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才教ダイアリー

どうして数学を勉強するのだろう?

投稿日:2021.02.02

3学期に入り、9年生はいよいよ本格的な受験シーズンに突入しました。私が担当する数学も、入試に向けて総合的な問題演習を行っています。特に図形に関する問題は、これまでに覚えた様々な図形の性質や定理の中から一体どの知識を使って解くのか、あるいはどのような補助線を引いて考えたらいいのかなど、ひらめきやセンスを必要とするものが多く存在するため、限られた時間の中で解くのは大変なことです。 


先日、入試対策の授業で扱った図形問題。これがなかなかの強者で、時間内に解ききれなかった生徒が多かったため、続きは宿題とし解説は次の日に持ち越しとなりました。担任の話によると、授業を終えて教室に戻った生徒たちは、休み時間返上でその図形の問題を熱心に解いていたそうです。翌日の授業前、何人かの生徒から「あの問題、解けました!」と誇らしげな表情とともに嬉しい報告を受けました。 


 


それから数日後、入試対策テストが行われました。このときの図形の最終問題もなかなか手強いものでした。この日は水曜日で放課後の『数才クラス』があったのですが、数才クラスが終わった途端、9年生の生徒が数人で教室に入ってきました。そして、同じ9年生で数才クラスに参加しているKくんに向かって嬉しそうに言うのです。


「わかったよ、あの問題! 解けたよ! Kくんの答え正解だよ! すごい! あの線分の比をどうやって出したの?」


その後は皆で解き方を確認し合い、友達の目の付け所に驚き、感心し、納得し、とても充実した時間を過ごしていました。


 


どうして数学を勉強するのか?と聞かれたとき、「高校入試に必要だから」、「論理的な思考力を育てるため」、「社会で生きていくために役に立つから」などと答える人が多いでしょう。もちろんこれらはすべて正しい答えだと思います。しかし、才教学園の9年生に同じ問いかけをしたら、多くの生徒がこう答えるはずです。


「数学を勉強するのは、数学が楽しいからです。」


 


解き方が全くわからない問題に直面したとしても、あれやこれやと考えに考えて、ふっとひらめいて解けたときの感動。自分で苦労して解いた後、友達の仰天するような解法を目の当たりにしたときの感動。数学の学習を通して、今9年生は様々な感動体験を味わっています。


受験勉強は大変かもしれませんが、そのような状況の中でも、楽しみながら数学を学んでいる9年生の姿を見て、とても頼もしく誇りに思います。


 


9年数学担当

授業中、真剣に問題に向き合っています。

授業終了の号令の後もまだ問題を解いています。学びに対する”貪欲さ”の現れです。