるで小さな研究者のようでした。
驚いたのは、生徒たちの前向きな姿勢です。苦手そうな表情を見せても、「気持ち悪い」と言って逃げ出す子は一人もなく、みんなが真剣に、楽しそうに、夢中になっていました。この姿は、まさに、文部科学省が掲げる「主体的な学び」そのものだと感じました。
机の上の知識が、実物にふれることで命を持ち、生徒たちの中で"発見"や"感動"に変わっていく。
理科という教科は、「命のしくみ」や「自然の不思議」を通して、世界を理解するための入り口を生徒に開くものです。その入り口に立つとき、本物の手触りと感動があるかどうかで、学びの深さは大きく変わるのだと、改めて実感しました。
こうした授業を通して、「命ってすごい」「体ってよくできている」と感じたその驚きが、やがて未来を支える科学への興味や、他者への思いやりにつながっていくと考えています。
理科担当
※掲載画像は、一部を加工しています