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才教ダイアリー

千里の道も一歩から

投稿日:2014.09.04

 姿勢よく席につき、静かに前を向く子ども達。「これから、先達に学ぶ発表会を始めます。」発表者がそう言ってお辞儀をすると、教室が程よい緊張感に包まれます。


 朝の会が終わってからの10分間、先達に学ぶ発表会の時間があります。一人一人が、歴史上の事柄や、人物の生涯、発明発見のエピソードなどについて調べ、それをクラスみんなの前で発表する時間です。一年生は、ことわざについて調べて、発表会を行っています。この時間を、子ども達は楽しみにしているのです。


 「急がば回れ」を学習すれば、急いで文字を書こうとするとき、急いでトイレに行こうとするときなどに、「急がば回れだよ!」という声があがり、急いでいても文字は丁寧に書こうとする姿、急いでいても廊下は走らないように気を付ける姿が見られました。「三人寄れば文殊の知恵」では、「このクラスには13人もいるから、もっとすごい知恵が出るね!」という話をし、みんなで協力すれば、一人ではできない沢山のことが出来るのだと学びました。「好きこそものの上手なれ」では「僕は勉強が大好きです!」「わたしもです!」と次々に手があがり、学習意欲にもつながっているようでした。新しいことわざとの出会いを楽しみにし、ことわざの意味を理解して、学校生活に活かされていく様子を、私も嬉しく感じている日々です。


 ことわざについて学習することと同時に、みんなの前で発表すること、他の人の発表を聞くことも、とても大事な勉強です。一年生での目標は「堂々と大きな声で発表すること」「お友達の発表を最後までしっかり聞くこと」です。始めの頃は緊張して、大きな声が出せずにいた子が、今では堂々と発表することができるようになりました。始めの頃は集中できなくて、友だちの発表になかなか耳を傾けられずにいた子が、手を膝に置いて、真っ直ぐに視線を送れるようになりました。発表者が発表前に自分の席で、調べたことわざと、その意味を何度も確認して、張り切ってみんなの前に立つ姿、そして、発表に一生懸命に耳を傾け、温かい拍手を送る姿は、微笑ましく、また、誇らしく感じられます。


 「千里の道も一歩から」ということわざのように、大きな志を育てるため、一歩一歩、地面を踏みしめながら歩み始めた子どもたちです。



小学1年3組 原 成美