1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2025

才教ダイアリー2025

まずはやってみよう

投稿日:2025.09.05

「やったー!!できたね!」からのハイタッチ!!

この瞬間が私は大好きです。あんなに嬉しそうに生き生きとした表情の子どもたちの成長を間近で見られるのは、この上ない喜びです。
まさに「できない」が「できた」に変わったこの瞬間は、子どもたちにとっても、私たち教員にとっても特別な瞬間です。
課題が難しければ難しいほど、努力すればしたほど、その瞬間は、自分の脳裏に刻まれ続けるでしょう。
遠い昔、自転車に乗れるようになったり、逆上がりができるようになったりしたときのことが今も鮮明に蘇るのは、私だけでしょうか?

さて、器械運動で開脚前転に取り組んでいる4年生。
昨年度の経験がある生徒たちに、技のポイントとなる意見を出してもらい、ホワイトボードにまとめました。
そのポイントは3つ。
回転のスピード、2度目の着手の位置とマットの押し出し方、2度目の着手前後の上体の使い方です。
粘り強く少しずつ課題を難しくしながら、練習を繰り返しました。
IMG_1058 - コピー.jpg
できなくて嫌だからやらないのではなく、「まずはやってみよう!!」とスモールステップを繰り返す中で、少しずつ「できた!」と嬉しい瞬間が展開されます。

そして今日も、
「やったー!!できたね!」からのハイタッチ!!

素敵な瞬間に立ち会えることに感謝しています。

無理と決めつけずに、まずはやってみよう!
やってみないと、始まらない!
こうした小さな成功体験をたくさん集めて、大きな自信に繋げていけますように...。

生徒たちが安心してチャレンジできる授業づくりのため、これからも猛進していきます。


保健体育担当

授業中の4年生 こんなポーズや・・・

こんなポーズのタイミングもあります

『この一瞬にかける』 8年生の電気実習から

投稿日:2025.08.29

「先生、半田付けって楽しいね」
「難しいと思っていたけど、慣れてくると時間を忘れます」

このような生徒の言葉が聞こえてくる。

半田ごての先に神経を集中させる瞬間、実習室の空気が変わる。
まさに、「この一瞬にかける」生徒たちだ。
少しでも油断すると、電気信号は容赦なく通過しない。
これは、技術科「ラジオ製作」の一駒だ。

製作は個人学習なので、友達を頼ることはできない。
真似をすることもできない。
自分の力で、作品づくりの駒を進めていく。

そして、
「完成しました!」「上手くできました!」
つぶやきを通り越した嬉しい言葉たちが、実習を維持していく。

早くFMラジオを受信しようと楽しみにしている生徒。
Bluetoothを使い、音楽を聴くことを楽しみしている生徒。
災害が発生したときの情報収集に利用しようとしている生徒。
それぞれが使い道を考え、手ごたえのある教材の完成を目指して頑張っている。

実験実習は8月で終了となり、いよいよラジオ本体の製作に移る。
生徒を待ち受けるのは、64箇所の半田付けへの挑戦。
「一瞬にかける」を合言葉にした実習の先で、ラジオからFM放送が無事に流れることを期待し、私は生徒と授業を進めていく。


技術科担当

あいさつ

投稿日:2025.08.26

今年度から登校時の交通指導担当になり、生徒に挨拶する機会が増えました。
生徒の様子を見ていると、朝から元気いっぱいの子がいたり、体温が上がっていないせいか、昼間とは違っておとなしい子もいたりと、新しい発見があります。
登校時の交通指導は、生徒の安全な誘導が主な役割ですが、それに加えて、朝一番に気持ちのよいあいさつを交わすことで、生徒たちの【やる気スイッチ】を入れてあげられたらいいなと、個人的に思っています。

私の好きな言葉に「鏡は先に笑わない」という言葉があります。
生徒たちの表情が堅いな...と感じた時は、自分が笑顔になれていないことがあると気づきました。
これは、自分一人ではなかなか気づけないことだと思います。
生徒たちには笑顔で楽しい学校生生活を送って欲しいので、私も笑顔でのあいさつをさらに心がけたいと思います。

さて、私が顧問を務める硬式テニス部は、本校で唯一、屋外で活動しています。
テニスコート周辺は、お迎えのため来校した保護者の方や下校する生徒など、大勢が行きかうので、「プレー中以外はあいさつをすること」を昨年度から続けています。
その成果があらわれ、保護者の方にしっかりとあいさつができるテニス部員が増えてきたことに成長を感じています。
最近は、生徒や保護者の方から声をかけていただくこともあり、とても嬉しいです。
あいさつを通して生徒たちが豊かな学校生活を送れるよう、今後も自分から声をかけ、また、見守っていきます。


登校指導担当・テニス部顧問

STEAMの種~発想の種をまく~

投稿日:2025.07.25

本校が取り組むSTEAM教育の中にある"A"はArtのAだ。なぜ理数系に重点を置く教育手法にArt(芸術)が含まれるのか。米国生まれのSTEAM教育の前身STEM教育は「課題」を効率よく「解決」するため、理数系の能力を高めようとするものだった。しかし、実践の中で様々な問題が見えてきた。そこで、多様で複雑な現代の課題を、より豊かで人間的な解決に導ける人材を育てようとArtが加えられたと私は理解している。

遠回りのようだが実は最も近道になるような、無駄に見えるけれど皆がハッピーになれるような、そんな解決方法を見出す一助となる「発想の芽」を培うこと。その種をまくことが本校の図工・美術科に託された使命だと考える。具体的な実践のひとつとして、5年生以上の図工・美術の授業では、3回に一度、導入部で「STEAMの種」というコーナーを設け、子どもたちに「目からうろこ」の体験を提供している。

以下、これまでに子どもたちにまいた「STEAMの種」の中からいくつかを紹介しよう。
「世界地図にもいろいろ」日本が中心にある世界地図が普通だと思ってはいけない。イギリスが中心にある地図が世界では一般的。オーストラリアには南北逆さの地図もある。
イギリス中心の世界地図では日本は東のはずれ。だから極東の國なんだ。 - コピー.jpg
「縄文時代の冷蔵庫」美術室にある素焼きの壺。中の水が普通のコップの水より冷たいのは、毛細管現象によるもの。先祖たちは、縄文時代からいつも冷たい水を飲んでいたのかも。
素焼きの壺の中の水はいつも冷たい。指を入れて見ればわかります。 - コピー.jpg
「風を食べて動く生き物」オランダの芸術家テオ・ヤンセンは、ホームセンターで売られているプラスチックの棒を使い、風力で生き物のように動く不思議なオブジェを作っている。
まるで生き物のような動きをするテオ・ヤンセン作品の模型。 - コピー.jpg
「物を遠くに飛ばすには」弓矢の矢、ライフル銃の内側の「らせん」など、物を遠くに正確に飛ばすには、飛ばす物を回転させればよい。ヒトの体にもそのような仕組みあり。
「数字に色が見える人」一つの情報で複数の感覚が同時に働いてしまう、近年注目される「共感覚」。子どもたちに聞くと「教科」に色がついて見えるという人が多数。
「鳥の聞きなし」ニワトリの鳴き声は日本ではコケコッコー、英語圏ではcock-a-doodle-doo。聞く人により聞こえ方が変わる。他者と自分の「感じ方の違い」を知る良い例。
「ひっつきむしが商品に」身近にある面ファスナー。元はひっつきむし(ある種の植物の種)のとげから着想を得たアイデア商品。近年、オナモミは松本周辺であまり見られない。
これがひっつき虫の代表、オナモミの実。松本ではあまり見られません。 - コピー.jpg
「ゲシュタルト崩壊」新美南吉(ごんぎつねの作者)は、それをテーマに作品化している。誰にでもある認知機能の一時的混乱。漢字練習中に起きやすいが、心配しなくてもよい。

これまで提供してきたことが、図工・美術の表現や他教科の学習に生かされることがあればうれしいが、すぐに役立つことはないし、おそらく長い人生で何の役にも立たないだろう。しかし、ここで知った新しい「視点」「発想」「気付き」などが、いつか自分の直面する困難や課題を乗り越えるヒントになる時が来るかもしれない。それこそが『STEAMの種』の本望だ。

<子どもたちの感想>
●何も知らない人がテオ・ヤンセンのストランドビーストを見たらきっと驚くと思う。(5年「風を食べて動く生き物」)
●自分のあたりまえは世界のあたりまえでないことがあるとわかった。今日は社会の勉強にもなった。(6年「世界地図にもいろいろ」)
●「毛細管現象」「気化熱」の仕組みを知って興味がわいた。家に帰って実験してみようと思う。(7年「縄文時代の冷蔵庫」)
●ひっつきむしが服につく仕組みが分かった。身近なところに自然から学んだテクノロジーが他にもないか探してみたい。(8年「ひっつきむしが商品に」)
●私は漢字テストでこれが起こって絶望を感じたことがあります。大事なテストでこれが起きないように気をつけたいです。(9年「ゲシュタルト崩壊」)


5~9年 図工・美術科担当

オリジナル・プレート

投稿日:2025.07.18

「子どもたちの作品に囲まれた教室が好きで、
 なんだか居心地が良くって。
 だから、教師は辞められないって思うんだ」

クラスの子どもたちが描いた作品を眺めながら、
そんなことを口にする先生がいました。

いま、1年生の教室には
体育祭の思い出を、迫力一杯に描いた作品が飾られています。

図工の時間では、作品を描いたり作ったりする中で、
子どもたちにとって、なにか一つでも、
新たな発見や学び、技術の向上につながるものがあるように
と思いながら、毎回の授業を行っています。

体育祭の絵では、かけっこ、玉入れ、大玉送り、応援合戦などの絵を
身体の動きがどうなっているか、よく考えながら描くことに挑戦しました。
足が交差したり、腕が曲がったりしているところを描くのは
とても難しかったようで、「どうなってるの?!」と悪戦苦闘。
ですが、だからこそ、「お絵描き」とは一味違った「作品」になったと思います。
応援合戦 大玉送り - コピー.jpg

かけっこ たまいれ- コピー.jpg

1学期最後の図工の授業では、
テラコッタ粘土を使った「オリジナル・プレート」を作りました。
1年生にとって、初めての焼き物です。

「わぁ~!」「ざらざらしてる!」
油粘土とは違う手触りに、いいリアクションの子どもたち。
こねたり丸めたりして、触り心地を楽しみながら粘土を柔らかくした後で、
思い思いのかたちに成形していきました。
飾りが取れないよう、一生懸命に指で馴染まることも忘れずに。
粘土こねこね もうすぐ完成- コピー.jpg
↑ 粘土をこねこね・・・・・もうすぐ完成
できた!「ピエロおとこ」 - コピー.jpg
↑「ピエロおとこ、できたよ!」

授業の後、ずらっと並んだみんなの作品を見て、
その可愛らしさに思わず写真を撮っていた私。
そして、休み時間のたびに、写真を眺めているのです。
オリジナル・プレート①② - コピー.jpg

「子どもたちの作品に囲まれた教室が好き」
そう言っていた先生の気持ちが、よく分かる気がしました。

子どもたちの作品を見ていると、
頑張って作っていた姿が目に浮かびます。
一人一人の個性表れた作品は、本当に面白い。

子どもたちがワクワクしながら自分を表現できる、
そんな図工の時間にしたい、と改めて感じました。

さて、明日からは約1ヶ月の長い夏休みとなります。
子どもたちはきっと、
普段はできないような様々な経験をしてくるでしょう。

2学期最初の図工は、「夏休みの思い出」を絵に描く予定です。
どんな絵を描いてくれるのか、今から楽しみです♪


1学年 図工担当

みんなで高め合おう

投稿日:2025.07.16

5年生の英語は、毎年4月から中学1年生用の教科書を使って学習を始めます。
小学1年生からEE(Everyday English)の授業が毎日行われていて、会話表現や英単語等の蓄積があるため、5年生から中学生用の教科書で学ぶこともスムーズです。
IMG_0983.jpg

一方で、EEでは英単語や英文を書くという学習に重点を置いていないので、4線上の正しい位置に書くことや、文頭は大文字にすること、ピリオドやクエスチョンマークをつけるといった、英文を書くときの決まりをしっかり習得してもらいます。
初めは英語用ノートに正しく書くことに苦戦していた生徒たち。
授業内で行う単語テストや定期テストに向けて、熱心に勉強している姿がありました。
その姿勢が更に変化するきっかけとなったのが、6月の1学期期末テストです。
思うような結果が出せなかった後悔からか、生徒たちの中には、それまで以上に丁寧にノートに英単語を書く練習や、英文を書くときの決まりを徹底しようという気概が感じられるようになりました。
こうした生徒一人ひとりの頑張りや気持ちは、日ごろの宿題の取り組みからちゃんと伝わるもので、私は、日々感心しながら宿題のチェックをしています。

1学期の授業も終盤に近づき、Lesson1のまとめとして、自分のプロフィールカードを作りました。
カードは友達同士で交換しあい、書かれていることに対して英語で質問し合う活動で使うものです。
好きな食べ物にhamburgerと書いている友達に、
"What hamburger do you like?"と質問したり、
"Do you have any dogs at home?"と聞かれて
"Yes, I do. I have a dog."と答えたり。
IMG_0995.jpg IMG_0989.jpg

友達同士で活動することが大好きな5年生。
英語の授業でも、毎回積極的に動いて、表情豊かに精一杯取り組んでいます。
英語を書く学習と英語を使う学習、どちらも一生懸命前向きに取り組みながら、英語力もコミュニケーション力も、みんなで一層高めていけるといいですね。


英語担当