1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2018年度
  4. 「人のため」なんだ!

才教ダイアリー

「人のため」なんだ!

投稿日:2018.09.07


 毎年、小学2年生は、生活科の学習の一環として「さいきょう商店街」を開きます。廃品を利用して商品を作り、お店を開きます。お客さんは、1年生です。目指すは、「売上第一位!」そのためにどんな工夫をするのか、お店ごとに考えます。


「良い商品を作る。」


1年生の好みに合うような商品を作る。」


「でも、1年生の好きな物って、何?」


 1年生に好きな物や好きな色、形などのアンケートもとりました。それをもとに、「何を売るお店を開くのか」、「商品の色や模様はどうするか」、「値段はどうするか」など、1年生の立場になって考えます。ほかにも、「商品をきれいに並べる。」「笑顔でお客さんを迎える。」「おすすめの商品を紹介する。」・・・。一生懸命に考え、それをお店作りに活かしていきます。


 


主に、夏休み中に商品を作りました。どの商品も一生懸命に作った力作ばかり。できた商品に値段をつけ、それから、お店の看板を作り、準備は万端。


 


 そして、迎えた当日。


「なんか、ドキドキする。」「今日は、楽しみ。」「絶対、売り上げ一位になりたい。」


 朝から、少し緊張ぎみでもあり、楽しみにもしている子ども達の姿がありました。


 いよいよ、さいきょう商店街、開店。


 1年生が会場内に入ってきますが、恥ずかしさからか、なかなかすぐには、大きな声を出せずにいる子ども達。しかし、時間が経つにつれて、だんだんと声も大きくなってきました。


「いらっしゃいませ。」「安いですよ。」「おもしろいですよ。」


 大きな声で一生懸命にお客さんに呼びかけをする子。1年生に質問されて、商品の説明をする子。商品を整頓し、お客さんから見えやすいようにする子。中には、商品を持ってお店の外まで宣伝にいく子も。普段、皆の前で話をする時、小さな声になってしまいがちな子も、一生懸命に大きな声を出そうとします。たくさんの商品を売るために、それぞれが、自分なりに精一杯に活動します。


そして、「ヤッター、全部売れた!」お店にあった商品を完売して誇らしげな子ども達でした。


 


後日、「売上第一位」のお店の発表がありました。売り上げ一位のお店は、たった一店。一位になれなかった子は、残念そうな表情を浮かべていました。その後のまとめでは、「さいきょう商店街を開いて良かったこと」を、みんなで話し合いました。「お店のチームで、一つになって頑張れた。」「商品を作る大変さが分かった。」「心を込めて作ることができた。」いろいろな意見が出る中で、「1年生が喜んでくれた。それを見て、自分達もうれしくなった。」という、自分のことではなく、お客さんである1年生が喜んでくれたことがよかった、自分達もうれしくなったという子がたくさんいました。


「そうだ。売り上げ一位にはなれなかったけれど、1年生がとても喜んでくれた。1年生を喜ばせることができたんだ。それを見て、良かったなと思ったし、自分達もうれしかった。」


 


それは、世の中のお店を開いている人にも話が及びました。


「お店を開いている人も、お金をたくさんもらうことばかりを考えているのではなく、お客さんのために、お客さんに喜んでもらうことを考えているんだ。」


「人のためを思ってやっているんだと思う。」


「お客さんが喜んでもらうことによって、自分もうれしい気持ちになっているんだ。」


そして、他の職業にも広がりました。


「お医者さんは、患者さんのために病気を治して、元気になってもらっていると思う。」


「お米や野菜を作っている人は、食べ物がないと生きていけないから、それを食べる人のためにやっていると思う。」


「洋服を作る人も、着る人のため。」「大工さんも。」・・・。


「さいきょう学園で言っている『人のため』と同じだ!」学校使命をつぶやく子。


「あ、そうだ!ほんとうだ!」


 


売り上げ一位を目ざして、一生懸命に準備をしてきた子ども達。一生懸命に取り組んできたからこそ、1年生が喜んでくれて、それによって自分達も満足感を得ることができた。そして、それを世の中の仕事のことにも結び付けて考えることができた子ども達でした。「人のため」に働き、人が喜んでくれたことに喜びを感じることできた子ども達です。この経験がきっとこれからの生活にも活かされてくると思います。


 


23組担任