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才教ダイアリー

感じること イメージをもつこと

投稿日:2023.09.01

 小学校3年生は、今年からソプラノリコーダーを練習しています。
 導入時は、シャボン玉を使って息をコントロールする練習から始めました。
 授業では「優しい音で」「音を弱く」といった言葉で指導をしてしまうことが多くありますが、実際のところ、音は形になって現れるわけではありません。しかし、シャボン玉なら、自分が吐く息の強さを加減することによって、どのように形が変化していくのかを視覚的に捉えることができます。
「"誰が一番大きいシャボン玉を作れるか大会"だ!」
 子どもたちにこう伝えると、みんな大喜びで次々と大きいシャボン玉を作っていました。終わった後、どのように息をコントロールしたかを聞いてみると、「優しくゆっくりとした長い息で吹いたよ!」と100点満点の答えが返ってきました。
 このような経験を経て、子どもたちは1学期中、「シャボン玉を作るときのように」「手の位置はここ!」「トゥトゥトゥとタンギング忘れているよ」などと、基本的な事項を友達と教え合い、時にきれいに演奏できた喜びを共有しながら練習を積み重ね、どんどんと上達していきました。


 夏休みには、ベートーヴェン作曲の「よろこびの歌」を宿題に出しました。この時期にはまだ難しい、高い「レ」の音にも挑戦してもらったのです。
 2学期最初の授業では、多くの子が「レの音をキレイに出せなかった」「ピ―と鳴っちゃって大変だった」と話してくれました。
 私は、そういった感想を聞いて、嬉しく思いました。なぜならば、それは"美しい音"を奏でたい気持ちの現れだからです。素直な感想は、自分の中で奏でたい"理想の音"があるということの裏返しでもあります。


 リコーダーは、息を入れれば誰でも音を出すことができる、親しみやすい楽器です。
 しかし、息を入れる量を工夫したり、どのような音色にしたいのか、どのようにメロディを奏でたいのかなど、自分なりに音や音楽にイメージをもったりして演奏することで、表現はガラリと変わってくる面白さがあります。
 私は、子ども達には、ただ演奏するのではなく、自分なりのイメージをもって演奏してもらいたいと思って授業に臨んでいます。そして、演奏技術はもちろん、音楽的な感性も磨いて欲しいとも思っています。感じることやイメージをもつことの大切さを教えながら、これからも音楽の授業を展開していきます。


音楽科担当