投稿日:2020.07.07
先日の学級の時間、私は子どもたちにイエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんの話をしました。内容としては、『イエローハットが全国展開・海外進出できるようになるまでに鍵山さんが大事にしたことは何か』を生徒に考えてもらうこと。 子ども達は、「壊れない車を作る。」「新しい部品の開発」「素早い修理」など、車に関する答えを次々に挙げてくれました。 一通りの意見が出たところで、私が「答えは、トイレ掃除です。しかも、素手で行います。」と伝えると、子ども達からは、「どうしてですか?」「手袋もはめずに自分の手で掃除するんですか?」と驚きの声。 かくいう私も、素手でのトイレ掃除はあまり経験がありませんが…。 鍵山さんは、「人の心を取り出して磨くことはできない。心を磨くには、とりあえず目の前に見えるものを磨いて綺麗にすること。特に、みんなが嫌がるトイレを掃除すると、心も美しくなる。」という考えを持っています。 さらに、トイレ掃除を率先して行うことで、みんなが使うものをきれいにする心を育んだり、小さな汚れにも気づくことができるようになったり、身の回りのものごとに感謝できるようになるなど、多くの成長が期待できる、とも。 会社の成功の秘訣が車そのものに関することだろう、と楽しそうに予想していた子どもたち。だんだんと真剣な顔つきに変わっていきました。 ある子が「じゃあ、世のため人のためって、そういうことなのかな。」とつぶやきました。すると、周りの子どもたちも「そうだよ!」と共感し始めました。 この授業の感想では、「今まで掃除をあまり真剣にやってこなかったけど、今日から真剣にやります。」「私も鍵山さんのようになりたい。」「早く掃除をしたくなりました。」とありました。 *** その日を境に、子ども達の意識が変化しました。 会話の中で、「掃除に行ってきます。」ではなく、「図工室をきれいにしてきます。」「流しをピカピカにしてきます。」と言うようになったり、休み時間にある男の子が「トイレの床をきれいにしていいですか。」と聞きに来たり、別の子が流しの水滴を拭いてくれていたこともありました。 現在、感染症等のリスクを避けるためにトイレ掃除は教職員が行っていて、子どもたちが清掃する範囲はごく限られた場所にしていますが、自分たちで気づいたところをきれいにしようという姿勢が、これまでよりはっきり見られるようになったのです。 鍵山さんの話をしっかり受け止めた子どもたち。 今日も、一生懸命に教室や図工室、流しをきれいにしています。 2年2組担任