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才教ダイアリー

1から創り上げた最高の舞台(1)

投稿日:2023.11.02

 才教学園の3大行事のひとつである「さいきょう祭」が、10月29日にキッセイ文化ホールの大ホールで行われました。
 毎年8年生は、40分を超えるミュージカルや劇などの演目を披露するのがさいきょう祭の伝統となっています。例年、演目決めから脚本、演出、役決めのオーディションなど、その多くを教員主導で行ってきました。ところが、今年度の8年生は、それらすべてを生徒主導で行うことに決め、生徒にとっても我々教員にとっても過去にない経験、新たな挑戦となりました。


 1学期中頃、まずは生徒ディレクターを立候補で募りました。手を挙げた11名が中心となり、毎日のように放課後にミーティングを開き、演目をどうするか議論しました。
 演目が決定すると、キャスト選定のための作業、台本作成、・・・やるべきことは山ほどです。従来ならば、教員が作ったものを生徒が受け取り、教員の頭の中にある完成図に近づけるべく練習が始まるのですが、すべてを自分たちで1から創り上げていかなければいかないわけですから、それはそれは気の遠くなるような話です。
 2学期に入ると配役や曲なども決まり、衣装、大道具などの係活動も徐々に始まりました。9月末に台本の第1版が完成しましたが、演目の全体像が全く見えてこない状況に、我々教員は正直焦っていました。本当にこの調子で形になるものができるのか、と。
 しかし、ここは生徒たちの力を信じ、口を出したいのをぐっと堪えて見守ることにしました。


 あっという間に10月になり、校内リハーサルまで2週間を切った頃、あまり進んでいなかった大道具・小道具の作成が、急ピッチで始まりました。
 小道具のアイスクリームを、どうしたらおいしそうなチョコミント味に見えるか試行錯誤しながら作る姿。多目的室いっぱいに発泡スチロールの破片を散らし、無心に瓦礫の山を作成する姿。背景となる大きな絵を何枚も何枚も描く姿。
 ディレクター以外の生徒たちが、自分の役割を責任もって果たそうという姿が見えてきたのはこの頃からです。
 しかし、初版から変更が入った台本を、最初から最後まで通せたのがほんの数回。このような状態で校内リハーサルを迎えたので、生徒たちはよく頑張ってはいましたが、その出来栄えは散々なものでした。担任が「校内リハーサルはまだ2%の出来だ」と言い切ったほどです。見てくださった先生方や他学年の生徒からも、「わかりにくい」「セリフが棒読み」「途中で飽きた」など、厳しい意見がたくさん寄せられました。


---(2)へつづく---

細部にまでこだわった瓦礫の山

アイスの登場はほんの一瞬