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才教ダイアリー

温故知新の教材開発 8・9年生 美術科の授業

投稿日:2022.01.13

 STEAM教育の充実には、新しい教材開発が必要不可欠です。美術の授業においても、日本の伝統から学ぶ教材、新しい技術を用いた教材の開発を積極的に行っています。


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 8年生は、デザインの学習で「家紋」の切り絵に取り組みました。日本の家紋は、元をたどれば平安時代までさかのぼるほど伝統的なデザインの代表であり、ピクトグラムの一種ともいえます。1学期にピクトグラムを学習した8年生は、夏休みの宿題で自分の家の家紋または歴史上の有名な人物の家紋について調べ、レポートにまとめました。


 集められた家紋はどれも興味深く、植物や生き物などを模したそれらは、デザインとしても優れたものばかり。武田信玄の「武田菱」のようにシンプルなものもあれば、徳川家の「三つ葉葵」のように複雑なものもあります。複雑な家紋を選んだ人は、制作に大変苦労していました。


 完成後、2階ロビーに展示された作品は、本校の生徒・保護者の皆様だけでなく外部からお見えになった方にも好評です。多くの人が作品の前で足を止めてくださり、丁寧に作られたモノクロの世界に見入っています。


 9年生は2学期よりiPadを用いたアニメづくりにチャレンジ中。「国内外で起きている社会問題」を取り上げ、4~5人のグループでクレイアニメの制作を進めています。


 自分たちで選んだテーマは、移民問題・未来のクルマ・ごみ問題・食品ロス・海洋ゴミ問題・地球温暖化・スマホ依存。この時点で生徒たちの意識の高さに驚かされ、同時に、解決の難しい大きなテーマをどう作品にするのだろうか...と心配しました。予想通り、絵コンテ作りは非常に難航しましたが、粘土でのモチーフづくりが始まり、背景制作、コマ撮り撮影など、メンバーの皆が協力し合う姿に、毎回感心させられています。


 このスタイルでの実践は本校では前例がありません。初めての試みとあって、まだこれからも時間、経験、機材の制約など数々の困難が待ち受けていると思いますが、先駆者としての自負をもって制作に取り組んでほしいところです。


 卒業までの作品公開を目指し、頑張りましょう!


8・9年 美術担当

8年生による切り絵「家紋」 企業や商品のマークとして使われているものも。

作業を手分けして進める9年生。背景のクオリティにもこだわります。

コマ撮り中。チームワークも重要です。