投稿日:2016.11.15
現在、8人で活動をしている野球部。
しかし、野球は9人で1チーム。
大会によっては、選手が最低10人でなければ参加できない場合もあります。
そこで、部活をしていない子や他の部の子に声をかけ、助っ人の力を借りて試合に出るという日々。
そのせいか、自信がなく、途中までリードしていた試合で負けてしまうことも...。
試合の機会が少ない中でも、部員同士が声を掛け合い努力している姿を見ながら、
「もっとたくさん試合ができたらな。」と、考えていました。
そんな時にA中学校からいただいた連絡。
『合同チームを組んで、大会に出ませんか。』
話を聞くと、A中学校とB中学校、才教学園で合同チームを作ろうというもので、
3校の部員を合わせると18人。
この人数で野球をできる機会はめったにないし、
一人ひとりのレベルアップにもつながると思い、この話を受けようと考えました。
合同チームについて部員たちに話すと、不安そうな顔。
「レギュラーを取れるか心配。」
「他の学校の人たちとうまくやれるか不安。」
なんとも弱気な発言が返ってきてしまいました。
そこで部長のM君が放った一言。
「最初からそんな気持ちだから、勝てる試合も勝てないんじゃないか。
やってみなくちゃ、分からないだろ。」
まさにその通り!
...なのですが、いざやってみると、部員たちの心配は現実のものに。
仲間同士で声をかけ合わない。
声をかけ合わないから、連係にミスが出る。
ミスをするから、失点につながる...。
そんな悪循環が続き、チームの士気も下がり気味だったあるとき、
ベンチメンバーのひとりだったH君が、急に大きな声でメンバーに声をかけ始めたのです。
エラーで落ち込む仲間を「どんまい、どんまい!」と励ますH君。
ここからチームの雰囲気がガラリと変わりました。
H君に触発され、部全体に気合が入り、お互いに歩み寄って協力する姿勢が
見られるようになったのです。
大きな変化を遂げたチームは徐々に強さを見せ始め、
全員が一丸となって臨んだ秋の新人戦では、中信大会への出場を決めました。
才教学園野球部にとって初の中信大会。
部員のうれしそうな顔が今も浮かんできます。
今年の大会はすべて終わり、合同チームもすでに解散してしまいましたが、
この経験は必ず次に生きるはずです。
新しいものを取り入れる時には誰でも不安になるもの。
行動を共にする仲間は心強いということ。
仲間を大事にするとは、「正しいことに賛同し、間違っていることは間違っていると伝える」こと。
周りを変えるには、まず自分が変わること。
そして、自分を成長させるために、自分に厳しくすること。
野球の技術だけではなく、部活を通して学ぶことはたくさんあります。
今日もまた、全員が成長できるように指導していきたいです。
野球部顧問