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才教ダイアリー

充実の旅(前編)

投稿日:2021.12.14

6年2組担任



 6年生の最大行事、研修旅行。当初は6月の予定でしたが、2度の延期を経て11月下旬に東北の地へ・・・。県内外の往来に難しさがつきまとう昨今、旅行会社や関係先のバックアップをいただき、コロナ対策の基本的なルールも徹底したうえで、体験と学びが凝縮された修学旅行を実現させることができました。



福島県・会津


日新館


 絵皿体験では一人ひとりが好きな言葉や絵を皿に描き入れ、弓道では矢を真っすぐ飛ばすことに苦戦している姿がありました。静寂の中での坐禅は、慣れない体にはきついものがありましたが、心がスーッと穏やかになっていく不思議な感覚にとらわれ、150年前に藩士の子弟らが学んだ場所での貴重な修行体験をさせていただきました。



宮城県・石巻


石巻南浜津波復興祈念公園


 年間の学習テーマを「防災」としている6年生にとって、石巻訪問はメインとなる活動でした。ボランティアガイドの方がバスに同乗し被災地を案内してくださいました。復興祈念公園がある地域には約4,500人が暮らしていたこと。家屋などは全て流されてしまったこと。「みやぎ東日本大震災津波伝承館」の屋根は、津波が停滞したときの高さと同じに作られていること。当該の地に立つと、津波の恐ろしさがまざまざと感じられました。


 そして、社会科を教える身としてぜひ訪れたかった大川小学校。あの日、あの時、あの場所にいたら、教員として、大人として、人としてどんな行動がとれたのか。私も、生徒たちと一緒に考えたいと思っていました。当時のまま残されている校舎に津波到達の時間で止まった時計、波の力でねじり倒された渡り廊下。私の胸は思った以上にざわつきました。避難場所の選択肢になっていた裏山も見ましたが、大地震後の地滑りの危険性を考えると、私は果たしてここを選択できただろうかと考えてしまいます。答えを出すのは、本当に難しいことです。しかし、被災地を見た者の責任として、私たちには大川小学校で起きたことを後世に伝える義務がある。これが、今回の研修旅行で学んだことの、結論のひとつなのではないかと感じています。



(後編へ続く)

弓道体験(日新館)

津波被災地を見下ろす高台から(石巻市)