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才教ダイアリー

「だれかのために がんばる喜び」(1)

投稿日:2023.10.06

 2年生になって、ほぼ半年が過ぎようとしています。この年齢の子どもたちの発達段階として、まだまだ自己中心性、つまり『自分が一番!』の子が多いのが現状です。

一番に並びたい!
手を挙げて一番に当たりたい!
リーダーには自分がなりたい!

 こうしたことは、ごく自然な姿です。


 自分のためでなく、人のためにやさしくなること。人のために自分が我慢すること。それは教えてできるものではない、と思っています。「やりなさい」「我慢しなさい」と言っても、心からやってあげたいという気持ちには中々なりません。では、どうしたらいいのでしょう。
 私は、その答えは、「人のためにやってあげる喜びを知る」ことにあると思うのです。
 普段の生活では、そばにいつも教師やお父さんお母さんがいて、自分たちはやってもらう立場にいることの方が断然多い。だからこそ、だれかのためにしてあげる経験の機会やチャンスを作る必要があるのです。


 才教学園では、2年生が"さいきょう商店街"という行事を行います。これは、2年生が商品を作り、それを1年生に販売するというもので、簡単に言うとお店屋さんごっこの大型版です。
 ただ、そこに至るまでに、2年生が1年生のことを考え、思いやり、時には我慢する瞬間がたくさん入っています。
 まず、何のお店にするのかをグループで考えます。2年生には、自分たちがやりたいもの、得意なことがあります。でも、初めに1年生に欲しいもののアンケートを取り、そこから作る商品を考えていきました。
 店が決まったら、校長先生に出店許可をいただきます。校長先生によれば、2年生は、「1年生に喜んでもらいたい」と思いを語ったそうです。それに加えて、「1年生が安全に安心して遊べるようにしたい」と言った子がいたようです。本当に1年生のことを考えていなければ出てこない言葉だと、私は感心しました。