1. ホーム
  2. 才教ダイアリー
  3. 2023年度
  4. 描く力は生きる力 ~授業で行うクロッキーの意味~(1)

才教ダイアリー

描く力は生きる力 ~授業で行うクロッキーの意味~(1)

投稿日:2023.09.22

 本校卒業生は絵を描く技能も高い...調べる機会がないので知られていませんが、これは事実だと思います。その理由は、才教学園ならではの図工・美術の特色にあります。


 4年生以上の図工・美術では、授業の初めにクロッキーの時間を設けています。クロッキーとは、フランス語で「早描き」という意味で、ものの形を素早く簡潔に線だけで描く、絵画の技術を磨く基礎トレーニングの一つです。
 5年生以上のクラスでは、少なくとも授業3回のうち1回は、授業の初め5分間を使って、くじ引きで選ばれたクラスメイトをモデルに、全員で人物クロッキーを行います。モデルの生徒には、毎回、楽器や生活道具などの小道具を持ってもらいます。
 5分間集中して描いた後は、必ず全員でお互いの作品を見合い、モデルを務めた生徒は、上手い下手を超えた「気になる一枚」を選びます。この活動は表現技能の共有を促すだけでなく、他者の多様性を理解する良い機会になっています。その後、教師は全作品に必ずアドバイスを付すようにしています。


 初めは漫画のような絵を描いていた多くの4年生も、9年生時には大人顔負けの絵が描けるようになって卒業していきます。まさに継続は力なり。月に一度あるかないか、それもたった5分の短い時間ですが、6年間の継続は、子どもたちの描く技術を確実に向上させています。

実際のクロッキーの様子。5分間、全員が集中して無言で取り組みます。

クロッキー帳は、6年間の造形学習の成長記録でもあります。