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才教ダイアリー

「チーム4年生」を目指して

投稿日:2016.10.04

 今年の4年生は、「チーム4年生」をスローガンに活動しています。具体的には、全員が一つになること、自分の事よりも仲間・チームのことを考えて行動することを目指しています。それを達成するのに、さいきょう祭はとても良い機会です。


そのさいきょう祭で、4年生は合唱と合奏に挑戦します。私は、この合唱と合奏という音楽こそ、全員が一つになるための最高の課題だと思っています。一人ひとりが精いっぱい歌い、演奏し、全員の声と音がピタッと重なるハーモニーの美しさは、鳥肌が立つほど素晴らしい瞬間です。それを、4年生の子どもたちに何としても感じて欲しいのです。


2学期、音楽の時間を中心に練習が始まると、休み中の個人練習の成果もあり、それなりに音は取れていました。しかし...。


  みんな自分の声と音ばかりで、周りの音をまったく聞いていないのです。合唱はパートごとだと音が取れるのに、合わせたとたんに声が聞こえず、ハーモニーになりません。合奏でも、指揮者を見ようともしない子どもたち。鍵盤ハーモニカはひたすら自分の指だけを見て弾くので、速さもリズムも合いません。打楽器は大きな音を出そうと力任せに叩いています。何より困ったのは、「ぼく、できています。」と自信たっぷりに答えていたこと。これでは、「一つになる!」という一番大切なことができなくなってしまいます。


そんな心配が募った9月の終わり。ある日の練習では、集中せずダラダラしたり、失敗しても笑ったりふざけたりしていました。それに、音楽の先生の話を聞きもせず、おしゃべりばかり。全く緊張感のない練習を終えた後、「こんな態度ではやる意味がない。本気でやらないのなら、あとは自分たちでやってみなさい。失敗して気づくこともあるはずです!」と、あえて子どもたちに厳しい言葉をかけました。


  その後、子どもたちだけでの話し合いが始まりました。突き放されたことで、初めて自分たちの現状に気づき、3つの目標を考えたのです。


  1.「チーム4先生」として、一回一回の練習を全力で行い、最高のステージをつくる。


  2.合唱・・一人ひとりが笑顔で真剣に歌う。


  3.合奏・・みんなで心を一つにして美しいハーモニーを作り上げる。


  「笑顔ができていない人がいたら、みんなで教えあってできるようにする。」「昼休みも練習します。」と言う声もあがりました。「昼休みは遊びたい人もいるんじゃないの?」と聞くと、「さいきょう祭が終わったら遊べばいい。」という声。やっと4年生の「本気」を見ることができました。


  そこからは、リーダーを筆頭に全員が意欲的に行動し、まさに見違えるほどの集中を見せています。合奏では2曲目に挑戦することも決まりました。


  本番まで一か月余り。大変なこともつらいこともあるでしょう。でも、今の子どもたちにとって、必死で取り組み乗り越えるという経験はそう多くはやってきません。だからこそ、苦しくても果敢に挑戦し突破したという貴重な経験は、絶対に生きる力となるはずです。それを信じて、そして4年生の子どもたちを信じて、私たち教師も全力で駆け抜けていきます。


 


  小学校4年3組担任